ホルマリン買って来ますね!
「──それは…………」
「何と言うか、さすが如月さんの通っている高校ですね?」
そう、何とも言えない様な表情で久遠と綾ちゃんは告げてくる。
「ホントにね? しかも去年の体育祭、両陣営がハッスルしまくってて──結果、高校が半壊したし」
「まぁ、その日の内に元通りになったから良かったけどさぁ……その前例があるのに、またしよう! って、言うんだから私らも教師陣も結構ブッ飛んでるよね?」
「いや……今回は技術部と陰陽部が共同開発した『結界発生装置』が有るから大丈夫だろ」
──白崎パイセン、それ……フラグなんだわ。
「というか如月、悪い事は言わないから魔王軍はやめとけ! ブレーキがぶっ壊れてる集団だぞアイツらは!!!」
「──は? 壊れてないけど?? ブレーキはちゃんと有るけどソレを無視してアクセルを踏み込んでるだけですけど?」
「そーだそーだ! まぁ、ブレーキ自体が壊れてる奴が居るのも事実ですけどね?」
『………………』
──はぁ。やっぱり気の所為……じゃ、ないか。
一つ息を吐くと、
「あ! オレちょっとホルマリン買って来ますね!!!」
唐突に会話をぶった斬って悪いが、そう言葉を紡ぎ踵を返す。
──まだ綾ちゃん達との約束の途中だが、これは仕方ない。暗くなる前に戻れば良いだろう。
ただ……『もう一つの』懸念点を考えると──。
「──あッ、そーだ!ヒナちゃん先輩と白崎パイセンに一つ頼みたい事g──」
「フッ──みなまで言わなくて良いよ? あの社長さんが帰って来るまででok?」
「はぁぁ……乗り掛かった船だ。任せておけ」
うーーーんッッ、言う前に快諾するとかホントに男前だなぁ……この先輩方。
ま、ここはお言葉に甘えさせてもらおう。
「申し訳無いです。今度、何か奢らせて下さい……じゃあ久遠、綾ちゃん、ちょっとホルマリン買って来るね!」
「──え!? マジで買いに行くんスか先生!??」
「なんで……ホルマリン???」
「まあまあ☆ あ、キー様の彼女さん。他にも色々と護符有るから良かったら見てって! ちな、私のお勧めは──」
「キミ、確か久遠くん……だったね? ふむ、中々に良い目をしている。どれ、一つ加護でも──」
■■■
ふぅ……此処なら人も来ないし、能力の範囲外だから気付かないだろう。
「──ジャバウォック、『境界』展開。myプリティ妖精フェアリーちゃん、お仕事です!」
ジャバウォックの能力を使い、暴れても大丈夫な超万能空間を展開し、
回復要員も事前に召喚させてもらう。
「一先ずコレで良いか……待たせて悪かったな、隠れてないで出て来いよ──『キメラ』──」
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