ちょっと退院届け貰ってくるわ。
■■■──病室──■■■
あ──(°д:…
あァ──(°::…
あァァ──:……
「先輩!? しっかりして先輩ッ!!?」
「ずびッ……無理ないわ。腹黒強欲守銭奴にこんな招待状渡したら──耐えられるワケ、ないじゃない!」
涙ながらに、鬼婆が告げ──
ミ(#°д°)「──は? おい今なんつった鬼婆??」
テメェ、どうやら理解ってねぇみたいだな?
お前の会社の未来は、まだオレのPCの中にあるんだぜ??? ン?
「言葉には気をつけてもらおッ──」
「──ほら、招待状」
「ぬォぐぁぁあアあああアアアッッッ!?!!??」
ヤメロォーーーーーッ疲れた身体と心に、優しさなんてモン渡すんじゃねぇッッッ!!!!!
消滅しちゃうだろうがァァ──ッ!!!
「言葉に気をつけるのはゲハッ──あ、アンタのほうだったようネガァッッッ!!! はー、はぁーーー」
ハッ! 馬鹿め、自滅しよったケパァッ!!!
「「ひゅー、ひゅぅーーーッ_:(´ཀ`」 ∠):」」
だ、ダメだ……今はケンカしてる場合じゃねぇ。
「──く、久保! 頼む、今すぐオレに、世界の汚ぇ現実を、吐き気を催す邪悪な……ゲハぁッ!!!」
「はい、汚職政治家特集」
……あ、ありがとう…………助かった。これで、消滅せずに済む──カヒュッッッ!!!!!
「わ、私にも……汚いモノ、を!」
「──はい、猿でも理解るブラック企業の作り方」
そう、久保から手渡された本を互いに受け取り、
「「すぅー、はぁぁーーー。すぅーーー、はぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!」」
ページを捲りながら、深呼吸。
んぁあぁぁぁ〜〜〜これこれ。汚ぇ穢れが五臓六腑に沁み渡るぅ〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!
「──ありがとう、久保!」
「──お陰で回復したわ!!!」
やはりこの世は穢れに満ちている! 如何に幸せや夢を語ろうが、善人では搾取されるだけなのだよ!
「希望や夢なんてモノも、所詮はまやかし! それ以上の者どもに食い荒らされるだけの儚きモノ!!!」
「タイムカードを切ったのは社員よ私じゃないわ社員が自主的にタイムカードを切って仕事をしてただけなのよ私は関係無いわ辞めるのは勝手だけどウチの会社は十年以上勤めないと退職金が出ないのよ残念だったわねぇあともう少し我慢していればうふふふふ──ッ」
………………………………………………よし!!!
「「──せーーーーーのッッッ!!!!!」」
オレと社長は共に、渡された招待状を勢い良くお互いに突き出し合う!!!
『──がんばるいとしい こ へ
あす、19じにぱーてぃーをひらきます。
いろいろなものを、よういしました。みんなで、がんばってよういしました。
ぜひ、きてください。まっています。
どうかたのしみにしていてください。
さいこーのぱーてぃーにします。
てぃあまと と わいばーん より』
「「──ゲボォッッッ!!!!!!!!!!」」
「吐血!? ちょっと二人ともどうしたのさ!??」
なっ!? なななクレヨンだと!!?
しかも全部ひらがな!??!?
「字もガタガタで明らかに書き慣れていないのに、頑張って書きました感が滲み出て──オボェッ!!!」
な、なんて兵器お出しして来やがる!? オレを消滅す気か、尊すぎんだよこの野郎!
「アンタこの塗り潰されてるの間違いなく『あるじ』って書こうとして慌てて消したヤツじゃない! しかも手紙全体から嬉しさが滲み出──ケパァッ!!!」
──そうだよ? どうだ、愛しいだろウチの子???
・ ・ ・ ・ ・ ・ 。
「社長……」
「えぇ、如月……」
スッと、どちらとも無く手を差し出し合う。
「──優しい良い子達に、育ちましたね」
「ふッ──そっちの子達もね」
ガシリッッッ!!!!!!!!
互いが微笑み合い……固い握手を交わす。
「──(うわぁ、親バカだぁ……)
って、先輩!? 何処に行くの!!?」
「ん? いやなに、少しばかりお医者様を脅ッ──お願いして、退院届を貰ってこようかなって♡」
愛しい我が子達が、最高のサプライズプレゼントを用意してくれたのに、寝てなどいられまい?
「ねぇ、いま脅すって言──」
「──言ってない♡」
そんな、ねぇ??? 自分の生殺与奪の権利を持ってる方々を脅すなんてするワケが無いだろう?
「足は? タクシー待たせてるけど?」
「──半分出すので良いっすか? あと、帰りに電気屋お願いします最新のカメラ買わないと」
「いやあの…………二人とも??」
あぁ、でもその前に──。
「──久保、出せ^ ^」
「あぁ、そうね! ほら、アンタのも見せなさいよ」
「いや二人とも落ち着ッ──イヤにじり寄って来ないでよちょっと聞いてるの二人ともッッ!??!?」
い……──
──イ"ヤ"ァ"ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!
『──主へ
その、12月24日 19時より皆でパーティーを企画しているのだが、暇ならば来てほしい。
絶対に退屈はさせないと誓う。
あと、そのだな、
元主へのしがらみを未だに断ち切れぬ私だが、
受け入れてくれた主には、感謝しているのだ。
本当に。
主に出逢えて、良かった。
私も、そして他の皆も感謝している。
えと、私も皆も精一杯、主をもてなすつもりだから来てくれると、その、嬉しい。
主のモンスター筆頭 バアルより』
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