魔界転移 13
■■■──変態の城/会議室(仮)──■■■
(鎮圧から数十分後)
『──ッ、まさかコルソンを止めるつもりが逆に操られ、奴に手を貸していたとは……くッ!』
と、心底悔しそうに鳥人間──ガープは壁を殴りつける。うん、気持ちは理解るよ。
襲い来る悪魔達を鎮圧して、数十分。
オレ達は、一先ず急ピッチで会議室(仮)を作り、其処でお話し合いをしている。
──いやぁ、何故か軍事室?会議室?が、崩壊しててね。いやはや全く、誰がやったんだか。
にしても、あの変態に操られて、
しかもノリノリで味方してたとか……冗談抜きでマジの生き地獄じゃん。
オレなら舌を噛むレベルだ。
「──すみません、ウチの変態が」
『──申し訳ございません、我が王が』
そりゃあ、オレも鳥も頭を下げるよ。一生モノの生き恥をマジですみません。あの変態には、しかるべき制裁を考えておりますので恨むのならあの変態だけにしていただければ幸いです。
『──ぁ、いや……コレは私の未熟が招いた事。故、其方が気にする必要は無い。が──』
──が?
『えっと──失礼だが、君がコルソンの主なのか?? あの、人違いとかでは無く???』
「大変に遺憾であり認めたくも無いですけど、やんごとなき理由であの変態からはご主人様認定されてます」
正直、辞めたいです。
現在、都合良くご主人様認定を擦りつけられる存在を捜しつつ募集もしてます。性格はアレですけど、外は可愛いネコちゃんですよどうですか?
『……なるほど? では、一つ問いたいのだが君がコルソンを使い人間界征服の足掛かりに、この魔界を征服すると言うのは──事実なのだろうか???』
「ぶふぉ──ッ!? なんですかソレ!!?」
オレは飲んでた紅茶をそのまま吹き出してしまう。
──あ、ハンカチありがとうジニマルさん。
いや、というか──なに? その頭のオカシイ奴が力を手に入れた時とかに言い出しそうなモノは??
『コルソンから我らに向けて、そう宣戦布告があったのだ。ご主人様の為に……とね』
『ふむ。我の──私の元へも来ていた』
え? 何してんの、あの変態???
「オレは関係ありません。あの変態の独断です! そもそも、征服したところで管理するのが面倒いから嫌です。いりません、コレ以上仕事を増やさないで!!」
復興金とか、考えただけで寒気がする!
んな学級委員長みたいなパシられ役、頼まれてもしたくない! しかも此処、異世界だし!!!
『ふむ……? つまり、事実では無いと??』
「当たり前でしょ? 言い方悪いですけど、社長の世話の方がまだ楽ですよ。世界を管理するよりも」
まぁ、ミリの差で。だけど。
『おい、コルソンの使い魔……どういう事だ?』
『──いえ、私めにもサッパリ……王からは、人間界征服の足掛かりに、先ずはこの魔界を征服する。ご主人様の為にと、だけ……人間よ、貴様は本当にこの世界や人間界を征服する気が無いのか?』
まるで最終確認のように、鳥は問うてくる。
「当然でしょ。んな面倒臭い事、誰が望むか! なんなら誓約書にでもサインしてやろうか!?」
『……そうか。信じるぞ?』
どうぞどうぞ! 全く、何でオレが望んだみたいになってんだ? オレ、そんな事一言だってi──
──現金。
ん? どうした、我が頭脳よ???
現金──断末魔、子宝、世界……。
………………え???
コレって、確か──プレゼント一覧の……ふぇ?
え、ちょっと待って???
確か、タマが消えたのも……そういや──?
………………………………え?
いやいやいや、まっさかね〜〜〜??? だって、あの時タマ居なかったし!
ソレにほら、か、かか書いただけ……だし?
皆んなの意見だったしぃ??? オレだけのモノじゃないじゃん? ね!?
『──ならば、どうか一つ……コルソンの暴走を止める為に力を貸して欲しい。我らの問題に巻き込んでしまい申し訳ないとは思うが……』
「何言ってんですかガープの兄貴ぃ! 当然、『無償』で引き受けさせてもらいますとも、えぇッ!!!」
世界の危機に立ち向かわないなんて、男が廃る!
こんな時にね、損得勘定で動くほどオレ屑じゃないッスよ! 是非ともやらせてつかぁさい(涙ཀ涙 )ごぷッ!
──ヒュッ、ヒュゥー……こ、このせせ世界の為にももも頑張りゅぞぉ〜〜〜????? がはッ!
『おぉ、そうか! 頼もしい限りだ……が、その、大丈夫か? 何やら、目から赤い水が──???』
『──ッ、口からもだ! 大丈夫か!?』
ふ、ふふふふふ……大丈夫、らいりょーふ!
「──皆んなお待たせ! ママ特製、なんちゃってカレーが完s……って、どうしたの境ちゃん!? 血涙に吐血まで! タダ働きのお約束でもしちゃったの!??」
あぁ、母さん……料理、終わったの???
美味しそうな──物体だね。異臭が凄いけど。
「母さん──オレ、この世界を変態の魔の手から救う為に戦うよ。無償で、頑張r……かはッ!」
「境ちゃん!? 境ちゃぁーーーん!!!」
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