肝試し6
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「──お菓子貰っちゃった♡」
「良かったわね……って、この会話何回目よ? というか、綾ちゃん達遅くない??」
鬱陶しそうにオレを一瞥した後、ふと気が付いた様に千尋さんは問うて来る。
──むッ、その目は「アンタ何かしたでしょ?」と言っているが……今回ばかりは違う。冤罪だ。
「言っておきますけど、オレは何もしていませんよ。強いて言うなら、綾ちゃんがまた『特性:方向音痴』を発動させたのでは?」
「…………あり得るな。綾は真面目な顔をして、昔から何処か抜けているから……」
「へぇ〜? ──って!? 佐藤(父)! アンタ急に何処から湧いてきたのよ!!?」
隣に立っていた佐藤(父)に、千尋さんは驚いていたが……さっき普通に歩いて来てたぞこの人。
「人を虫みたいに…………まぁいい、それより綾が心配だから迎えに行きたいんだが?」
──おっと、いま副音声で『あの男に襲われていたら大変だ!』って、聴こえたなぁ。
「散歩はさっき行ったからダメです。あと映像ではもうちょっとで帰って来そうなので待ってて下さい」
「なッ!? 君は綾が心配では無いのか!!? も、もし綾に何かあったら──」
と、アワアワし出した佐藤(父)をスタッフ(モンスター)に任せ……オレは千尋さんに一つ質問する。
「ああ、そうだ。千尋さんは、肝試しのコースどうします? やっぱハードで逝きますか??」
◆◆◆
「──は?」
オレの問いに、千尋さんは声を上げる。寝耳に水と言った感じの驚き様だ。
「え? いやだって綾ちゃん達が帰ってきたら、次は千尋さんと上野でしょ?? オレがコース決めて良いんですか?」
そう和やかに訊けば、
「いや──ぇ?? だって私、言っちゃえばもうこの肝試しのスタッフみたいなもんでしょ!?? 裏方の人間に肝試しさせるの!?」
と、お言葉を頂戴したのだが……。
「いやでも、御守り無いですよね? あ、もしかして御守り無しで夜を越えちゃう派ですか??」
……逃がすと思うなよ?
こちとら貴女がホラゲのテストプレイだけは断固として拒否してるの──知ってるんですからね?
「──いやいやいやいやッッッ!?!!? そのくらい協力者への報酬として寄越しなさいよ!??」
いやぁ、良い反応するなぁ。
「すみません、御守りは全部置いてきてしまったので……。マジ申し訳ねぇッス!」
「馬鹿ッッッ!!!!!」
これ以上無い程のストレートなお言葉ありがとうございます。じゃ、サッサと選んでもろて(笑)
◆◆◆
壱:森コース
弐:湖コース
参:墓場コース
「──で? どのコースにします??」
「……一番怖く無いヤツ( ´_ゝ`)」
成程。
「ちなみに、上からハードとハードとハードコースになってます。オレ的には参の墓場コースがオススメです!」
と、答えたのだが……。
「4ね!!! つーかこの島、墓場なんて無いでしょ? え、無いわよね??」
……と、またまたストレートな言葉を戴いた。全く、何が気に入らないのか理解に苦しむよ(悦)
「ああ、元々は無かったんですけどね──ドワーフに造らせときましたぜ、姉御!! d(^_^ )」
──コレでもし急にポックリ逝っても大丈夫! 良かったネ、社長!!!
「ねぇ、本当に一発で良いの……アンタをぶん殴れる権利って幾ら?」
「──え、なに? 全コースを回りたいって?? しょうがないなーーーッ!」
というワケで……千尋さんと上野ペア、全コース入りま〜〜〜す!!!
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