魔界転移 20
■■■──東/大魔城 上空──■■■
『──うむむぅ…………遅い!!!』
我が配下共はいったい何をしておるのだ!?
わざわざ我の出る幕では無いから、自分達に任せておけとか言っておいて! 何を、している!!?
──やっぱり、我、行くか? 行っちゃうか!?
あの謎の飛来物が穿った穴には大きさ的にも入れんが、我であれば別に力づくでもヤレるし!!!
もしアマイモンにご主人様が捕えられていたら……
『ッ〜〜〜いかん! いかんぞぉ、あの御方は我のご主人様であり、その罵倒も我のモノだッ!!!!!』
と、いうワケで行ってきますッッッ!!!!!!!
待機していた上空から、アマイモンめの城へと一直線に向かう!
『──ッコルソン様が来るぞ! 総員、迎え撃て!』
そう、アマイモンめの配下が吠える。
むむ、どうやらあの穴を除き城の周辺には魔法壁が隙間無く展開されておるようだな。
そしてアマイモンの配下共は、魔法壁の内部からコチラへと一方的に魔法を放ってくる。
流石はアマイモンよ。ガン芋乙。
『クハハハハッッッ、どうした? その程度か?』
だが、全然良くないぞ。
先ずな、威力が弱過ぎるだろう? もっとこう、我を満足させるキモチイイ攻撃をお願いしたい!!!
──ガン芋に特化し過ぎていて、攻撃までも芋レベルでどうするのだ?
『くそ! 全然効いてないだと!!?』
『バケモノめ!!!』
『──んッ♡』
あ、今の罵倒はちょっと良かったです♡♡♡
そういうの、そういうのをもっと頂戴♡
『──ひぃ!』
『よ、喜んでいる……だと?』
『聞きしに勝る、変態だ』
『んぅッッッ♡♡♡♡♡』
一般、雑魚悪魔に変態呼ばわり……♡
ハァ、ハァァッ♡ 我、南魔界の王──なのに♡
変 態 呼 ば わ り ! ! !
──されちゃった♡♡♡
『『『うっわぁ………………』』』
『クッ、フフフフフフフフフ──アマイモンめ、中々に良い部下を持っておるではないか。フフフ──♡』
ご主人様を我からNTった──あの野郎と交換して欲しいくらいだ。マジで。
『だが、悪いなアマイモンの素晴らしき部下達よ。我にはやらねばならぬ事があるのだ!』
故に、遊びに付き合ってやる暇は無い!!!
『ごめんね? コレが終わったら、また罵倒して♡』
てなワケで、我は魔法壁へと手を掛ける!
──バチバチバチッッッッッ!!!!!!!!!!
すると同時に我を襲ってくるのは、喧しい放電音と………………はぅんッ♡♡♡
キモチイイ、バチバチッッッ♡♡♡♡♡
オマケに、中々の強度をしておるではないか♡ 予想よりも固くてッ♡ イイッ♡♡♡
「──とっととしろ、この使えない能無し愚図悪魔」
『〜〜〜〜〜ッッッ♡♡♡♡♡ はい! 愚図、頑張りますご主人様ぁぁあああああッッ♡♡♡♡♡♡♡』
脳内ご主人様の罵倒により、力も湧いてくる!
ぬぉぉおおおおおおおおおおおおッッッ!!!!!
──ピシッ!
『ッ!? バカな!!?』
『魔法壁にヒビがッ!?』
『ッ、魔法壁にもっと魔力を注げ!!!』
ククク、無駄無駄無駄無駄無駄ァァッッッ! 我のご主人様に対する愛を舐めるな!!!
『ふぬぅぅぅんん──ッッッ!!!!!』
────パキッ……パキッッッ!
もう一声! もう一声、罵倒をお願いします脳内ご主人様ァァあああああああああッッッ!!!!!!!
「──は? なにオレに命令してんの??? あと、やめてくれない? オレ、罵倒なんてしてないよ。ありのままの事実を本人に述べているだけ、だけど?」
『ありがとうございますッご主人様ぁぁッッッ♡』
──バキャァアアアアアンンッッッ!!!!!!!
我が雄叫びと共に、魔法壁は砕け散る。
『バカ、な…………』
『嘘だ! 嘘だぁ!!!』
ククク、努力が水の泡となった絶望を胸に……せいぜい我に侵略される城を見ておるが良い。
なんなら──
──心の中でも外でも罵倒してくれると嬉しいな♡
さぁ〜〜〜て、アマイモンくんは何処だぁ〜???
■■■──如月宅──■■■
『──と、いう事で……主はマヨネーズ工場を守りに行ったらしい』
「ごめん、なんて?」
思わず、聞き返す。マヨネーズ工場???
先輩、異世界に来てまで……何してるの?
いや、そもそもとして異世界にマヨネーズ工場があるの? ぇ、マジで言ってる???
そして何故先輩は、そのマヨネーズ工場を守ろうとしてるの? 守るに至るまで何があった?
「──www む、無理wwwww」
「先生、異世界に行ってまで何してんだ???」
「ハッ!? もしかして、マヨネーズってこの世界ならではの別の意味を持つ言葉なのでは!!?」
笑い過ぎて酸欠状態のヒナちゃん先輩、マジで理解が出来ない顔をしている舎弟くん。
そして、閃いたみたいな顔をしている佐藤ちゃん。
「──マヨネーズはマヨネーズでは?」
(なるほどね?)
「久保、逆になってるわよ」
「ま、まぁ……如月がこの世界に居る事は分かったわけですし──ぜ、前進ですわ……よね?」
「あの人、相変わらず規格外っすね」
……まぁ、常識なんて知ったこっちゃねぇ! な、人ではあるからね。先輩──。
「げほぉ! んでもさ……これからどーすんの??? キー様を迎えに行くとか?」
『──ああ、それなら……悪魔共と一緒に行軍すると、もう言ってある。主が飛んで行った方へ行くと、奴らも言っていたしな』
と──虫くんは、少しだけご機嫌そうに話……す。
「「「「「「「──え???????」」」」」」」
『──ん、なんだ?』
ここまでお読み下さり、ありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ