魔界転移 14
間に合ったーーーーーーーーッッッ!!!!!
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「──ご馳走様でした。では、もうオレは寝ます。さようなら、起こさないで下さい」
『むごッ!? オイ待て人間、私も行く!』
「はいはーい、おやすみなさい境ちゃん、ピーちゃん! ゆっくり休んでね〜夜更かししちゃダメよ?」
母さん手製のダークマt──基、カレーを平らげ、オレと鳥は比較的マシな部屋へと寝に入る。
…………うーん? 何か忘れてるような気がするんだけどなぁ??? 何だっけ?
まぁ、忘れるような事だから大した事では無いか。
身体よりも精神が疲れたから、とっとと寝よう。そんで明日、あの変態をシバいて帰ろっと。
はぁぁ、マジで最悪だ。何であの変態がしでかした事なのに、オレがタダ働きなんて……はぁ〜〜〜。
破壊されてない(してない)部屋のベッドに倒れ込み、大きな溜息を一つ吐く。
つーか、あの変態をどうやって止めたモノか。
何しても喜ぶ未来しか想像できねぇんだけど? 現に何しても喜ぶし、アイツ。
……まぁ、奴の部下は鳥以外縛って隔離したし、洗脳されてた奴らにはクソ不味葉っぱを食わせたから、背後から狙われずには済む。
どれだけの奴らが戦えるかはまだ不明だが……この世界の偉方二人も協力してくれるらしいし?
それに……、
上手くいけば、いまあの変態が進行してる被害者とも共闘できるかもしれんしな。
『オイ、人間よ……?』
「んぁ? なに???」
どうした、鳥? そんな真面目そうな声色で。
『…………その、悪かったな』
「──? なにが??」
??? 何でオレ、謝られてんの?
なに? 悪いモノでも食べた?? 母さんのダ──カレーは見た目こそアレだけど、そこそこイケたよ?
それとも、何かしでかしt──?
『──お前の首を狙っていた事だ。その、コル……タマ様を正気に戻す為にはそうする他無いと思ったのだ』
「は? アイツはアレが素では???」
正気もクソも無くない? ぇ、違うの??
『なっ違ッ──とは……言い難いが、人間界へ赴かれるまではまだ、アレほど酷くは無くてだなッ!?』
「あ、でもそこそこは前兆があったんだ?」
まぁ……出逢い頭からもう既にかなり深k──アレだったもんね? お宅の変態。
『違ッ……わないかもしれんが! まだマシだったのだ、色々と!!!』
「ふーん……?」
──いや、オレは信じるよ??? (¬_¬)うん。
『〜〜〜ッ、一先ず! 貴様の首はもう狙わん!!! 我が王を止める為にも宜しく頼む!』
と、言うだけ言って……
鳥は、枕の隣でまるで饅頭のように丸まってしまう。鳥よ、お前それで寝るのか???
「──はぁ。まぁ、帰る為にも出来うる限りの事はお手伝いさせてもらうさ……無償サービスは嫌だけど」
あの変態にも良い加減ウンザリだしな?
コレを機に、少しばかり痛い目に遭わせてもバチは当たるまい。
──オレはそれ以上の事を精神にやられて来たワケだしな! ウン!
「そういや……あの時、投げ渡されたアレ……丁度、使えそうだな──?」
──主に、仕置き用に。
何処に仕舞ったっけな? ふぁ〜〜〜(( _ _ ))..zzzZZ
■■■──すこぉ〜〜〜し、後──■■■
『──これは、夜這いでは無い…………ッ!』
あの方に、その──傷を治してもらったし?
魔力まで戻してもらったのに、碌に感謝を伝える事すら出来なかったからな!!!
あっ、改めてお礼を言いに行くだけの事だ!
『あの──ジニマルさま…………』
『なんだ!? その憐れむような目をやめよ、我が使い魔の分際で!!!』
我は──私はただ! お礼を言いに行く、それだけなのだ!! やましい気持ちなど有りはしない!
『……では、その御手に持たれているモノは?』
『マッサージ用のオイルだが、それが何だ!!?』
調合s……いや、偶然手に入ったから礼に、我が手づからマッサージでもしてやろうかと思っただけだ!
──他意は無い!
理解ったのなら貴様はとっとと見張りでも、眠りにでも行くが良い!!! シッシッ!
『──す、凄まじい加護の量ですが?』
『我は、北魔界の王──ジニマルなるぞ!? 生半可なモノを贈るなど、我が名が許さん!』
当然であろうがッ!!!
『…………もう遅いので、あの人間は眠りについているのでは? 後日にした方が──?』
『それならそれで既成事z──いや、あの人間は眠ってなどいない! 我の直感が言っておるのだ!!!』
それに疲れて眠っていたとしても、問題など無い! 相手が寝ていても、マッサージはできる!!!
『──先程、夜這いというお言葉が聴こえt』
『貴様はいつから耳が悪くなったのだ? 疲れておる故の幻聴だろう、とっとと休め!』
その間、我はあの方とゆっくりしっぽりと……。
『さ……左様ですか、では、お言葉に甘えて失礼致します我が王よ』
(もうダメだこの王……)
『──あぁ、ゆるりと休め』
(漸く邪魔者が消えたか、シャァッ!)
クックック、アレほどの御方……コルソンなぞには勿体無いからな。故に──
──奪わせて貰うぞ、コルソン。
お前の城で、お前がご主人様と慕う御方を奪う。
クク……何とまぁ、悪魔的であろうか? 安心せよ、あの御方は我が番として大切にすると約束しよう。
フッフッフ、見えない所まで洗ったし……オイルにも色々と仕込み済み。
『──さぁ、ではかの御方が座す寝室へと向かおうではないか!』
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