魔界転移 3
『──では、我はコレより全軍の7……いや、6割を連れて東へと侵攻する!!!』
『本当ニ良イノカ? コルソン???』
当然だ! あと──タマな???
『ふ、構わん! 残りの4割は城に残り、ガープの補佐をせよッッッ! ご主人様を宜しくね!!!』
ホントならもっと人数を割きたいところだが、
──ちら──( つω・)──ちら──
コレ以上割こうとすると、多分ガープが怒るから妥協点と言うヤツだな。
本当なら、我一人で東へとカチコミたかった。
まぁ、あの強欲野郎が何をしてくるのか不明だからなぁーーー。仕方が無いなぁーーーーーッ!!!
はぁーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!
『フム、任サレタ。武運ヲ祈ル、コルソン』
『──ふ。では、出陣ッッッ!!!!!』
あと──タマな?????
■■■──如月宅/キッティン──■■■
──拝啓、皆様。
如何お過ごしでしょうか、実の息子から足手纏いだから家に居ろと……お留守番を任された父です。
今ピンチです。助けて下さい。
あぁ、違いますよ──?
何も、家の中にバケモノが入って来て──美味しくモグムシャされそう! とかじゃ、無いんです。
いやまぁ、同レベルのピンチではあるんですけどね──ひゅッ! やめろ、コッチ来るんじゃねぇ!!!
──はぁ、はぁぁッ!!!
この、我が家に蔓延る虫共めぇ!
お前らなんてなぁ、殺虫剤クンさえあれば怖くねぇんだよ! いま、手元には無ぇけど!!!
せめて、せめて玄関まで行ければッッッくそぉ!
──そもそも、お前らには屋根裏部屋を賃貸として貸していたハズだろ!? 三男が!
誓約書だってある!!!
お前らが、一階及び二階に降りて来ない事を条件に、屋根裏部屋を賃貸として貸し出すって!
書いてあるじゃん! ホラッ!!!
あの悲しき戦争で、互いにソレで合意したじゃん! 主に三男が!!!
それなのに今更、なんで攻めて来やがった!?
てか、あれ??? 数、増えてない?
──ぇ、嘘。増えてるよね???
てかあの……なんか、お蠍的な御方までお見えになってるんですけど…………あの、三男さん?
もしや、入居虫──増やしました???
ちょっ──三男? 三男ッッッ!?!!?
──お父さん、聴いてないよッッッ!!?!???
◆◆◆
『──ぺくちゅッッッ!!!!!』
『ん、どうしたクソ虫? 風邪でも引いたか???』
『ずび。煩い、割引悪魔……コレはおそらくアレだな。主が私に会いたくて、私のコトを話題にh──』
『──あ、イザナギ様ぁ。その飾り、もうちょい右上にお願いします!』
『聞けよ! お前が振った話題だろうがッ!?』
◆◆◆
スズメバチの姐さん
(不味いねぇ、やっぱり怖がっちまってるよ)
「──ひぎぁあああああッッッな、何でこの時期にスズメバチが居るんだよ冬眠しろよぉーーー!!!」
アシダカ軍曹
(……ソレ、お主を怖がっておるのでは?)
「きぇぁああああああああッッッッッ!!!!! ぇでか、でっっっか!? なに、クリーチャー!!?」
スズメバチの姐さん
(失礼だね、アタイの何処が怖いって言うのさ?)
スズメバチ's
(そーだそーだ! 女王様は凛々しいだけだぁ!)
スズメバチの姐さん
(お、戻って来たね。外はどうだった?)
「ぇ、うそうそマジで言っ──増えたァァアアアああああああああッッッッッ!?!!?」
スズメバチ's
(はい女王様! 外は全くの未知、我々の知らない世界になっておりました!!!)
スズメバチの姐さん
(そうかい、不味いねぇ。今はキメラ様も居ないってのに……取り敢えず、見回りは続けて!)
スズメバチ's
(──はい!)
スズメバチの姐さん
(良いかいアンタ達、忘れるんじゃないよ! アタイ達が今生きていられるのは、全てこの家の御方達のお陰なんだ!!! だからこそ、例えこの命に変えてでも必ずお護りするんだよ! いいねッッッ!??)
スズメバチ's
(──はい、女王様!!!)
「ぁ、良かった……出ていっ──ぇなになになになになに何でコッチ来るのぉーーーーーッッッ!??」
スズメバチの姐さん
(アンタも安心しておくれ。アタイ達が、アンタを命に変えてでも必ず護るからねぇッ!!!)
「──境夜ァァ、ママぁぁああああああああ早く帰って来てぇーーーーーーーーッッッ⤴︎⤴︎⤴︎!!!!!」
アシダカ軍曹
(じゃが、良いのかスズメバチの。コレは、キメラ様との誓いを破る事になるぞ?)
スズメバチの姐さん
(アタイはもう充分に生きたからね。それに、そう言うアンタだって降りて来てるじゃないか?)
アシダカ軍曹
(──ふ、ワシも充分に生きたからのぉ。跡はハエトリのに託したわい……お主はどうなんじゃ?)
Gの旦那
(言わずもがなよ──多くの子孫もおる。悔いなどあろうハズ無かろう? 其方はどうだ?)
「──ひゅッ……おるやん、我ら人類の最恐最悪の宿敵! 台所の黒き流星ッッッ!!!!!」
ジャイ雄
(あー、自分はまだ若いんで。でも、妹の……ジャイ子の為なら命の一つくらい安いモノっすよ!)
「理解った、一つ取引をしないか? リビングは貴様らにくれてやる。だから、此処には来ないでッ!」
黒アリの大叔父貴
(ホホ、頼もしい限りだわい! だが、命なぞそれほど容易に賭けるものでは無いぞ???)
スズメバチの姐さん
(ッアンタ!? 生きてたのかい!??)
アシダカ軍曹
(まったく、じゃ──先の戦争でおっ死んだとばかり思っとったぞ!? 黒アリの!)
黒アリの大叔父貴
(はん、あの程度で死ぬか! 主らとも、また角砂糖を囲んでパーッとやりたいしな!!!)
スズメバチの姐さん
(そう、だね……でも、アタイらはキメラ様との誓いを破っちまった。降りちまったからね……)
アシダカ軍曹
(そうじゃな。例え、無事に帰れたとしても……罪は罪。罰は受けねばならん)
Gの旦那
(覚悟もとうに、出来ている)
「──ヤバい、どうしよ──これ、どうすればいい? 冷蔵庫の中身を差し出せばワンチャンある???」
黒アリの大叔父貴
(バカ言ってんじゃねぇ! キメラの兄貴はな、そんなに心が狭めぇ御方じゃねぇよッッッ!!)
スズメバチの姐さん
(でもね……アンタ…………)
黒アリの大叔父貴
(──確かに誓いを破ったのはいけねぇ事だけどな! それは兄貴の大事な人達を護る為だろうが!? なら、兄貴は怒らねぇよ! いや、寧ろ褒めると思うぜ……賭けてもいい!!!)
「どうやったら、異世界に害虫駆除の人達を呼べるんだろうな……ははッ──( ;∀;)」
アシダカ軍曹
(そう、じゃな……キメラ様は、そういう御方じゃ)
Gの旦那
(忌み嫌われる我らを、自ら招いて下さった。慈悲深く、心優しき御方よ)
スズメバチの姐さん
(あぁ……そうだね。巣が作れず困っていたら、手を差し伸べて下さった──キメラ様は、そんな方だ!)
ジャイ雄
(飢え死にしそうになっていた自分達兄妹を拾って、居場所を与えてくれた方っす!)
「──母さぁーーーん、境夜ぁーーーーー……お父さん、もうダメそう。先に逝くぜ?」
黒アリの大叔父貴
(だろッ!? だから全員で生きて帰るんだ!!! 無論、兄貴の大事な人達も護ッ──な、たっ……立ったまま、気を失ってやがる──ッ!??)
■■■
「アァーーーハッハッハッ──害虫駆除は楽しいなぁあああああああッッッ爆弾を喰らえぃッ!!!!!」
『──(悪魔じゃ、悪魔がおる!)』
魔界の虫?がワラワラと這い出ては襲って来るのでスマホから取り出した爆弾を、ポイッ!!!
──あ、属性付与薬(炎)もオマケしときますね!
ひゃーーーはっはっはっはぁぁあああああッ!!!
虫ケラが、二度と楯突いてくんな──ぺぇッ!
ここまでお読み下さり、ありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ