in 祭り会場
■■■in 祭り会場■■■
「──祭りじゃヒャッハーーーーーーーーッ!!!!!」
と、一人で先に駆けて行く社長……その後をオレと綾ちゃんと久遠はゆっくりとついて行く。
祭りの規模が大きくなっただけあって、まだ明るい時間帯であるにも関わらず人の数は多い。
──そしてそんな中へと、全力で駆けて行ったバ……失礼。社長に冷たい視線をプレゼントしておこう。
「まだ明るいのに……人の数が……数──あれ? モンスターも混ざってません!!?」
綾ちゃんは驚愕の声を上げるが、まぁ……ね?
──モンスターが祭りを楽しんじゃダメなんてルールは無いし……自由だった頃に売っちゃってるし、こんだけ祭りの規模がデカくなったら警備の数だって必要だしね???
「上手くいってるみたいっすね、先生!」
「まぁ、まだ油断は出来ないけどな」
一先ず、第一段階はクリアか。このまま順調に行ってくれればいいが……。
「あの…………如月さん……?」
「──え? ああ、どうしたの綾ちゃん」
おっといけない、いけない! 頭の中が仕事モードになりかけてたわ!!!
「大丈夫なんですか、その──キメラさんのこと?」
「…………う〜ん……正直、大丈夫では無いかな? でも、社長や綾ちゃんとの約束だし……何もしないで待ってるって言うのもねぇ──??」
綾ちゃんのストレートな問いに、若干、オレは言い淀む。
──そりゃあ、オレだってキメラとも来たかったけど……悪いのはオレだしなぁ。
「まぁだから、せめて此処で詫びの品でも見繕っていこうかなって! どうせなら楽しまないと損だしね!!!」
■■■〜〜〜???〜〜〜■■■
『──はぁ……主のバカ…………』
呟いた言葉は、何処へなりとも溶けて消えてゆく。
人々で賑わうこの場で、楽しそうに笑っていた主の姿を思い出す。
『分体からの知らせで来てみれば……はぁ。所詮、創造主は創造物を愛しはしない、という事か』
主を置いて去ったワケだが、それでも主のモンスターとして──主を守護るのは当然のこと。
故に、自身の分体をコッソリと残して置いたのだが……どうやら、それは失敗だったらしい。
『はぁぁ…………来るんじゃ無かった』
分体からの知らせ受けて、来たが……心底後悔する。
いっそ、このまま何処へなりとも行って帰らなければ多少は──とも、考えるが辞める。
──所詮、創造物は創造主を愛しても……
……創造主は創造物を愛しはしないだろう。
ゲームのデータを飽きれば消すのと同じ様なモノだ。
所詮、創造主と創造物でしか無いのだから……。
踵を返そうとした、その瞬間。
「──あれ〜? 先輩のトコのモンスターじゃん。一人なの?? 珍しいねぇ〜?」
見てくれてありがとうございました! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(●´ω`●)
夏編……長くなったなぁ…………。