帰還
■■■〜〜〜帰還〜〜〜■■■
「──各々方、忘れ物はありませんか?」
石化事変から約二日後の今日……オレ達はこの『孤島』を後にする。
そして皆様、この度は如月航空をご利用いただき──誠にありがとうございます! Σd( ^ω^ )
「大丈夫ですね? 急に止まってと言われてもそのまま行きますからね??」
本来であれば、一人一人に飛行モンスターをレンタルするこの如月航空だが……今回は特別に大型の飛行モンスター一体に全員を乗せている。
──まぁ、アレだ。家に帰るまでが旅行だからね、少しでも楽しい時間を増やしてやろうというオレなりのサービスだ。断じて、人…魔物件費をケチっているワケでは無い!
え? U●Aとしてニュースにならないのかって???
…………大丈夫だろ多分。否定派の方々が頑張って否定してくれるさ!
それでは……家に帰る安堵と、一縷の寂しさを胸に──出発!!!
◆◆◆
「──い"や"よ"ぉおおおおおおおおおおッッ!!!!!」
「子どもか!!! いいからサッサと降りろ!」
モンスターにしがみ付き、全力抵抗の姿勢をとる社長を何とか引き摺り下ろす!
「いやぁあああああッ!!! まだ私は帰らない! 皆んなとお別れなんて絶対に嫌だぁあああああッッ!!!」
「いい加減にしなさい! まだ日も高いのにご近所様に迷惑でしょッ、全く!!!」
ギャーギャー泣き叫ぶ社長の姿に、付近の方々が何事かと出て来る。
「だって家に帰っても一人だもん! 愛する伴侶も恋人だって居ない!!! 職場しか潤いが無いのに休暇なんて取るんじゃなかったぁあああああッッッ!!!!!」
「そういう一部の方々の心を抉る発言はやめなさい! それに社長には、ティアマトちゃんもワイバーンくんも居るでしょうが!!!」
尚も、泣き叫ぶ社長。
──マジでいい加減にしてくれ、まだ後がつっかえてるって言うのに……!
(はッ!? そういえば!!!)……Σ( ^ω^ )
「──社長、そういえば今日……夏祭りがあるのはご存知ですか?」
「ふぇ……? なつ、ま、つり???」
よし! 食い付いた!!!
「はい。大人から子ども、何ならお年寄りも楽しめるお祭りだとか……!」
「楽しめる…お祭り……」
面倒事の排除がてら、ついで客寄せもしとくか。
「ありきたりな屋台から、常識を覆すような屋台まで色々あるらしいですよ? それに今年は、お祭りの規模も結構大きなモノになるとか……」
「大きな、お祭り──屋台も色々……!」
ソウダヨー、屋台マジ色々アルヨ〜〜〜!!!
「何なら、オレが一緒に行って案内でもしてあげましょうか?」
「──ッ!? すみませんソレ私もご一緒して良いですかお願いします!!!」
え? めっちゃ食い付いて来たけど……綾ちゃんもお祭り好きなの???
「あ、うん。オレは構わないよ? 久遠も来るだろ?」
「うっす! 色々と学ばせてもらいます!!!」
「学ぶ……?」
──シッ! 久遠、シッ!!!
「それで? 社長はどうします???」
「みんなと、お祭り……大きな、お祭り!!! 行く!」
よし、言質は取った。奴らにも連絡しておこう。
──鴨が金のネギを背負って来るぞ! と。
「それなら、こんな所で駄々を捏ねていて良いんですか? 大きなお祭りで、人だっていっぱい来ますよ?」
「ハッ!? そ、そうね! 目一杯お洒落しなきゃ!!!」
ソウダヨー、だから早く行ってくれぇー。
■■■in 自宅■■■
「──ふぃ〜〜〜、やっと着いた〜!!!」
何やかんやハプニングはあれど、何とか自宅へとたどり着いた。
久遠も用意があるとかで家に送ったので、オレ一人での帰宅である。あ、モンスターを入れると一人と二匹か?
「お前もお疲れ様。ゆっくり休んでくれ」
飛行モンスターをスマホへと戻し、自宅のドアを開ける。
「ただいま〜!」
『ッ、はい! お帰りなさい主!!!』
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