一方その頃……
■■■〜一方その頃〜 社長side■■■
「──あれ? 社長じゃん久しぶり〜!」
キューピッド様との幸福時間が終わり、渋々、子ども達の所へと戻ろうとした矢先……聞き覚えのある声が背後からした。
これまた渋々、背後へ振り返ると、
「うげッ……やっぱりアンタかぁ〜、裏切り者が何か用?」
満面の笑みを浮かべ、如月の自称後輩にして狂信者──あと、何だっけ? 確か『世界王』だったっけ??
──ま、どうでもいいか。兎に角、敵になった元バイト野郎である久保が立っていた。
「えぇ〜……久しぶりなのに何か冷たくない? あ、もしかして合コン失敗した?? 大丈夫だって、男も女も星の数ほど居るからさぁ──その内、社長の事を好きになってくれる物好きな人も一人くらい現れると……いいね?」
ニコニコ笑いながら久保は告げる。
それはもう、悪意たっぷりに!!!
「──再会早々に喧嘩売ってくれてどうも。で? アンタは喧嘩売りに来ただけなの??」
「まさかぁ! 僕もそこまで暇じゃないよ、先輩に用があってね……どうせまた侍らせているんでしょ? どこ??」
もういっそ清々しいレベルねコイツ……。
「さぁ? 私、さっきまでダンディな天使様とお茶を楽しんでいたから知らないわよ」
「社長……仕事もしない癖に幻覚見るほど疲れてるの? それとも妄想?? 頭の病院でも紹介してあげようか?」
すぅぅ──ダメよ私の拳、我慢しなさい。あぁ、中指さんも立っちゃダメ!
「ふぅ…………妄想でも幻覚でも無いけど、まぁいいわ。それより、アンタいい加減『先輩』離れしたら? あまりしつこいと、大好きな『先輩』に嫌われちゃうわよ」
あまりにもムカっ腹が立ったので、大人気なくも嫌味を言い返す。
その言葉に、一瞬だけ久保の貼り付けていた笑顔の仮面が剥がれかけるけど……ダメね。
「あはは、ご心配どうも。でも、その気遣いは自分にした方が良いんじゃない? そうすれば、彼氏の一人くらい出来ると思うけどなぁ??」
──え? マッ!?
でも確かに最近グイグイ行ってるし……押してダメなら、引いてみるのも手か!
「…………今度の合コン……そうしてみようかしら…?」
「まさか前向きに検討するとは思わなかった──けど、ホントに先輩も居ないみたいだし、僕はそろそろお暇するね??」
これ以上構っていられるか! と、ばかりにそそくさと久保は退散する。
ふん──久保の事は正直苦手だけど、後で『株で大勝ちした上機嫌な如月』の写真でも送信っておいてやるか!
◆◆◆
「ただいま〜〜〜! って、あら??? 如月は?」
子ども達のトコに戻ったら、一人居なくなってたんだけど?
それも、超ド級の問題児が。
「「「──ホルマリンを買いに行きました」」」
「………………は?」
見事なまでに皆んな声をハモらせて答えてくれたワケだけど、ホルマリンを買いに行ったって……ぇ?
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