魔界転移 15
申し訳ありません、次の投稿はお休みします。
次回の投稿日は9月10日ですm(_ _)m
「ごめんなさいね、鳥人間さん。わざわざ洗い物のお手伝いまで……」
『鳥……いや、構わない。こちらこそ、コルソンの奴に操られていたとは言え、すまなかった』
この借りは、必ずやコルソンめに返す。
「こる──? あ、でも、頭は痛くない??? その、思いっきり叩き付けちゃったし……花瓶」
『ふふ──問題ない。もう傷は癒えた』
あの回復薬というモノは凄いな。傷だけでは無く、魔力まで戻るとは──人間の成長には、驚かされる。
「そう? 無理してない???」
『あぁ。平気だ』
他を気遣う心根も、心地よい。
「──それなら良かったわ。あ、でも私ったら、何か忘れているような──あッ!?」
■■■──変態の城/寝室──■■■
──〜〜〜ッ!!!?????
な、何故……このような事になったのだ!??
わ、わわ我──私はただ!
『──(あの御方とゆっくりしっぽりモニョモニョな事をしようとしていただけなのにぃぃ……ッ!)』
「ぅ、ん……タマ、暴れるな…………」
──ひゃぃッ!??
あ、ああの御方の腕にいッい抱かれてッ! み、みみみみ耳元でッッッひぅ!?
お、落ち着けけッ!?
我──私は北魔界を治める王……ジニマルなるぞ!
大丈夫、やれる! いける!!!
──ひっひっふー、ひっひっふぅぅーーーーー……
今からでもマッサージをして、ゆっくりしっぽり、あのコルソンめに嫌がらせ、兼、我の番作りを!!!
そうと決まれば! たいへんに惜しくはあるが、先ずはこの甘い拘束より脱さねば!!
──と、私は身を捩る!
「ん──」
申し訳ありません、ごめんなさい! と、心の中で繰り返し唱え、あの御方の腕より抜けd──
「──んぅ……タマ、いいか、げんにし……ろ」
『──ふぇ!??』
ッ!?!!? コレは、どうなっている──!?
…………動かん。
我の──私の、悪魔の腕力を持ってしても……全く、ピクリとも動かせん…………の、だが???
ぇ、嘘? マジで言ってる??
流石に、コルソンにしたように魔力を込めてはいないが──え? 動かせないんですけど???
「いい、こ、だからおと、なし……くぅ」
『はひぅッ!?』
みッ、みみ耳元で囁かないで!? 腰が──ッ!
お、オマケになんか良い匂いもするし……ポカポカしてて温か、い。し?
うぅ……ゾクゾクとポカポカで力が入らn……
『あの──大変に僭越ながら……何を、されているのですか? ジニマルさま?』
『──ッ!?(ふぁあッッ!?!!?)』
へ!? ぇ、こ、こここコルソンの使い魔!??
『ぉ、お前こそ……何故居るのだ…………?』
そう、何とか取り繕い──小声で問い掛ける。
『私はこの人間に謝罪をする為ですね。まぁ、そのまま此処で寝てしまいましたけど……ジニマル様は?』
『──ぉ、お前と似たようなモノだ!?』
お礼の為に夜b──間違えた。マッサージでもしてやろうかと思い部屋へと入ってみれば、ベッドの上にはスヤスヤと安らかな寝息を立てる獲m……あの御方が居たからチャンs──では無く、しめしめと思い我が手を掛けた瞬間…………
『……このザマよ』
『な、なるほど???』
(ヤバいのは、どうやら我が王だけでは無いらしい)
あの御方の腕に抱かれ、あの御方の匂いを堪能──じゃない! 拘束されてしまってな。オマケに良い声を耳元ダイレクトとかもはやご褒美で……違う!!!
『使い魔よ、どうにかせよ!(キリッ)』
『(うわ、面倒な時に起きてしまったか……)──そう仰られましても……あ、起こしましょうか?』
──ッッッ!!?!? なんだと!??
『やめよッ! これほど安らかに眠っておられるのに、それを起こすとか正気か貴様ッッッ!!!??』
『……えぇ? あの、ではどうしろと???』
ふむ──そうだな。
『この方を起こさずに、我を引っ張り出せ。貴様、もうかなり魔力は戻っておるのだろう?』
何故その姿のままでおるのだ???
『──ウ! バレていましたか……流石はジニマル様でございます──はぁ』
当然であろうが? あと、その溜息はなんだ???
『──まさか、この方はそういうのが好きなのか?』
だとすれば、私もそうすべきか?
『それは、分かりかねます。私はただ、先程、偶然に魔力が戻っただけなので……それでは』
いや、その言い訳は流石に無理がないか? どうせ居心地が良いとかそんな理由なのであr──??
『──って、貴様もう少し光を抑えろ!』
「ぅ……」
この方が起きてしまうだろう!? おいこら、聴いているのかコルソンの使い魔ぁッッッ!?!??
『──ふぅ! それでは引っ剥がし……む???』
どうした???
そんなに自身の腕を見て? オイ、そんなに動かしたら──!?
『……申し訳ありません、ジニマル様。無理です』
『はぁ!!? 貴様、何を言って──!?』
「キメ、ラ……タマ…………うる、さ、い」
──ッ!!!
『それで……何故、無理なのだ?(小声)』
『……コチラをご覧下さい(小声)』
と、使い魔は自身の腕を持ち上げる。そこには、ガッチリとその腕を鷲掴む……もう一本の腕が。
『………………なんとか、出来んのか?』
『無理です。馬鹿力過ぎて、片手ではどうにも出来ません……其方はどうですか?』
ッ、そんなの!
『片手で抱え込まれている我にどうしろと!? 片手だけだと言うのに、全く動かせん!』
ピクリとすら動かんのだが!??
「──タ、マ。あばれる、な」
オマケにコレだ! 吐息を孕んだ良い声、温かな体温、好いた番の安らかな寝顔……無理だ!!!
──正直、腰に……翼も。限界が……
「ん、いい……こ。ちゅ──」
っ〜〜〜〜〜ッッッ!!?!??!!???!??
──わ、わわわわ私の額に……『ちゅ』って!? くくくくくくくくくくく口付けをッッッ!?!!?
『…………こひゅッ( ˘ཀ˘ )』
『ジニマル様? はぁ……もう一眠り、するか』
■■■
「──はぅあッ!??!? こ、此処は……!」
カサカサカサカサカサ……。
……ひゅッ!? お、思い出した!
そうだ、確か虫共の叛逆に遭って……!
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ……!
ひっ!? こ、こここここの音はッ!?!!?
まるで油の刺さっていない機械のような動きで、音の出所へと目を向ける。
「ひゅッ……か、かかか母さん? 境夜ぁ??? た、たたたた助けてぇーーーーーーーッッッ!!!!!」
ここまでお読み下さり、ありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ