石化事変10
■■■前回のあらすじ■■■
──餌がやられた!!!
◆◆◆
「いやぁ……いったい何時からヤラれてたんですかね?」
「ホントにね? 全く気が付かなかったわ」
「──言ってる場合ッすか!? 早く見つけないと!!!」
まぁまぁ……今更、焦っても仕方無いよ囮くん。
「餌には追跡装置も付けておいたので、居場所は簡単に特定できますよ。ただ──」
「ただ? 何よ??」
「いや……餌が胃袋に居る状態でBOMっても大丈夫かな? って……」
ワンチャン……一緒に消滅する可能性も微レ存? 『無敵』が残ってたのなら大丈夫なんだけど……。
「でも、もう直ぐで『無敵付与』の効果も切れちゃうんで──考えてる時間も無い……みたいな?」
「──どうすんのよ!!?!?」
「何でそんな落ち着いて言ってんすか!? 人の感情が無いんすか!!?」
──ンマッ、失礼しちゃうわ! 人並みの感情くらいちゃんと有りますぅ!!!
だから餌の心配をしてるんじゃんよ。感情無かったら、そのままBOMってるわ。
「はぁ、人の話は最後まで聞いてください。いいですか? まずオレが──────、そしたら────して下さい」
■■■あんなモノ食べるから!!!■■■
「あ! 居ましたよ!!!」
──追跡装置を辿り、無事、アンフィスバエナの元まで辿り着く。
だが……『透明化』すらせずに、荒い呼吸音と共に丸くなっているのだが、コレ如何に?
「…………何か弱ってない?」
「どうしたんすかね!? び、びび病気っすか!!?」
問題児とは言え、自身のモンスター……やはり可愛いのだろう。
囮はアンフィスバエナの元まで行くと、お腹の辺りをポンポンとさする。
「──あそこで絶賛、餌が消化中なワケだけど……多分忘れてるわね」
「いや、まだ無敵が残ってますから大丈夫ですよ? 勝手にグロを想像するのヤメテもらえます??」
オレと壁はやや遠まきに様子を伺うが、囮を襲う素振りは見られない。
すると──ッ!
「Σ( °Д°)──理解ったっす!!! あんなモノを食べたから、お腹壊しちゃったんすね!!?!?」
「──ぶふッw!!?」
「ちょッww!?? 今、あんなモノって言った!? いくら餌でも、まだ一応人間よ!!?」
ヤバい……囮、マジでヤバい…………面白い。
そして、おそらく混乱しているであろう囮くんは──まだまだ止まらない!
「ホラ、早くペッってするっス!!! もう、何でもかんでも食べるからそうなるんスよ!」
「ッ〜〜〜www き、肝っ玉母ちゃん……w」
「如月、アンタ本当に弱いわね……こういうのw」
いやホントにね! でも、壁だって嫌いじゃ無いでしょうが……!!!
◆◆◆
「──出ないっす…………」
あのさ、絶望した顔で↑の台詞は卑怯じゃないかな!?
「ンフッw そ、そうっすか……」
「笑いながら言うとかアンタ最低ね……囮くんの気持ちも考えてあげなさいよ!」
──いや! これは仕方無くないか!?
思わず、そうツッコミそうになった矢先……、
「……はい。なので、如月さん──ウチの子を宜しくお願いしますっス!」
「──は?」
囮の、まさかの発言に──オレの喉から声が洩れる。
「如月さん言ってたっすよね!?
『──まずオレがアンフィスバエナに態と食われるから、そしたらアンフィスバエナが動かない様に拘束して下さい』
……って!!! 何か策があるんスよね!? ウチの子をどうかお願いしますッス先生!」
その必死な囮の表情に……ぇええッ!!?!? マジで言うとるん、この囮!? 状態なオレ。
確かに言ったけど、それは餌を助ける手っ取り早い方法だったからであって──そもそも、まだ無敵が残っているからBOMで……ぇえ!???
「どうせヤる事は変わらないでしょ? とっとと行ってきなさいよ、如月」
──いや、だからBOMで……でも雰囲気が……ぇえ、なんか釈然とせんのだが?? ま、まぁ、やっても良いけどさ?
納得出来ないまま、囮の『お願いします先生』ムーブに呑まれ……渋々、アンフィスバエナの元まで行く。
──ん? というか……この龍、結構腹が膨れているのだが、何食ったんだ?? 餌と鶏だけじゃ、こうはならんだろ? いや、そもそも──こんだけ腹が膨れているところにオレがinして大丈夫なのか、破裂しない?? 大体、苦しんでいるのは──(略)
「──────ですか……?」
「え? どうしたんスか、先生!?」
「アンタまさか……今更、嫌とか言うつも──」
「──コレ……上から入るよりも、下から引っ張り出した方が早くないですか……?」
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