魔界転移 25
■■■──東の大魔城/周辺──■■■
木|∀゜)……ちら。
………………キョロキョロ……。
「──ぃよし、誰も居ないな?」
周辺を見回し、かの忌まわしき連中が居ない事を確認し……ほくそ笑む。
よしよし、どうやらあの変態は良い働きをしているようだな。褒めてやろう、変態よ。
【──社長襲来より少し前…………】
「魔鏡よ魔鏡よ魔鏡さぁーーーん! この城に近付いてくる仕事に追われた社長達を映せ!」
『エラく具体的な内容なの〜ね……?』
社員さんに借りた魔鏡に、呼び掛ける。
──何も映らなければ、それで良し。
だが、オレの危機管理センサーが先程からありえんくらいに反応しているのだ。
そらもう、ビンッビンに!!!
恐らく……映る、のだろう。何と言うか、そうもう確信しちゃってるのよ──オレ。
そして、映るのは恐らく──
ポゥ……と、魔鏡が淡い色の光を帯び、その鏡面がまるで波打つように揺らぐ。
波紋は大きく広がり、そして!
『──如月を寄越せぇえええええッッッ!!!!!』
………………( ´_ゝ`)…………な?
魔鏡から、耳を劈くような社長の怒号があがる。
……80、いや…………95か???
『──悪魔風情が私の邪魔をすんじゃないわよ! 良い事、時間が無いの道を開けなさい!!!』
社長は、眼を血走らせ……なにあれ? 虫アミ? を悪魔目掛けて勢い良く振り下ろす!!!
(…………?)
そして……? 虫アミには本来搭載されていないであろうボタンをポチィすると──ッ!?
バ チ バ チ バ チ バ チ ッ ッ ッ !
『──ひぇッ!??!?』
ッ………………す、凄まじい放電音と共に、一瞬で悪魔がとっても上手に黒く焼けた。
……あ、100ですわコレ。危機度。
『あっははははッッッ!!!!! どう!? 思い知ったかしら、私達の徹夜の成果を!!!』
いや、んな兵器作る時間があんなら仕事しろよ。
『いや、んな兵器作る時間があるなら仕事しなよ』
──む? この声は、久保か???
「ちょ、魔鏡さんもうちょい周囲も映して」
社長だけでは無いのか? と、魔鏡さんにピントを調整してもらう。
『ぇ、なにその機能……知らんのだが?』
──あ。
『ちょ、社長さん! やり過ぎでは!!?』
『うわ……真っ黒にコゲちまってる……!』
『ふはははははッ!!! 我が道を阻む者は天使だろうが悪魔だろうがぶっ飛ばしたらぁーーーッ!』
綾ちゃん……それに、久遠…………。
『流石はお姉様、素敵ですわ! 私、どこまででもお供させていただきますわぁーーーッ!!!』
『──ぅpえ……それ、お供しない方が──うッ!』
『みんな頑張れぇーーーーー!!!』
か、金ちゃん??? あと、えーと……たしか上野、だったっけか──アイツ?
あと何で、ヒナちゃん先輩が居るの???
『邪魔をするな三下がぁッ!!! 主ぃ、何処ですかぁーーーーーーーーーーーーーッッッ!??!?』
『口を動かす前に手を動かせクソ虫ぃ!!!』
『──(お前もな、という視線)』
キメラ、バアル……それに、ミシャンドラ。
「アイツら……まさか、わざわざ異世界までオレを迎えに来たのか???」
──来て、くれたのか? マジで???
異世界なんだぞ? 此処。
『く、同族に手を下す事になるとは……すまん!』
ピーちゃん(悪魔の姿)……。
『──っと、すまないジニマル。助かった』
『ふん、いま戦力を欠くわけにはいかんからだ。勘違いするなよ、ガープ』
『ぇえっと要約しますと……気にするな、大丈夫か? ですよね、ジニマルs──ぃ"タ"ァッ!!?』
『……なァ!? アレは、ガープにジニマル!!? まさか、どうなって──ッ!?!!?』
「鳥さんの方は母が殴って正気に戻しました。ジニマルさんの方は監禁されてたので助けときました」
あの悪魔のコトは、正直知りません。誰?
でも、声の感じからして……ジニマルちゃんさんの側近さん──かなぁ?? 姿が違うけど。
『ハァッ!? では何故一人で来たのだ貴様!??』
「え? そらマヨネーズ工場の危機と聞いちゃあ黙ってられませんよ!!! 一人で凸するには充分過ぎる理由でやんすよ、フンスッ!」
あと、口調が変わってますよ。店員さん♡
その場でガッッックリと膝をつく店員さんは置いといてと……
「ヘイ、変態!」
『はい!!! 何でしょうか、ご主人様♡』
大変に元気の良いお返事ありがとね!!!
「──奴らを止めろ。撃墜も許可する」
『ハァァッ!!?!? 貴様、本当に何を言っているのだ!?? 気でも狂ったか!?』
んまぁッ!? オレは正気ですよ、失礼ですね!
『あの、アイツら……とは?』
「──社長達だ。悪魔達の方は放置でも良い」
何なら、止めるのは社長だけでも良いから! お願いします、あの追い詰められたバケモンを止めて!
『──? えと、ですが…………???』
なんだお前? なぜ、渋る???
『わざわざ人間界より貴様を迎えに来てくれた同族を攻撃しろなどと……本当に人間か、貴様?』
──あ、なぁーんだそんなコト???
「いやいやいや、何も56せとは言ってませんよ? それに、アレが正気の人間の目に見えます???」
と、魔鏡さんに社長の顔をどアップしてもらう。
「アレに捕まったら、オレの命の方が危なくなるんですよ。だから逃げます!!!」
あのバケモノが諦めるまで! オレはこの世界を逃げ回ってやんぜ!!!
『──ェエ???』
『…………むぅ……ん』
チッ、まだ腰が重いか。しゃーねーな。
「おいタマ、もしお前がオレの頼みを聞いてくれると言うのなら──」
『──言うの……なら?』
オレは、懐から……とある道具を取り出す。
「店員さんから貰ったこの鞭で思う存分お前をシバき回してやる。罵倒付きで……どうだ?」
『!? おい止めろ、その宝物はそんなプレイをする為に渡したワケではなッ──』
『──やりますッッッ!!!!!!!!!!!』
お前ならそう言ってくれると思ってたよ、変態。
店員さん、道具はね……持ってて嬉しいオモチャじゃないんですよ。使ってナンボじゃい!!!
アナタだって、遊んでやれって言ってたし!
「──それならとっとと行けよ、愚鈍な●●●が。グズグズしてると、ご褒美が逃げるぞ?」
と、鞭で壁をペチペチする。
『 は ッ 、 は ひ ぃ ぃ ぃ ♡
変 態 、 行 っ て 来 ま す ! ! !』
と、変態は即座に飛び去ってゆく。
「じーーー(〈●〉ω〈●〉 )」
『な、なんだ!? 何を見ている!!?』
いやいや、べっつにぃ〜〜〜???
でもオレさ、タマを止めてやったよネ?
=この世界を救ってやったも同義では???
──ん? どう思う、店員さん♡
ここまでお読み下さり、ありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ
それと、前回誤字りました……すみませんm(_ _)m
今はもう修正済みです。




