此処は…何処だ……?
申し訳ありません、次回は私用のためお休みします。
次の投稿は11月18日の予定です。m(_ _)m
■■■──???──■■■
ふぅーーーむ、此処は……何処なのだろうか?
「──何か、デカいモノにぶち当たって……その衝撃で…………どうなった? ダメだ、思い出せない」
思い出そうとすると、思考にモヤが掛かる。
イライラする……モヤを払うように頭を振った後、オレは周囲を見回す。
真っ暗闇の中に、純白の椅子が二脚。
「まるで……面談みたいだな」
二脚の椅子は向き合うように置かれており、真ん中には、これまた純白の机が一つ──。
それ以外に、家具らしきモノは一つも無い。
『──どうぞ、お掛け下さい』
と、これまた面談じみた台詞を吐きながら……綺麗な女性が……純白の椅子に腰掛けている。
「(さっきまで、誰も居なかったハズだが?)」
そう思いつつも、特に断る理由は無いのでオレは大人しくもう一つの椅子へと腰掛けた。
『ふふ、落ち着いていらっしゃいますね?』
「そりゃまぁ、変なモノは見慣れてますので」
例えば──目の前に居る、翼の生えた女性とか。
「…………天使?」
『えぇ、そう呼ばれる事もありますわ』
へぇ──あっそう。
「その翼、ワサワサして邪魔そうっすね」
『えぇ、全くです。毎日毎日、虫が沸かないように天日干ししていますのよ?』
と、純白の翼を広げてみせる女性。
ふぅーん?
『と、お話はこのくらいにして……単刀直入に申し上げます。貴方は死にました』
「──そうですか。で、それが?(鼻ほじ)」
異世界転生した事のある友人が、言ってたな。
死んだ後、暗い部屋みてぇなトコに居て……メッチャ可愛くて綺麗な天使様に会ったって。
『本当に、落ち着いていらっしゃいますね??? 貴方、死んだんですよ?』
「え? もっと慌てて泣き叫んだ方が良いっすか?」
──それは、すみませんでした。
「イヤァァアアアアアッッッ死にたく無いぃーーー! 何でもするから助げでぐだざいーーーーーッ!」
…………ふぅ、コレで満足か???
『うふふ、本当に面白く愉快な御方……あの方が気にいるワケですわ』
「あの方……?」
誰ですか? それ???
『あーいえ、コチラの事です。それで、貴方はこのまま死を受け入れますか?』
「じょーだん。全力で拒否します」
『ですよねーーーッッッ!!!!!』
と、女性は楽しげに笑う。
──友人曰く、問題は此処からだ。
本人……この場合、オレの事だが……本人が死を受け入れない場合、天使は交換条件を出してくる。
要約すると──
──異世界に行って、自分達の代わりに悪い奴をやっつけて来て♡ そしたら蘇らせてあ・げ・る♡
らしい……。
ちな、友人はその後……マジで異世界に転生し、天使が言う悪い奴と意気投合。
天使の世界に攻め込み、暴れ回ったらしい。
結果──なんか翼が沢山生えた天使の偉方みたいなのをシバき倒し、「生き返らせるよな?」と脅したところ気が付いたら病室のベッドの上だった。
って、言ってた──。
ちな、今も元気にやってるよソイツは。たまに校庭で変な生き物を召喚して遊んでたりもするけどな。
んで、
「ですよねって事は、理解ってて質問したんですね? 何か取引でも持ち掛けたりするんですか?」
『あら? まさか、顔に出てました???』
驚いた様子で、女性は楽しげに声を上げる。
──やっぱりか。
それで、何が来る?
友人のように異世界転生とかゴメンだぞ? 絶対に面倒くさいの確定じゃん!!!
『まぁでも、話が早いので結果オーライです! 実はですね、私のお願いを聞いてほしいのですよ』
と、女性は話を切り出してくる。
ただ……緊張でもしているのか、顔を若干赤くし、その翼もパサパサと忙しなく動いていた。
「そのお願いとは──?」
ゴクリ。と、オレは固唾を飲む。
面倒なの来るな面倒なの来るな面倒なの来るな面倒なの来るな面倒なの来るな面倒なの来るな──!!!
『えぇっと、その……お願いとは…………!』
すぅー、はぁーーーッ。と、深呼吸し、
『あの方……ジニマル様とどうか仲良くしてさしあげて欲しいのですよ! 貴方には!!!』
「──は?」
言ってやりました! と、ばかりに言い切った感を出す女性に……思わず、声が漏れた。
えぇっと…………ジニマル様って、
「もしかして、ジニマルちゃんさんのコト???」
『そのジニマルちゃんさん様のコトです!!!』
おぉぅ……随分と食いついて来るな。天使さん。
「あのぉ……理由を伺っても…………?」
『推しの幸せの為です!!!』
グイッ! と、机に身を乗り出す天使さん。……C、いやDか??
つーか、推し……って。
『あの方、奥手ですの! なので、不詳この私が手を貸しましょう!!!』
奥手……? ぇ、誰のコトを言ってるの???
『そして貴方がたのイチャイチャを、私は壁になって見守りますわ! ご祝儀はお幾らをお望みで??』
と、何やらパンパンの袋を取り出す天使さん。
あッ♡ ダメ、その袋で頬をペチペチしないで♡
いったい幾らお入れになられたの!? あッ、ああぁッッッらめぇーーーーーーーーーッ♡♡♡♡♡
『コレは前金袋ですわ。そしてコチラがお気持ちです』
グリグリィイイイッ……と、二つの袋で両頬をサンドされるオレ!
「あっ、あぁッッッ♡♡♡♡♡」
『貴方の好物は既に調べがついておりますの! あの方と仲良くして下さいますよね???』
アぁーーーーーーーーーーーーッッッ♡♡♡♡♡
・
・
・
「──う、へぇ…………へけけけけけけけけ!」
「うわ……目が逝ってるわね如月…………」
『主!? おいクソ悪魔、貴様が主にぶつかった所為だぞ!?? 主が壊れたッ!!!!!』
『ご主人様ァァーーーーーーーーーッ!!!!!』
「──一先ず、人間界に戻って病院に連れて行こう。治るかは……賭けになると思うけど…………ッ」
・
・
・
『ふぅ……仲良くして下さいますよね?』
「はぁー♡ はぁぁーーーーーッ♡♡♡」
あっ♡ しゅご、かった……♡♡♡
ふぅ、ふぅぅ……落ち着け。オレ。
「──まぁ、それは構いませんけど……仲良くしたいのなら、アナタ自身でも良いのでは?」
グリグリされた頬を押さえながら、言う。
推し、なのだろう? と、余計なお世話かもしれんが老婆心みたいなモノで訊く。
『──あーーー。実はですね……私、自分受けが地雷なんですのよね…………はぁぁ』
「あーーーーーーまぁ、それは……どんまい?」
それは──オレにはどうにも出来んわ。
「まぁ、(健全に)仲良くはしますけど……それが取引内容で良いんですか?」
『はい♡ 上層部には適当な異世界に転生させておけって言われましたけど、黙らせておきますわ♡♡』
強ぇ! この天使さん、強ぇえッ!!!
『では早速──貴方の蘇生を始めます。ゆっくりと目を閉じて下さいませ』
「──あ、ちょっと待って下さい。最後に一つ」
訊いておきたいコトが、あるのだ。
『…………? なんです???』
「──アナタの、名前を教えてはもらえませんか?」
一応、恩人? 恩天使だし……。
『ッ……ふ、ふふふ…………ホント、面白い御方。一度しか言いません、私の名は──』
──瞬間、世界が純白に染まる。
「──如月さんッッッ!!!!!!!!」
「──先生ぇえええッッッ!!!!!!!!!!」
『──あるじぃッッッ!!!!!!!!!!』
声が、聞こえる。
「ドクター! 如月は大丈夫なんですのよね!?」
「金ちゃん。病室では静かに……先輩を信じよう?」
「大丈夫、キー様はそんな簡単に死なないよ」
──みんな…………!
「あれ? 社長、何してんすか???」
「え? 仕事用のPC設置してんのよ。いやぁ、せっかく個室なんだもの……アンタも手伝いなさい!」
ッッッ!?!!???
すみません!
────さん! すみませんけど、蘇生中止でお願いします!!! お願い、やめて!
嫌だ! 助けて!!!
イヤァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア──ッッッ!!!!!
ここまでお読み下さり、ありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ




