なんで理解るの…?
■■■──電気屋さん──■■■
「──らぎ! 如月ってば!!! アンタいい加減起きなさいよ、如月ッッッ!!!!!」
…………ぅ、ん………………?
肩を揺すり、強引に我が安眠を妨げんとする者はいったい誰ぞ???
重い瞼を開け、朧げながら相手を視界に写す。
「──ぴゃぁアアあアあッ鬼婆ッッッ!?!!?」
「アンタもう一回眠りにつきたいの? 今度は永久的に眠らせてあげましょうか???」
おっと、なんだ社長か。驚かせないでよね!!!
「可愛い冗談ですやぁ〜ん☆ ただ目が覚めて早々に目の前に居た鬼婆に驚いただけですやぁ〜〜〜ん!」
「よし! 歯ァ食いしばんなさい如月ッ!!!」
え、怖ッ。ボクまた何か言っちゃいました?
「──はいはい、じゃれ合いはそのくらいにしなよ。それで先輩、さっそくだけどコレ読める???」
と、我が後輩が割り込み……紙を差し出して来る。
なんだね? 自慢では無いが、我に読めぬモノなどそうそう有ろう筈もな──ッ???
「………………………………」
あの……久保、さん?
その、大変に言いづらいのだが──コレはそもそも読めるような代物では、無いのでは???
だってコレは…………えぇ?
「──動物の足跡ですよね、コレ???」
それも、かなり大きな動物の。
もっと言うなら──犬の足跡をメッチャ大きくした感じかな? うん……。
──いや、そもそもコレ読むモンじゃなくね?
「やっぱそう見えるよね?」
「なんでコレ解読出来るのかしら、あの子……」
と、やや哀愁漂う二人の視線の先には──
「──いや普通に読めるじゃないですか! 皆んなして酷いですよ、ウチの仔の手紙を揶揄って!!!」
と、プリプリとご立腹な綾ちゃん。え???
「あの、読めるの……コレ?」
え? 嘘よね???
いやだってコレ、足跡…………。
「読めますよ!!! もうッ!」
と、綾ちゃんは手紙?を奪い──
「──拝啓、佐藤 綾 様──」
嘘でしょ!??!? 読み始めたッ!!?
「肌寒くなってきました今日この頃、体調の変化などにはどうかお気を付け下さい。
寒ければいつでも仰って下さい。
私の毛皮で温めますので。自慢ではありませんが、ぬくぬくですよ。
さて、話は変わりますが、
実は我らモンスター一同……密かにサプライズパーティーなるモノを企画しておりました。
是非とも──日頃お世話になっている貴女様にもお越しになっていただきたく、誠に勝手ながら、
この招待状を贈らせていただきました次第です。
──パーティーの開催日時は12月24日 19時からとなります。
ご迷惑であれば、申し訳ありません。
ですが何卒、ご参加の方お待ちしております。
ケルベロスより」
「「「…………………………」」」
「──ほらぁッ! ちゃんと読めますよ!!!」
ぇ、あのいや…………うん?
「この足跡に、そんな長文が?」
「でも、私達に届いた招待状と同じモノだし……パーティーの日時だって合ってる、わよね?」
えぇ……マジで、解読したって──コト?
「──社長達が先に教えたり、してない?」
「してないわよ!!! そんなつまらないドッキリをわざわざアンタに仕掛けるワケないでしょ!」
………………えぇぇッ?????
「それなら佐藤ちゃんが、此処に来た理由って……」
「──それは勿論、ウチの仔達を撮影する為のカメラを買いに来たんですよ!」
と、はにかむ綾ちゃん。
おッぅうん…………でも、アレは足跡で……綾ちゃん可愛い──いや、なんで読めるの???
──(°_°`)──
「如月、アンタ今すごい顔してるわよ?」
「辞めてあげてよ、先輩は今──混乱と佐藤ちゃんの可愛さと更なる混乱でサンドされてるんだから」
うん。お前もな、わざわざ解説するんじゃないよ。
「あ、如月さん達もカメラを見に来たのなら一緒に探しませんか!? 良いのがあれば教えてほしいです!」
………………………………Σ(°Д°`)
………………………………(°_°`)
………………………………(°ω°`)
「──うんッッッ!!!!! ( ^ω^ )」
「よかった! 実はどれが良いかとかあまり調べずに買いに来ちゃって困ってたんです!!!」
おっとそいつぁ大変だぁッッッ!!!!!
「さっきは変な難癖つけてごめんね! お詫びにメッチャ良いカメラ見つけるから任せといて☆」
不肖この如月、精一杯努めさせていただきます!!!
──じゃ、行こっか♡
「──アイツ、欲望に正直過ぎない?」
「それが先輩という生き物だよ、社長」
じゃあ──僕達も行こうか。
ここまでお読み下さり、ありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ




