護符屋
●●●〜〜〜護符屋〜〜〜●●●
「──う"ぅ〜〜〜〜〜…………ッ!」
「( ತ_ತ)」
「──あッ!? 先生、女社長達居ましたよ!」
と、久遠が指差した方に目を向けるが……社長w
あと綾ちゃんもどうした? 二人して険しい顔なんかして?
ふと、屋台の名前を見ると──『護符屋』──と、書いてあった。
「あ〜〜〜(察し)」
「うわッ!? 何すかこの紙切れ、見てるだけでなんか寒気が!!?!?」
護符屋には、色とりどりの紙切れ──基、護符が丁寧に並べられている。
そして、その護符を凝視し険しい顔をしていた綾ちゃんと千尋さんだが……久遠の声で、オレ達に気が付いたようだ。
「──えぁッッ!!? き、如月さん!? た、龍鬽くんもき、来てたのなら声を掛けてくださいよ!??」
「落ち着きなさい綾ちゃん。そんなエロ本の隠し読みがバレた中坊みたいな事を口走ったら、やましい事してましたって自白してるようなモノよ? 堂々となさい!」
──おい止めろ、ピュアな女子中学生の前でそんなリアルな具体例を出すな! セ●ムが──
「エロッ!? エッチな本なんて読んでません!!!」
「──綾ぁああああああッッッ!!!!! 今の話は本当なのか!? パパはお前をそんな子に育てた覚えは無いぞ!」
ホラ見ろ、守護神が召喚された!
「えッ!? 父さん何で!!?」
「そんな些細な事はどうでもいい! 今大事なのはお前がいかがわしい本を──」
「──どうせアンタも中坊の頃に隠し読みしてたクチでしょ? なに自分の事は棚上げしてんのよ、あーやだやだ!」
と、これまたリアルでありそうな千尋さんの具体例口撃に、
「………………」
無言になる守護神。……してたんか?
「──貴方?」
「ひ…………ッッッ!!?!?」
そして、そんな守護神の背後に現れた──
「えッ? か、母さんまで!? 何で!!?」
──般若。
般若は守護神の首を鷲掴むと、ズリズリと守護神を引き摺り歩き出す。
「綾、お母さんは今からこの脳内花畑親バカ男と大切な話があるから失礼するわね? えっと、社長さんと綾のお友達も……ウチの馬鹿夫が御免なさいね」
◆◆◆
「──なんつーか……嵐みたいなお母様ね?」
千尋さんのその一言で、静寂に満ちた一刻が終わりを告げる。
綾ちゃんに至っては「父さんと母さん……何で居たんだろ」、と、首を傾げているが──まぁ、うん。
●心配でついて来た
or
●二人でラブラブしてた
──かの二択でしょ? はいはい、ご馳走様でした。
とりま、そんな些細な事は置いといて!
「で? 綾ちゃんはどの紙k──護符を見てたのかなぁ〜〜〜??」
オレにとっては↑の方が俄然気になりますなぁ?
──ん? 正直に言うてみ??
ニヤニヤしながらそう問い掛けると……ッ!
「そ、それはそのッ……えっと、其処の白いのとか良くありません!? 『増毛祈願』って、父さん最近薄くなってきちゃったんで良いかな!? なんて!!!」
慌てた様子で、↑。と、口早に述べて来たのだが……え?
………………………………ぇ???
「あの…………綾ちゃん……私が言うのも何だけど、いま貴女、まあまあ酷い事言ったわよ?」
「その、話し振っておいて何ですけど……やっぱり、お父さんこと嫌ってたりするの? 相談ならいつでものるよ?」
「オレが親なら間違い無く号泣してるぜ……佐藤」
「──ウンウン! 素直そうなのにサラッと毒吐くとか中々やるね、キー様の彼女さん!!!」
「いえあのッ! い、良いかなって思っただけですし父さんの事も嫌ってなんて──え?」
「ん?」
綾ちゃんは言い訳を口走っていたが、それが不意に止む。
──そしてオレの隣へと視線を向けると、ジーと凝視し……
「いや誰ですか貴女!!?!?」
と、叫び声にも近しい元気の良いお声が祭り会場に響いたのであった。
見てくれてありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(●´ω`●)