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ＶＳ　戌

◆◆◆〜〜〜ＶＳ　戌（いぬ）〜〜〜◆◆◆

「──ケルベロス！　相手（あいて）の攻撃（こうげき）を利用（りよう）してそのまま反撃（カウンター）！！」

「くっ！？　なんの！　犬神（いぬがみ）、呪爪（じゅそう）発動（はつどう）ッ！！」

　………………

　………………………………

　………………………………………………ま、真面目（まじめ）ぇ。

　今（いま）までの茶番（せんとう）が申（もう）し訳（わけ）無（な）く思（おも）うレベルで真面目だ。

　しかも綾（あや）ちゃんも、モブＩさんもメッチャ楽（たの）しそう！

「…………先生（せんせい）……」

「何（なに）も言（い）うな久遠（くおん）。先生、ちゃんと理解（わか）ってるから」

　そら、久遠からしたら自分（じぶん）がしたかった理想（りそう）の闘（たたか）いだからな……。

　色々と──その、思（おも）う事（こと）もあるんだろ。

「──なにあれ？　彼処（あそこ）だけ戦闘（バトル）モノの世界観（せかいかん）になってるんだけど？？」

「いや本来（ほんらい）なら戦闘面（せんとうめん）はああなるハズだったんですよ？　つーか、鴉天狗（イケメン）の事（こと）はもういいんですか？？」

　そう訊（き）くと、漸（ようや）く正気（しょうき）？に戻（もど）ったらしい千尋（ちひろ）さんは吐（は）き捨（す）てる様（よう）に言葉（ことば）を紡（つむ）ぐ。

「……ケッ！　どいつもコイツも、そんなに若（わか）いのが良（い）いワケ！！？　顔（かお）を赤（あか）らめての純愛（じゅんあい）ご馳走様（ちそうさま）でした！！」

　ゑ？　あ〜、へぇ……人間（にんげん）とモンスターが、いや、悪（わる）くは無（な）いな？？　それをネタに恋愛（れんあい）ゲームでも作（つく）ろうかな？

「──と、言（い）うワケで今日（きょう）の帰（かえ）り飲（の）みに行（い）かない？　奢（おご）るわよ？？」

「いやオレまだ高校生（こうこうせい）なんで……聖域（サソクチュアリ）の連中（れんちゅう）とでも行（い）けば良（い）いでしょ」

　そう、提案（ていあん）するが……、

「嫌（いや）よ！　アンタ、顔（かお）だけは良（い）いんだからそのＵＲな顔（かお）をフル活用（かつよう）して私を全力（ぜんりょく）で慰（なぐさ）めてよ！！！　この際（さい）言葉（ことば）に心（こころ）が篭（こも）って無（な）くても構（かま）わないし、何（なん）なら女（おんな）引（ひ）っ掛（か）けて貢（みつ）がせる奴（やつ）がするように『うんうん、辛（つら）かったねぇ』って表面上（ひょうめんじょう）笑（わら）ってるだけでもいいから！　金（カネ）なら有（あ）る！！！」

「──ウンウン、辛カッタネェ」

　何（なに）この人（ひと）、もう酒（さけ）飲（の）んでんのか？

「真面目（まじめ）な話（はな）し……アンタ、鴉（カラス）天狗（てんぐ）持（も）ってない？」

　そしていきなりブッ込（こ）んで来（く）ると？？　そんな感情（かんじょう）全（すべ）てを削（そ）ぎ落（お）としたような真顔（まがお）を向（む）けるな。

「（・_・）」

「どういう表情（カオ）よ、ソレ」

　……どういうって、

「持（も）ってるけど、持ってるって言（い）いたくない時（とき）の表情（カオ）ですかね？」

　モンスターにも選択（せんたく）の自由（じゆう）はさ、やっぱあるべきだと思（おも）うワケよ……オレ。

　尊（とうと）い犠牲（ぎせい）はワイバーンだけでさ、ダメ？？

「言（い）い値（ね）は──？　金（カネ）ならある！！！」

　──ヤダなぁ、何かヤダなぁ！　商人（しょうにん）としては売（う）るべきかもだけど……オレにも良心（りょうしん）って有（あ）るんよ？？

「モンスターならもう、ティアマトちゃんが居（い）るじゃないですか……？」

　そう、ダメ元（もと）で言（い）うも──、

「ティアマトちゃんは女（おんな）の子（こ）よ。私（わたし）、まだ百合（ゆり）に目覚（めざ）める気（き）は無（な）いの……ごめんなさいね！」

　──いや訊（き）いてないし。それに、『まだ』って事（こと）はいつかは目覚めるのか？　おめでとうございます社長。

　いやでも……どうする？　どうすればいい？？

「（♢ω♢）」

　……やめて社長？　そんな飢（う）えた獣（けもの）みたいな目（め）でオレを見（み）ないで？？

　う、うぅ〜〜〜〜〜ん…………？

「「「ッ──やりました！！！」」」

　──はぇ？

　見てくれてありがとうございます！　宜しければ是非ともブクマなどをお願いしますm(_ _)m

ＶＳ 戌

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