魔界転移 27
■■■──東の大魔城/内部──■■■
『──アマイモン様、人間共が接近中です!』
『如何致しましょうか!?』
はぁぁ、如何もクソも…………
『魔法壁を再度展開、維持し近付けるな。それと、攻撃している「フリ」でもしていろ……当てるなよ?』
すまん。ガープ、ジニマル……それと、人間達よ。
コチラとしても嫌々なのだが……まぁ、此処まで手を貸してやったら奴も何も言わんだろう。
後は何処へでも──逃げるなりするがいい。
──それまでは適当に、人間共の『注目』でも集めておいてやるか。ふぅ〜〜〜。
◆◆◆──東の大魔城/付近──◆◆◆
「──ちょっあぶッッッ!? なによあの城!!? 何で私達目掛けて撃ってくるのよ!?!!?」
「如月さん、中に居るんじゃないスか?」
うーん……? て、コトはあの大きなお城が件のマヨネーズ工場なのかな???
──まぁ、名称とかはこの際どうでも良いけど。
もし先輩があの中にホントに居るのだとすれば、エラく分かりやすい攻撃だなぁ???
てか攻撃されてる時点で、社長拒否られてない?
仕事をさせる為に連れ戻しに来てるから、まぁ当然っちゃ当然の反応だとは思うけどね……。
「──ま? 如月、この中に居るかもしれないの?」
「だって、そうでもなきゃオレ達を狙う──基、社長を狙って撃ってくる理由あるっスか???」
確かに、それも一理あるんだよね。
「…………一理あるわね」
あ、認めちゃうんだ社長。自分がどれだけ先輩に嫌わ──恨まれているのか理解してるんだね。偉いよ。
「でしょ? どうするっスか???」
社長がニコリと、不穏な笑みを浮かべる。
「上野、それ訊く必要ある?」
そうだよ……あの笑顔を見なよ?
「──へ???」
「 全 軍 突 撃 よ ぉ ー ー ー ッ ! 」
ほらね──?
社長なんだよ? 相手。
突撃以外知らないんだよ、社長は。そんなんじゃあ社長検定一級は遠いよ???
「──え!? と、突撃するんですか!??」
「まだ敵と決まったワケじゃ……ッ」
「なに言ってんの二人とも! 私達に攻撃を仕掛けて来た時点で敵なの、滅さなきゃダメなのよ!!!」
ねぇ…………やめてくれない?
まだ純粋な二人に、そんな過激思想教えるの。
「「──でも…………」」
「大丈夫よ! 先に手ぇ出して来たのは向こうだからちょっとばかり加減間違えて処しちゃっても正当性はコッチにあるの!!! イケる、勝てる!」
先輩ぃー、社長に悪い影響出てるよーーー。
元が凶暴なのに、其処に独自理解した正当性が合わさってトンデモナイ化物が爆誕してるよぉー。
「──そうなんですのね!? さすがお姉様!!!」
「はいそこ、拳を強く握らない」
キミのお姉様は色々と疲れてんだよ。安易にその言葉を信じないように、イイネ?
『そうなのか!!?』
「違うよー、これは一部の過激思想共の考えであって一般人はもうちょっと大人しいよーーー」
だからそんなにビビった目を向けないで〜。
はぁ。あとは、こういう時にいの一番に便乗しそうな問題児を止めとかないと──
「………………」
──あれ???
「もん──ヒナちゃん先輩? さっきから、黙ってるけど……どうしたの???」
・
・
・
┌| 木 |ω°)……ちら。
キョロキョロ、キョロキョロ──居ないな?
──クックック……はぁーーーはっはっはぁ!!!
バカ共がよぉー! まんまとマヨネーズ工場の方へと凸ったわ、ざまぁみろッッッ!!!!!
勝った! 勝ち申した!!!
紛うコトなき如月君の勝利です、どうもありがとうございましたザマァーーーーーッッッッッwww
ふぉぉーーーーーうッ! 缶詰√も無事回避できたワケだし、このまま異世界を観光とかしちゃう???
──いやぁ、自由って何て素晴らしいのだろうか!
あぁ、世界がキラキラと輝いて見える!!! それはまるでオレを祝福してくれているかのように──!
木 |q^)┐ 感謝いたし( ˘人˘ )ます天よ……
──ありが…………ッ!??!?!!???
「………………………………」
『………………アッ、オ気ニナサラズ。続ケテ?』
ス〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ゥ…………。
「あの、その──お、お話をさせていただく事って、可能でしょうか? お時間は取らせませんので……」
ここまでお読み下さり、ありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ




