魔界転移 1
■■■──(/Д\ )──■■■
──や、やってしまった・・・!
『ン、コルソン??? ソンナ所デ何ヲシテイル? 随分ト遅カッタガ、人間界デ何カアッタノカ???』
何か? 何か、だと!??!?
あぁ、あったさ!!! あったとも!
『…………部下に……ご主人様をNTRれました』
『──ハ? ネト……ナンテ???』
☆
説
明
中
☆
『アイツめ……なぁにが像の案だ! ご主人様とイチャイチャイチャイチャとぉ、お医者さんゴッコまで!』
『──オ医者サンゴッコ…………』
ぁあ、羨ましい! 妬ましいッ!!!
ご主人様もご主人様だ! 我のコトをちっとも思い出して下さらなかったどころか、あんな──ッ!
『ッ……だからご主人様をこの魔界へと転移させようとしたのだが…………その………………』
『…………ソノ?』
〜〜〜〜〜ッッッ!!!!!
『────を、して、しまって……な』
『? スマン。良ク聴コエンカッタ』
『だからッ! その、転移用の魔法陣を起動させようとした時に……く、クシャミをして、しまってな?』
我としたコトが……ッ!
『………………ホゥ?』
(アホか? アホなのか???)
と、ガープが声を上げ……脳内にはジニマルの罵倒が木霊する。
『ずびッ……気が付いた時にはもう遅く……我は、一人で突っ立っていたのだ。森の中に』
あの時、クシャミをしたばかりに!!!
転移位置がズレて、ご主人様と離れ離れになってしまったのだ……どうしよ。マジで。
きっと、きっとご主人様……いま、とても寂しがっておられるハズだ! 早く全軍を総動員して捜ッ──
『──不味クナイカ? ソレ……???』
ガープ、貴様! 何を悠長なッ!?
『だから今から捜しに行こうとしているのだ! 早く全軍を招集しなければッ!!!』
まぁ? ご主人様のお力ならこの程度、窮地にすらならんとは思うがな???
──何なら、ちょっとばかし遅くなって…………
「使えんな、この役立たずめ」
……とかとか! 冷たいお言葉を頂戴したりなんかして! ぐふッ♡ ムフフフフフッッッ♡♡♡♡♡
『ン? 東ノ攻略ノ方ヲ優先シナクテモ良イノカ?』
『──は?』
ガープ、貴様なにを……今は東の強欲野郎よりも、先にご主人様をどうするかだろうが!?
──役立たずアピして罵倒してもらうか、
今すぐにでも、全軍総動員してご主人様をお捜しするか……そこが重y──
『──ゴ主人様ガ、東ニ居ナイト断言出来ルノカ?』
『へ?』
ご主人様が、東に居ないと、断言???
『ハァ……ゴ主人様ガ、東ニ飛バサレタ可能性ハ無イノカト訊イテイルノダ。コルソン』
……ご主人様が、東に飛ばされた、可能性?
『アマイモン、奴ハ強欲デアリナガラ同時ニ狡賢イ。モシ、ゴ主人様ガ東ヘト飛バサレテイタノナラ……』
──ドウナルカ、理解ランゾ???
◆◆◆やってくれたな、あのクソ悪魔◆◆◆
「はぁ〜い──それでは第n回目 如月宅会議を始めたいと思いま〜す! 進行役はオレです。宜しく!」
「きゃーーーーーッッッ! 素敵よ、境ちゃ〜ん!」
「──え? 何コレ、どうなってんの!??」
ハイハイ、静粛に静粛に!!! 取り敢えず、落ち着きなさい皆の衆よ!
えーと、それでは本日の議題は──『多分、魔界に転移させられたんだけどどうするか?』──です!
「質問などは挙手でお願いします。それ以外の私語、禁止用語、黄色い悲鳴等は禁止です……では──」
「──はい! はいはいはぁーーーいッ!!!」
………………………………はぁ。
「チッ! はい、囮さん。どうぞ」
「あれ? いま舌打ちした???」
──あ? 舌打ち???
「してません。下らない質問は金輪際控えるようにお願い申し上げます……ぺッ!」
「オレ、お前に何かした??? って──」
──そうじゃなくて!!!
と、肉盾、ハシャギ出す。
「此処どこ!?? オレ、さっきまでトイレでウン●きばってた筈なのに──魔界 is 何県!?」
「──(汚物を見る目)」
「ちゃんと出た? お手も洗ったの???」
あと……ちゃんと換気扇回した?
「うん、洗った。換気扇も……回したはず! って、違くて!? 此処はどこ!!?」
と…………ぎゃーぎゃー喚く、餌。
ふぅ、まったく餌は──汚物と一緒にトイレに脳みちょまで流したんかチミは???
「此処は『家』だよ。HOME、理解る? 頭、大丈夫そ??? 無理? あらぁ……(憐れみの目)」
「うふふ、そうねぇ。お家ね♪」
それ以外のナニに見えると?
「──お前良い加減怒るぞ? そうじゃなくてだな、えーと……外! 家の外、どうなってんの!?」
と、窓を指差す生贄。
え? 何かギチギチ鳴き声ちっくなモノが聴こえるし、不気味な木々の影も見えるね。
てか、今、動いたよな? 木。
「フゥゥ……一言で言うなら、混沌、ですかね? んで、それが???」
「それがってお前──ッ!?」
だって、たぶん魔界だし……此処。
「んー──お隣さんのお家、何処に行ったのかしら?」
今更、外の景色が云々言われてもねぇ?
大体、オレに言われてもさ? 文句ならあのクソ悪魔に言ってもらえる??? オレの所為じゃねぇし。
「来ちゃったモンは仕方ねぇよ? 幸い、親父も居るし……探索するにしても一乙ならセーフだ」
──な、親父☆
「普通にアウトだよ馬鹿! もっと父を労われ!」
労、わ……る???
「フッ──またまた、ご冗談をw」
「むきぃーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!」
『────ぉぃ』
まぁでも、トイレを流せたってコトは水道が繋がっているって事で……つまり──どういうこっちゃ?
「ま、一先ず探索行って来いよ。囮さん」
「お前マジ巫山戯んなよ!?? あと、囮と書いて父さんとは呼ばねぇよクソ息子ッ! お前が行け!」
──え?
「こんなか弱い息子に、何が居るかも分からん場所を探索しろと? やだ、この甲斐性なし!!!」
「お前の何処がか弱いんだよ!? 辞書引いてこい!」
あんだとぉ! 辞書で顔面潰すぞゴラァッ!??
「──そういや、三男は!? お前とは違って、あの子ならまだワンチャンある……はず!」
「キメラならお料理修行に行っとるよ^ ^」
暫く戻って来てない。なぅ。
「いや喚ぼう!? ぇ、喚べる……よな???」
「………………えぇ? まぁ、出来なくは無いと思うけどさぁ──いる? キメラ???」
コレでもさぁ、オレまだ怒ってる体だし?
今更──来て下さいって召喚するのはさぁ? ちょいとばかし、恥ずかしいと言うかぁ??? ね?
「いるだろ!? 緊急事態だよ境ちゃん!!?」
「えぇ〜〜〜? たかが魔界に来ちゃったかもしれないくらいでぇ……? 緊急事態ではなく無い?」
言うほど、ねぇ???
「嘘だろ境夜!? お前の緊急事態のカテゴライズどうなってんの!?? 異世界転移は緊急事態だよ!」
そんな大袈裟な。
その内戻ってるって。ねッ???
『トイレで気張ってたら魔界に転移した件について』──とか、そんなタイトルで小説でも書いとけば?
うぷッ……ちょ、肩を揺らさないで。
き"も"ち"わ"る"い"──ッ!!!
出る。あの、ホントに色々とお口から出ちゃうからやめて! テメェの顔面に朝食出すぞ!??
『──おいッ!!!』
「──アァ!? んだよ、うるせぇな!!!」
親父よ、んな小さな鳥にキレんなよ…………って、ん? ピーちゃんが、しゃべ──?
『あの女、外へと出て行ったぞ?』
「キャァァアアアッシャベッタァアアアアアア!」
「馬鹿、煩い。あと──はッ???」
あの……女???
──そう言えば、さっきから母さん……お隣さん云々以降、一言も言葉を……ンッ!?
「はちょッ、境夜! コレ!!!」
と、父さんが蒼白い顔で机の上に置かれた紙切れを一枚……オレへと見せてくる。
えーと、なになに──?
『お隣さんの様子が気になるので、ちょっと様子を見に行って来ます。
PS:ついでに、お夕飯も買ってくるわね♡
ママより』
か──母さぁぁああああああああああああああああああああああああああああああんんッッッ!??!?
嘘でしょ母さん!??
まさかオレが生贄と言い合っている内に、一人で外に行ったの!? 我が母ながら行動力バケモノかよ!
いや確かに近所付き合いは大事だけれども!!?
でも魔界に転移させられたから多分、お隣さんは居ないと思っ──いや、今はッッッ!?
「父さんは母さんが帰って来た時の為に家に居て! オレが外に捜しに行く!!!」
「──え? でも……」
でもじゃねぇッッッ!!!!!
「父さんが居ても足手纏いでしょうが! お家で良い子に待ってなさい!!!」
「──( ゜д゜)──」
オブラート君? ログアウトしたよ。
即座に最低限の準備を済まし、
「ピーちゃん、来い! 母さんを捜すついでに、知ってる事を話してもらうから。いいな?」
『……仕方ない、な…………』
ピーちゃんを肩に、いざ玄関へ!!!
「──んじゃ、行って来ますッッッ!!!!!」
待ってろよ、母さん!!!
「──オレ、ピーちゃんより足手纏いなのかぁ……そっかぁ、そう、なのかぁ…………ははッ( ;∀;)」
ここまでお読み下さり、ありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ