VS 教皇2
◆◆◆
──? いま、悪寒がしたような……(・・?)
「いや、気の所為か。試合不参加券は対象(つまりオレ)に攻撃を加えた時点で無効扱いになるし、千尋さんとは取引済みだし…………」
つまり……オレに手出し出来る者などこの場には居ない!
別にオレは社長が勝とうが、教皇が勝とうがどうでも良い。重要なのは良い絵を撮り、次の商売に繋げる事のみ!
──ん? なにこの触手?? 何でオレの身体に巻き付いて……?
『( ^ω^ )ノ』
………………………………あ。
◆◆◆最強の盾◆◆◆
「──ぃよしゃあッッッ!!!!! 盾確保ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉ!!!」
ティアマトちゃんの触手に捕まったと同時に、千尋さんの喜声が上がる!
「………………?」
え? 何してんの、この人??
「あの、千尋さん? 何してんスか??」
思わず、そう問い掛けるが……それは華麗に無視され、そして素早くサトリが口を開く。
『右前方より強化されたモンスターの攻撃が来ます! 急ぎ、盾を構えて下さい!!』
──ゑッ??? さ、サトリちゃn──ッ!?
途端に激しく揺れる視界、昇り来る吐き気……そして飛んで来る火球ッ──ゑ?
「──ちょッ!? え、はッ!!? ぱ、パラサイト『盾形態』!」
火球がオレにぶち当たる寸前に、何とかパラサイトへの指示が間に合った…………が!
「千尋さんこれどういうこt──」
『──次ッ! 三体同時攻撃来ます!!!』
またしてもグォンッ! と、視界が大きく揺れ──今度は、火球に続き雷撃と氷のブレスだとッ!!?
目前に迫る三位一体の一撃に、オレは漸く悟る。
──あ。コレ、オレ盾にされてるわ……と。
「し、シャドウゴーレム! 能力『影壁』展開!!」
これはイカン! なので、奥の手の一体を解禁!! からの、能力発動である!
宇宙空間に影? と、思わなくも無いが……影を幾重にも塗り重ねた様な影の壁と、パラサイトの盾により何とか攻撃を防ぎ切った!!
──言葉が変? 知るか!! コッチはソレどころじゃ無いんだよッ!
「ジャバウォック! 『転移』発動!!」
そして即座にジャバウォックの能力を使っての逃げの一手である!
──こんな所に居られるか! オレは抜けさせてもらうぜ、あ〜ばよッ!!!
『盾が逃走……出現場所は、バハムート! 回れ右!! 今です、前方に出現するのでそのまま確保して下さい!』
「──なッ!?!!?」
くッ!? サトリめ!!!
「バハムート! 命令だ、今すぐオレを解放しろ!!」
『アギャオン! グルルァウンギア!!』
(訳:無理ッス! いま命令権はアッチにあるんで!!)
──オレの命令に対し、バハムートは困ったように鳴き、久遠を見る。
チッ! こんな事になるのなら、一時的なモノとは言えバハムートを久遠の端末に入れるんじゃなかった!!!
だが、まだだ! まだ手はある!!
バハムートに直接命令が出来ないのなら……久遠に命令すれば良いじゃない!
「久遠! 今すぐバハムートにオレを解放するように命令しろ!! 早くッ!」
と、久遠に指示するオレ。
だが──、
「………………」
──久遠は何故か、顔を俯かせ無言のまま動かない。
「久遠? お〜い、久遠く〜ん??」
無言を貫く久遠。と、同時にオレの額に嫌な汗が浮かぶ。
「…………先生」
ポツリ、と……久遠が沈黙を破り、呟く。
「は、はい……?」
思わず、そう言葉を返すオレ。
すると──久遠がその重たい口を開き、
「オレ、先生に言われた事をさ……考えてたんだ。『お前一人の負けは、オレ達全員の敗北だ』って、そう先生言ってただろ?」
と──訊いてくる。
「ンォグッッッ!!? た、確かに……言って──ましたね…………はい……」
確かに言った! なので、奇声を上げつつも素直に認めた。否、認めるしかなかった!!
ダラダラと……嫌な汗が額から流れ落ちてくる。
「──なぁ、先生……先生一人の犠牲でオレ達全員が勝てるのならさ……良いんじゃないかって、オレ……思うんだ!」
「ンンンンンンンンンンッッッッッ!!?!??!」
めっちゃ爽やかなキラッキラした目で何言ってんのこの子は!?
──え? マ?? これ、マッ!!?
「先生なら大丈夫だって、オレ──信じてるから!」
あ、これマジなヤツだ……。じゃなくて!!!
「待てステイだ久遠ちょっと落ち着け!! オレはそういう意味で言ったんじゃなくて──ッ」
「──先生の教えはちゃんと受け取ったぜ! オレ、先生の犠牲を無駄にはしねぇからな!!!」
「犠牲って言っちゃってる時点で大丈夫って思って無いじゃん!? ちょッ、聞いて! お願いだからオレの話しを聞いて!!? HA・NA・SEぇえええええッッッ!」
◆◆◆最終兵器2◆◆◆
──どうも皆様! この度、盾兼固定砲台になった如月です!!
え? どういう意味かって……?
「久遠! モタモタするな!! 右手側から新手だ、とっととバハムートに指示しろ!」
「すんません! バハムート、先生を右手側に向けろ!!」
「──4ねぇい!!!」
( #°Д°)ノ=====●Σ(・・!?)
こういう意味(↑)だ、理解ったかな??
──え?? 何でこうなったって?
はぁ…………アイツらね、オレが強制的に盾にされてるって言うのに、助けないどころかガンガン攻撃して来てさ?
しかも殺意マシマシで、チャンスとばかりに無害なオレに火球ブッパして来たり、雷撃ぶち当てて来たり……吹雪で凍らせて来たり、水ぶっ掛けて来たりと、まぁ──やりたい放題だったのよ。
──そりゃキレるよ……いくら温厚なオレでもさ?
オレに攻撃して来た時点で、もう試合不参加券は無意味だし……稼がせて貰ったし、クソ長い茶番には付き合ったし、もういいだろ。
──というワケで全員4ね! デストロイじゃクソ共が!! オレを助けなかった事を後悔しながら逝くがいい!!!
両手BOM二刀流の力を思い知るが良い! せいぜい良い声で鳴きながら逃げ惑え、それが我が悦びとなるだろう、あっはっはっはぁ──!!
……だが、如何にBOMでも倒せない存在は居る……。
まぁ、オレだけ働かされるのも嫌だし……ここは言い出しっぺに働いてもらおうか!
◆◆◆〜〜〜ゑ?〜〜〜◆◆◆
「うわ、やっぱりアイツは怒らせちゃダメね」
『………………仮の主人……今の所は上手く行ってはいますが、主人のあのアイテムでは、かの女神を倒せはしません』
「──え? そうなの?? だいぶ無双してるように思うけど?」
『雑兵であればそうでしょうが、かの女神は「無敵」の能力を自身に付与することが出来ます。故に、主人のあのアイテムでは倒せません』
「マ?」
『マ、です。それに今の女神は能力値を強化されています。「無敵」を貫通出来るモンスターは居ますが、それでも倒せないでしょう』
「──ヤバくない?」
『はい。ヤバいです……主人が本気を出せば、まぁ問題も無いでしょうが……主人はあれ以上協力してはくれないでしょう』
「まぁ、アイツがあそこまで協力している事自体が奇跡みたいなモノだしね……」
『はい、ですので……仮の主人にお願いがあります。確実に勝つ為にも、必要な事なのです』
「──そ、それは何かしら?」
『仮の主人には──イザナギ様を誘惑していただきたいのです! それしか我々が勝つ方法はありません!!!』
「──ゑ?」
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