表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/327

VS 黙示録4



■■■〜〜〜十五階じゅうごかい〜〜〜■■■



『『『──あるじぃいいい、いまぐそちらへかいますからねぇえええええッッッ!!!!!』』』



 そう大声おおごえさけび、にもまらぬスピードでキメラさんはけてゆく。


 …………キメラさんがとおったあとには、モンスターたちがピクリともうごかずにころがっていた。


「………………」


 うん。五階ごかい十階じゅっかい私達わたしたち頑張がんばりってなんだったんだろう……?



■■■〜〜〜二十階にじゅっかい〜〜〜■■■



『『『──主へのみち邪魔じゃまするモノにはあるのみ! さぁ、まとめてるがいい!!!』』』



 瞬時しゅんじにキメラさんの身体からだくずれ、無数むすうくろ粒子りゅうしへと変化へんかし……まるで大波おおなみのようにモンスターをのみんでゆく。


 ……そして。



『『『さぁ、つぎ二十五階にじゅうごかいですね! サッサときますよ!!!』』』



 ──即座そくざもとのキメラさんの状態じょうたいへともどると、次のエレベーターへといきおむ!



■■■〜〜〜二十五階にじゅうごかい〜〜〜■■■



『『『──主ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッッッ!!!』』』



 うわぁ……キメラさん、満面まんめんみでモンスターを瞬殺しゅんさつしてる……。


 い、一応いちおう、そのモンスター達も如月きさらぎさんのモンスターなんだよね? それなのに、なんてなさ容赦ようしゃ攻撃こうげきなんだろう……。



『『『これでわりです!!!』』』



 あ、最後さいごのモンスターがキメラさんに『捕食ほしょく』された。



『『『さぁ、サッサと三十階さんじゅっかいきますよ! ダラダラしない!!』』』



 そしてこのかがやかしい笑顔えがお。十五階までの無表情むひょうじょう無感情むかんじょうはいったい何だったの??


 ──コレが課金かきん暴力ぼうりょくかぁ……。



■■■〜〜〜エレベーター内〜〜〜■■■



「……あの、騎士リッターさま?」



 ほぼ放心ほうしん状態じょうたいわたしに、仲間なかま一人ひとりちいさなこえ耳打みみうちしてくる。


「なんです……?」


 私も小さな声で返事へんじかえす。


 ……すると、すこ困惑こんわくしたかおで仲間ははなしをつづけた。


「いえ。もうぐ三十階にきますけど、なに準備じゅんびしなくて大丈夫だいじょうぶなのかな? ……って」



 ──準備?



「準備ですか? あまりこういう事はいたくはありませんけど……今更いまさらなにかを準備じゅんびしたとして、キメラさんにてるとは到底とうていおもえません。無駄むだになるだけかと……」


 そう。無駄になるだけ……。


「あ〜、いえ……そりゃあ、あのモンスターとたたか場合ばあいはそうかもしれないっスけど──」


 何やら歯切はぎわる仲間なかまう。



「──べつにあのモンスターと戦う必要ひつよういっスよね?」


「へ?」



 …………えっと、この人は……何を言っているんだろう? 戦う必要が無い? なんで??



「あくまで今回こんかい目的もくてきは、『この会社かいしゃ社長しゃちょうたおす事』でしたよね?」


「あ!」



 そうだ……そうだった! あくまで私達わたしたち目的もくてきは、この会社の社長を倒して──『陣営じんえい』をひとつぶす事だ!


「それで、あわよくば如月きさらぎさんでしたっけ? このアプリの開発者かいはつしゃをコッチの陣営にれる事でしたよね?」


「はい。そのとおりです……」



「──なら、あのモンスターには真正面ましょうめんからいどまずに、社長をたおすまでの時間じかんかせぐだけでいいと思うんスけど?」



 たしかに! なんという正論せいろん!! この人、天才てんさいなのでは!?(←衝撃しょうげきのあまり語彙力ごいりょくんだ)


 でも…………それなら……ッ!!



「キメラさん! アイテムをって下さい!!」



◆◆◆〜〜〜一方いっぽう社長室しゃちょうしつ〜〜〜◆◆◆



「──ふんッッッ!!!」



「あだだだだッ!!?!? ちょっ、如月!! プレイヤーへの直接攻撃ちょくせつこうげき禁止きんしでしょ普通ふつう!!! しかも女性じょせいたいしてガチのヘッドロックって──ッ!? いだだだだだだだだだだだだだだだッッッッッ!!!」



「何言ってんスか千尋さん? 現実げんじつあらそいに禁止事項きんしじこうなんてありませんよ??」


「この鬼畜きちく!! 悪魔あくま!!! おとこおn──ッ!!」



「──ふんッッッッッ!!!!!」



「くぎゅッッッ!!?!? ギブ!! ギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブッッッ!!! ティアマト! たすけてぇえええええッ!!」



 フッ、残念ざんねんだったな千尋さん。ティアマトなら其処そこでオネンネしてるぜ?


 ……そもそも、どれほどランクがたかかろうがレベル『1』でオレのモンスターにてるとでも??


「さぁ〜〜〜て、ここかr──」



『『『──主ぃいいいいいいいいッッッ!!! ただいまもどりましたぁ!!』』』



 ………………ふぁッ!?!!?



◆◆◆!!?!??◆◆◆



 ──ッうぇ!? な、なんでキメラが社長室に!?!!?



 ドアバーン! からのキメラ登場とうじょうに、オレびっくりである。(←おどろきのあまり語彙ごいりょく消失バイバイした)


 ──というか、此処ここにキメラがるという事は……ッ!?



「「「…………………………」」」



 あ、やっぱり居た……黙示録アポカリプス皆様みなさま。(←滝汗たきあせドバー)


 ……オレは千尋さんの拘束こうそくき、まだあら呼吸こきゅうかえしている千尋さんに無言むごん視線しせんげかける。



「はぅあッ!? ──む、むかし純粋ピュアだったころの私がえたわ……まさかコレって走馬灯そうまとう?? ……ん? 如月、なんでそんなわたしt……あッ(←っした)」



 ──オレと千尋さんはかたまり、たがいに視線しせんのみで会話かいわをする。


          ・

          ・

          ・


『どうします? いまオレ、ものすごもうわけない気持きもちでいっぱいなんですけど?(0.1秒)』



『それは私もよ。てあのはいるタイミング間違まちがえちゃったってかお……気不味きまずいなんてモンじゃないわ』


『……これ、オレのかんなんですけど……多分たぶん時間じかんければかけるほど気不味さが増加ぞうかするとおもいます。つまり──』



『えぇ、そろそろなんとかしないとマズいわ(0.3秒)』



『はい……でも、どうしましょうか? いっそのこと、「すべてはゆめだった」というながれにっていきますか?』


具体的ぐたいてきにはどうするのよソレ?』



『……此方こちらが堂々とするんです(←パニック)』


『なるほどね(←あせちゅう)』



『まず千尋さんは何事なにごとも無かったかのように、自分じぶんせきすわり堂々と……そしてラスボスのように威厳いげんある雰囲気ふんいきかもして下さい(0.7秒)』


『分かったわ!』



『そしてオレも千尋さんの側近そっきんのようにいますから……後は相手あいて出方でかたにあわせてアドリブでけます』



『──理解りかいしたわ! 大丈夫だいじょうぶ、きっと上手うまくいく!!』


『ええ! ともにこの窮地きゅうちを切り抜けましょう!!(1秒)』


          ・

          ・

          ・


 ──このかん、ジャスト一秒いちびょう! オレと千尋さんは互いにうなずい、さっそく行動こうどう開始かいしする!!


 ず、千尋さんは何事なにごともなかったかのように自身じしんせきすわり堂々と、そしてえらそうにふんぞりかえる……ッ!!



「ようこそ、黙示録アポカリプス皆様みなさまがた! 此方こちらがこの会社かいしゃ──『百鬼なきりコーポレーション』社長しゃちょうの百鬼 千尋様です」



 オレは千尋さんの勇姿ゆうし無駄むだにしないためにも、千尋さんのとなりへと優雅ゆうが移動いどうし……秘書ひしょっぽい雰囲気ふんいきを出しつつ言葉ことばつむぐ!


 …………落ち着けオレ。頑張れオレ! ずかしがるな、羞恥心しゅうちしんころせ!! たとえ──どれほど生温なまあたたかなしろで見られていたとしても堂々としろ!!



「「「…………………………」」」



 ──せめてなんって!!? 無言むごんはキツいって!


 提案ていあんしといて何だけど、きたくなってきた……その時!!



「──ご紹介しょうかいにあずかりました百鬼チヒロでぇす。それで? いったい私に何の用なのかしら?? 佐藤さとうの──あぁ、違ったわね……『帝王カイザー佐藤さとうのイ・ヌ・ど・も?」



 ッッッ!? ……す、すげぇ! 堂々と、それでいてメチャクチャえらそうに相手あいてあおっている!!!


 ──オレ、はじめて千尋さんの事を尊敬そんけいしたわ!! めっちゃ図太ずぶと神経しんけいしてやがる! じらいがいのか!?



「「「…………ッ!!」」」



 おッ、黙示録の皆様がたも今回こんかい反応はんのうりだ! さすが千尋さん!!


 ……そして理解りかいした! あおれば反応はんのうがあるんだな!?



「ダメですよ社長……いぬどもなんて犬に失礼しつれいじゃないですか。ただしくは、『帝王カイザー使つかいっぱしりの能無のうなども』ですよ☆」


「「「──なッッッ!?」」」



 よし! 手応てごたえ有り!!!



「あら、私とした事がウッカリ……でも、そうよねぇ。あ〜んなメッセージを簡単かんたんしんじて、乗り込んで来るんですものね〜?? ププッ、た・ん・じゅ・ん☆」


「──まったくですよ……わなにハマっているとも気付きづかずに、ホンット馬鹿ばか連中れんちゅうですよねぇ〜」



 ゲスなみをかべ、オレと千尋さんは相手をあおりまくる。やるからには徹底的てっていてきにな!!



「──ッッッ! ケルベロス!!」



 つい我慢がまん限界げんかいむかえたのか、あやちゃんはモンスターを召喚しょうかんしオレと千尋さんをにらみつけてくる。


 ……うん。そりゃあいきなり喧嘩けんかられたんだからおこるよね。ごめんね、綾ちゃん。



総員そういん騎士リッターさまつづけ!! モンスター召喚、セイレーン!」


「──デュラハン!」「ヴォジャノーイ!」「レーシー!」「グレンデル!」「マサン!」「バニップ!」「ウェンディゴ!」──etc。



 綾ちゃんを皮切かわきりに、黙示録の皆様がたはモンスターを次々と召喚していく。


 ……それにしても壮観そうかんだなぁ。社長室が無駄むだひろくてたすかったわ。



「きゃ〜、こわぁあい(棒)! お〜た〜す〜け〜(棒)!」



 うわぁ〜、腹立はらたつぅ!! むっちゃ腹立つわぁ千尋さん!


「怖いからぁ、ティアマトちゃ〜んたすけて〜!!」


 ──あれ? でも、たしかティアマトは今……??



『………………(チーン)』


「あれ……ちょッ、え!? ティアマト!??」



 ──だよね? オレのモンスターとのたたかいで瀕死ひんし一歩いっぽまえだよティアマトちゃんは……。



『ちょっと如月ッ!!? ティアマトをはやく回復させて! アンタの事だからどうせ回復かいふくアイテムくらい用意よういしてあるんでしょ!?』



 ……千尋さんは視線しせんにてオレにうったえ掛けてくるが……あ、目にゴミが〜(棒)。


 ──こまったなぁ〜、千尋さんが何かを訴え掛けてきているがするけどまった理解わからないぞぉ〜〜〜(棒)!!



 あ〜! なんかオレのふところからこんなモノ(←アイテム一覧いちらんひょう)がぁ〜(棒)! そぉだ〜(ぼう)!



 ……コレ(アイテム一覧表)を使えば、千尋さんが何を欲しがっているのかまるわかりじゃないか〜〜〜(ぼ〜)!! というワケでそぉい!!!(←つくえにバァン!!)



「…………ッ!?」



 オレの行動こうどうに、千尋さんは困惑しているようだが……さわやかな笑顔えがおでもかえしておこう。


 ──窮地をだっするのと、商売しょうばいべつだから仕方ないね!



『何なのよこのかみは? えーと…………ッッッ!? 如月ぃいいい、アンタ裏切うらぎったわね!?』



 そう般若はんにゃのようなかおを千尋さんは向けてくるが、



『え? 裏切うらぎりとかぁ、ちょっと何言なにいってんのかよく理解わかんないですボクぅ……』



 ムズカシイ事はよく理解わかんないのボク。



『──ぎぃいいいッ!!! 窮地を切り抜けるとか言っておきながらこういう事を平気へいきでするやつだったな、おまえな!!』



 ……まぁ、実際じっさい平気へいきだからね。うん。


『そうめないでくださいよずかしいじゃないですかもう……\(//∇//)\』


『──褒めてねぇな! むしろ最低さいていだってけなしてんだよ!!』



 ふッ、だまされたいぬが何か言うとるわ( ´_ゝ`)



『オレを貶しても状況じょうきょうは変わりませんよ? それにほら、はやく決めないとモンスターの大群たいぐんおそわれちゃいますよぉ千尋さぁ〜ん??』


『グゥウウウウウゥゥッッッ!!! 理解わかったわよ、えばいいんでしょ買えば!!? 回復かいふく強化ドーピングアイテムをかたぱしから寄越よこしなさい!!!』



 さすが千尋さん! アリガトウゴザイマ〜ス!!!


 ……オレはかがやかんばかりの笑顔を千尋さんに向ける。



『──毎度まいどありッッッ!!』



 と、言うように──。

 見てくれてありがとう!!


 続きが気になりましたら是非ともブクマなどをお願いします(雑)!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ