魔界転移 5
『──オ前達、コノ森ヲ捜索シ……人間ヲ発見次第、我ガ元ヘト連レテ来イ。行ケ』
『『『御意』』』
■■■
うへぁ……服がグチョグチョだ。泥塗れになっちゃったし、はぁ〜〜〜ッッッ!!!!!
『──貴様は馬鹿だ! いいや、大馬鹿だぁ!!!』
「いやぁ、ド変態なご主人様を持つ御方に言われましても。痛くも痒くも……へッw」
ねぇ? って、ちょ──つつくな!!! ぺぺッ、羽がッ、小っちゃな羽が口の中に!?
『無礼者ッ!!! まったく、コルソ──タマ様もどうしてこんな人間などの為に!』
ふぅーーー! と、大きく息を吐く鳥。
「こるそ? つか、今更だけど……あの変態、何やらかしたんだ? お前も、オレの首を狙ってたんだよな?」
──さっきは虫に妨害されて最後まで聞けなかったけど、なんで???
『ふん、今も狙っておるわ! 力さえ戻れば、今すぐにでも刈ってやると言うのに!!!』
「(──この鳥、焼鳥にしてやろうかな?)」
あ……でも、サイズ的にもう少し太らせてからの方が美味しく戴けそうだな。グゥゥ〜。
( °¬°)──じゅるり……。
『おい貴様? 何だ、その目は???』
「──ぅん? いゃ、べ、別に???」
タレか塩……それが問題だ。今の気分はタレだな。キンッキンに冷えた──はァっ!? そうだよ!!?
あの口煩いキメラも居ない今、不摂生し放題じゃまいか! ふはははは、我が天下来たりッッッ!!!!!
そうと決まれば、母さんを見つけるついでに……狩るか。魔界生物。
──此処は森。
ちょっとばかしボヤったけど、恵みには事欠かないだろう! 大体のモノは、焼けば食えるし!!!
母さん、貴女の教え……シッッッカリと、受け継ぎましたよ!!! じゅるりんッ!
『──ぉ、おい?』
「だとすれば肉だな、肉! 肉が良い!!! 食べ応えのある肉が食いたいそうしよう!」
ふへへへへ、今の内に食い溜めしねぇとなぁ……。
ともすれば、先ずは獲物だ。獲物を──ぬッ!?
──ガァンッッッ!!!!!!!!
『な、なんだ!? 木に大斧が……まさか!』
『──ブフゥッ、見ツケタ……ゾ!』
そう、何か大きなモノが──木々を薙ぎ倒しながら此方へと近付いてくる。
恐らく、あの大斧を投げてきた存在だろう。が。
アレは……まさか…………ッ!?
頭部にある二本の凛々しい角! 筋骨隆々の胴体、二足歩行ではあるが大きな蹄のついた脚!!!
背には蝙蝠の翼のようなモノが生えてはいるが……
「………………牛さん、だ(°¬° )」
『ブモ?』
『ェ? 貴様、何を──』
おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいッ!? この森、控えめに言って最高かよ!!!
「野生の、野生のぉ──牛さんだぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!」
『ブ──ブモォォォォォオオオオオオッ!?!!?』
──ああ、調理器具までわざわざご丁寧に有難う御座います是非とも使わせて頂きますね^ ^
また爆弾を使うと、焼鳥に怒られちゃうからね!
調理器具の刺さった木から、調理器具を引き抜き──そのまま、牛へと飛び掛かる!!!
『──待て待て待て待て待て待てッッッ!??!? その方の額の紋様はガープ様の配下で!?』
「スープ様? あぁ、スープもいいな!!!」
ダシは骨から取れる……か? あとは、森の恵みをしこたま突っ込んでグツグツと……グゥゥウゥ。
ナイスだ焼鳥! あぁ……堪らんなぁ!!!
魔界にも何日滞在させられるか理解らんし、食材の調達は必須だろう。
母さんも、多分そうしてるだろうし。
──このまま行けば、そのまま何処かでカチ合うかもしれんしね?
その時の為にも……ね? じゅるり。
腹は、満たせるようにしとかないと──(☆¬☆ )
熱々の牛スープを囲って……改めて焼鳥からお話を訊くというのも、悪くはなかろう。
と、いうワケで・・・・・・!
狩 ら せ て い た だ き ま す 。
『──だから! 待てと言っとるだろうがぁー!!!』
「「「待てるか馬鹿野郎!!! 食材より速く動かねぇと逃げられるだろうがオレはこの身体の飢えた悪玉菌達に餌をやらなきゃイケねぇんだよ!」」」
可哀想に、オレも悪玉菌達も──三男の過度な食事制限の所為で不摂生に飢えてんだッ!!!
それが漸く、枷から解き放たれたんだぞ!?
──自由を、手に入れたんだッッッ!!!!!
『ブ、ブモォォ……』
そして目の前に現れた、牛!
筋骨隆々で、何とも食い応えのありそうな牛!
コレはもう、天からのお恵みだろうがよ!!? 食って良しだろうが!
「──だから、オレは迷わねぇ! バレたら絶対怒られるだろうけど構うものかッッッ!!!!!」
此処に、キメラは居ねぇッッッ!!!!!
オレを止めるモノも、薙ぎ倒す!
──ふへへへへへへへッ、さぁ、お牛ちゃ〜〜〜ん。コッチにおいで?
ボクに調理されて、
ボクの栄養になってよ???
拒否権……? ないよ♡
オ デ 、 オ マ エ 、 喰 ウ 。
■■■──同時刻──■■■
『全ク、奴ハ何処ヘ行ッタノダ?』
『フゥ、イツモノ悪イ癖ガ出タノダロウ──ガープ様カラ、直々ノ命ダト言ウノニ……』
──奴ニモ困ッタモノダ。
我ラ、ガープ様ニ仕エシ三魔将。
ダト、言ウノニ……全ク奴メ。ナゼ、何時モ単独行動バカリ取ルノカ?
……ソノ内、酷イ目ニ逢ッテモ知ランゾ。
・
・
・
『『──ム? 何ダ、アノ建築物ハ……???』』
ここまでお読み下さり、ありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ