聖戦
■■■露天風呂■■■
「──野郎共ぉ! 準備は良いかぁああッッッ!!!」
「押忍ッ!!!!! 我ら一蓮托生の同志!!! バレる時も、死する時も、我らは共に在るのでござる! そうであろう皆の衆!??」
「「「──応ッッッ!!!!!」」」
…………同志達との友情、いや──絆を確認し、我ら『覗き隊』は露天風呂へと足を踏み入れる!
ん? 貴様新入りか?? 宜しい、オレが約三行で状況を説明してやろう!!!
肝試しでメンタルブレイクした面々。
↓
「ロッジに戻って風呂入ってコテージ行って寝よ」
↓
ロッジにはドワーフ作の温泉が!
「なに!? 露天風呂も有るだと!!?!?」
↓
よし、覗こう。←イマココ
──以上だ! 何か質問は!?
ん? なに、三行じゃなくて四行だった?? だからちゃんと『約』と付けていただろうが!
ふぅ、まぁいい…………ソレでは、男の夢と欲望と尊厳を掛けた聖戦へと赴くとしようか!!!
◆◆◆
「──来たな。我が愛娘を穢さんとする害虫共め!」
「あの、先生……流石に、覗きはダメだと思う。オレ」
……やはり壁となるか。佐藤(父)、そして久遠よ!
「ぺッ! 真に嘆かわしい事でござるな……両者共に損は無く、むしろ得しか無いと言うにこのチキン共め!!!」
「男には、やらなきゃいけない時が有るんだよ……久遠」
バチバチと──オレ達の間で目線の火花が散る。
「嘆かわしい、という言葉には同情しよう。『覗き』という下劣な行動を実行に移すとは──実に、嘆かわしい事だ!」
そう言い放つ佐藤(父)の背後には、『海の化身』がまるで巨壁の様に控えていた。
──成程。予期して既に召喚を済ませていたか……だが甘い! その程度で我らの足が止まると思うな!!!
「恐るな同志達よ! お前達にはオレがついている!!!」
そう言い放ち、即、パラサイトを自身に寄生させるオレ!
……タオルは溶けるが、それで楽園が拝めるのなら安いものだぜヒャッハーーーッ!!!
「おおッ! 最強の味方だ!」
「そこまでして覗きたいのか、漢だよアンタ!!」
「オレちょっと思ったんだけど、もうこの人に胸を生やしたら良いと思うn──嘘ですッごめんなさい!!!!!」
ふッ、モブ達からの熱い声援がオレに力を与える!
──あとな、モブ三郎よ……オレに胸を生やしても下には付いとるんよ。次、同じ事言ったらシメるからな?
「ッ! どうしても覗くってんなら──たとえ先生であろうと容赦はしねぇ!!!」
「むしろ先生だから容赦してはいけないんだよ。師と仰いでいた存在が覗き魔とか……色々と、救われないからね」
──ごもっとも! だが、それがどうした!!?
「久遠、オレは修行僧では無く……欲望に正直な唯の男なんだよ!!! 邪魔すると言うのなら手駒と言えど容赦はしない、お前の屍を踏み台にしてでも覗いてやる!」
「よぅ言うた! それでこそ漢でござるよ境夜たん!!!」
久遠が苦渋に満ちた顔で、混沌龍を喚ぶ。
「フハハハハッ、全軍! 兵を出せぇい!!!」
そして、それと同時に我が同志達も兵を召喚してゆく。
──露天風呂だけでは無く、室内までもギッチギチに埋め尽くし圧倒的な数の兵達が立ち並ぶ!!!
そうして聖戦の火蓋が──今、切って落とされた!!!
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