魔界転移 19
■■■──魔界/如月宅──■■■
『──コレは……どういう事だ? ガープ??』
『ふむ……見たところ、コチラへと転移……して来たのだろう。おそらくは人間界から』
いや、そんなモノ見たら理解る。そうでは無く、私が訊きたいのは──!
『──どうしてこのタイミングで、人間界より人間共がやって来る!? コルソンか?』
あの野郎の仕業か???
我々を足止めしようと、人間界から数人適当に見繕って放り込んで来たのか?
『いや、それは無いだろう……見ろ』
と、ガープが指差す先を見る。
『──魔法陣、か。確かに、コルソンのモノとは紋様が違うな……では、この人間共はいったい?』
唐突に出現した魔法陣と人間共を見る。
──怪しい。怪し過ぎるぞ……む?
『………………う』
目が覚めた──か。それなら直接、この人間共に訊けば良いか。無論、怪しい真似をすれば即座に……!
『──くそ、頭が……此処は?』
頭を押さえて、人間はヨタヨタと起き上がる。
む? 声や体形が、エラく我がラヴダーリンに似ているな??? まぁ、ダーリンの方が格好良いけど。
『おい、答えよ人間。貴様、いったい何用でこの地へとやって来た? 正直に申さねば──』
『──あ? なんだ貴様は???』
………………………………ふぇ?
ふ、不機嫌そうに……倒れていた人間は我を見る。
それと共に、必然的に我も──その人間の顔を見る事になったワケで…………え?
すぅ〜、ふぅ〜〜〜──待って???
『ぇ………………ダー、リン?』
『──は? いきなり何だ、貴様?』
困惑したような視線を、我へと向け、そう問うてくるダーリン(仮)。
これは、いったい全体どういうコトd──
「──ッ、あいたたたぁ……ハッ!? 如月! 如月は何処!?? 我が社の救世主は何処ッッッ!?」
「社長ッ! 其処っす!!!」
『あ、ジニマル様ぁ……他の人間達も目が覚めたようですが、どうしまs』
『は? おい待て──ッ!!?』
「──問答無用ッ!!! 私達の徹夜した成果を喰らいなさい! よっしゃ、如月ゲットだぜ!!!」
なんだ、アレは?
魔蟲共の糸を加工したモノ?で、マイダーリン(仮)をスッポリと覆い捕らえた人間の女。
人間の女は、したり顔で叫ぶ。
『おい離せバカッ!』
「──折角捕まえたモノを簡単に離すワケ無いでしょうが! オラ、暴れんじゃ無いわよ如月!!!」
と、人間の女は怒鳴りながら……先端に糸を加工したモノが付いた棒?の赤い部分を指で押した。
『ぃづァーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!』
「あっっっははははは!!! どう? 金盛財閥全面協力の捕獲網DXのお味は?? んッ、ほれほれ?」
な ん だ ア レ は ? ( 二 回 目 )
い、糸を加工したモノから……稲妻?
そんな事をして、あのマイダーリン(仮)は──と、いうかそもそも人間はアレに耐えられるのか!??
それをあの人間の女は笑いながら……恐ろしい。
「──あら? お客様???」
と、お義母様がお盆と呼んでいたトレーに茶を乗せてやって来る。
「をぇッ!? あっ、き、如月のお母様?」
「賑やかでいいわね〜って、あらあら? その虫アミの中に居るのは……キメラちゃん???」
「──え?」
『──へ?』
キメラちゃん……? それがあの、ダーリンによく似た者の名か? 見れば見るほどソックリだな。
『ゼェーハァァーーーッ……社長殺す。お、お久しぶりですお母様! その、主は中に???』
「──ぴぇ! い、いま私の事を56すって……!」
自業自得だろう、人間の女。
「あー、それがねぇ……境ちゃんったら、『マヨネーズ工場を守りに行く』って飛んでっちゃったのよ〜」
「「『──ま、マヨネーズ工場!?!??』」」
■■■──東魔界/大魔城──■■■
──Σ( ゜д゜)──ッ!?
『? どうしたのぉ〜ね???』
「いや、なんだろ……何かいま、寒気……というか、悪寒? が、したような──悪魔なんかよりも、なんかもっと図々しく恐ろしい何かがこの世に解き放たれちまったような、オレの平穏が終了のお知らせを携えて猛ダッシュでコッチに来てるような……そんなどうしようも無い感覚がしたんです」
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