……あばよ
◆◆◆
「──電圧チャージ完了でござる! 境夜たんカムバァアアアアアアクッッ!!!」
ドンッ! と、胸部から来る強い衝撃と共に……、
「……Σ(`°Д°´)…………」
オレは意識を取り戻す。
──あれ? オレ、寝てたのか???
「先生!!? おい! 先生が目を覚ましたぞ!!!」
血相を変えて久遠が叫ぶ。
……何だ? 寝落ちしただけなのに、大袈裟なヤツだな。
「ココは誰? オレは何処??」
うん? 何か上手く呂律が回らないな。頭もボーとする。
「うわ……ちょっとコレ大丈夫なの!?? コイツから頭の良さを取っちゃったら、後は底意地の悪さと顔しか残らないわよ!? 何とかして!」
──あんだと? 後で覚えてろよ、社長。
「こら綾! 行ってはダメだ!!!」
「離して父さん! 如月さん!!」
ん? 今、佐藤と綾ちゃんの声が……。
「──しっかりして下さい! 如月さん!!!」
途端、女神が顔面ドupで現れる。
「(`°Д°´) → (`°-°´) → ( ˘ཀ˘ )b<……あばよ」
「キャーーーーーーーーッッッ!!!!! 境夜たん逝っちゃダメぇええええええッ!!!」
「先生ぇえええええええええええええッッッッッ!?」
「もうコレはダメかもしれないわね……」
「だから行くなと言ったのに……」
「えッ、え!? き、如月さん!!?!? なんで!!?」
◆◆◆〜〜〜三時間後〜〜〜◆◆◆
「──いやぁ……死ぬ前に良いモン見れました」
「死にかけといて何言ってんのよ。結局、アンタの所為で綾ちゃんは急遽スク水を着る事になったんだからね?」
──あの後、佐藤が家まで綾ちゃんの水着を取りに行ったらしい。正直、スマンとは思っている。
思ってはいる……が、ソレはそれで良きと思っている自分もいる。
いや……頑張って水着を選んでいたらしい綾ちゃんには悪いとは思うが、良い意味で目に猛毒だったんだ。許してほしい。あと、写真撮影は何枚まで可能ですか? (切実)
「──でもアンタ、お付きはどうしたのよ?」
唐突な千尋さんの問いに、「お付き?」と一瞬頭を悩ませ……すぐにキメラの事だと察した。
「ああ、キメラなら本格的に暑くなって来た辺りから、近所の虫友達と一緒に国内を観光しに行きましたよ」
ちなみに、オレも誘われたが断った。
「虫友達と国内を観光???」
「虫友達と国内を観光」
その光景を想像したのか、顔面を蒼白にさせた千尋さんに、頷き再度告げる。
「……ま、まぁ……深くは考えないようにしとくわ」
「賢明な判断だと思います」
取り敢えず、今のオレには『キメラが居ない』事だけ覚えておいてくれ。
「だからあんま問題を起こさないで下さいね? 千尋さん」
「失礼ね! 人を問題児みたいに言わないでもらえる!?」
──いやアンタ、問題児じゃないですか!? と、そう声が出かけるが咄嗟に抑えた自分を褒めてやりたい!
まぁ、今はボディガードが居ないから仕方ないね!
と、『無駄な喧嘩は売らず偶にはゆっくりするか!』なんて思っていたら……、
「きゃぁああああああああああああああッッッ!?!!!」
「綾ッ!? て、うわぁああああああああああッッ!??」
「うわ、親父に触手プレイとか誰得でござ──キャーーーーーーーーーーーーッ!!?!?」
「ちょッ──キモッ! ヌルヌルして……せ、先生ぇえええええええええええええええッッッ!!!」
………………(´・ω・`)
「何でそんな顔で私の方を見るのよ?」
「イエ……別ニ…………?」
──はぁ。偶にはゆっくりしようとか思ったら、問題くんの方からスキップしてやって来やがった。
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