お買い物 6
■■■──11:25──■■■
「──すみません……やり過ぎました…………」
「いや……あの、ま、護ろうとしてくれたのは、ちゃんと理解りましたから──えと…………ハイ」
あの後、ナンパ男達が号泣した。
その光景がその、あまりにもアレだったので……手を離し──バイバイしたのだ。
無論、次やったら……と、ちょっと脅した上で。
──んで、周囲の方々にも騒いでゴメンなさい。と、謝罪し……今に至るのだが。
空気が、空気が重いッッッ!!!!!
「マジですみませんでした。その、あそこまで綺麗にハマってくれたのでその……テンションがぶち上がってしまって不快な思いをさせてしまい──( /Д\ )」
──うぅ、ごめんなさいッ!!!
今度は裏に連れ込んでコッソリと……s
「ッ、いえいえいえいえ不快なんて! 確かにちょっとあの、y──アレでしたけど!!! 次があれば、今度は私が止めてみせるのでッ……こうケルベロスを召喚して相手を一思いにガブッと!」
「──それはやめようッッッ!?!!?」
R-18Gはイカン! それに、多分……ケルベロスのお腹にも良くないからッ!!!
なので、全力で止める!
………………。
………………………………。
………………………………ゔぁ〜〜〜もうッ!!!
「…………えと……次、何処に行こっか?」
無理矢理、笑顔を作り──問う。
「あ。それなら、ベヒモス用の牧草を買いたいのでこの店に──ちょっと歩きますけど……良いですか?」
と──綾ちゃんは、昨日オレが用意した分厚い資料を取り出し、付箋の貼ってあるページを開き言う。
「ん、了解………………………………牧草???」
──牧草?????????????
◆◆◆
『ア"ァ"ぁ〜〜〜主が慈悲深い。ありがとうございますありがとうございます今日も酸素が美味しいです』
あぁ……記録が、記録が溜まっていくぅ〜〜〜!
我らに黙って抜け駆けしたのは許せんが──GJ! 我幸也、雌!!!
おっと、移動するようだな・・・?
『──こうしてはおれん! 行くぞ、パラs──』
全てはレアショットの為、雌への罰の為! 好機を逃さないように主達の後を追いかけ──ん?
『パラサイト??? 返事くらいし……ろ?』
──ち〜〜〜〜〜_(˘ཀ˘」∠)〜〜〜〜〜ん──。
『は??? パラサイト、おいッパラサイト!?』
こ、コイツ…………まさか、し──ッ!!???
慌てて駆け寄り、呼吸を確かめる!
………………してるな。呼吸。
ならば何故??? 考えられるのは、パラサイトがこの割引悪魔の身体から出たくらいだが?
アレほど器を欲しがっておきながら、自らソレを棄てたのか……??? (・・?)ノシ===【器】
──いったい、何故……?
まぁでも、私がパラサイトでもこんな奴の器はゴメン被るg……ん??? 人の気配?
ソレも、背後に???
ッ! いったい何だ、私は忙しいのに!!!
そう思い、背後を振り向くと──見覚えのある人物達が、其処に居た。
『悪りぃ待たせたな、キメラ!!! さ、主達の尾行を続けようぜ!』
『カメラはオレが担当してやろうか?』
『うぇーい! じゃあオレはマイク担当だな!』
──と、先程のナンパ男共がメチャクチャ良い笑顔で元気良く宣って……は?????
■■■──魔界──■■■
『──は???』
我は、声を上げる。
『カハ──ッ!!! ジ、ジニマル…さま……お怪我はございません……か?』
何故──我が、使い魔が……赤に、塗れて?
『ほう? 自らの身を挺して、主人の盾となったか』
まるで──我が問いに対する答えを突き付けるように、コルソンが言う。
我の……私の、盾に? なん、で???
『──おい、起きろ。使い魔…………』
『ぁあ、良かった──壁には、なれた……みた、い、ですね──よか、た、ぁ…………』
やめろ、そんな顔で──笑うな。
『おい──おいッ! 目を閉じるな!!! 聴こえないのか!? 我が、目を覚ませと言っているのだ!』
なぜ、何も……応えてくれない?
そんな満足したような顔で、我の前から勝手に居なくなるつもりか??? そんなの──
『素晴ラシイ忠誠ダ……美シイ…………』
『は? 我のご主人様に対する忠誠の方が凄いが? まるで便器の裏にこびり付いた紙のようだと、よくご主人様からお褒めに預k──ッ!?』
我は……私は…………認めないッッッ!!!!!
魔法壁を構成するのに使っていた全ての魔力を、刃へと再構成する。
『──ッは、漸く……本気になったと言う所か?』
『先程マデトハ、桁違イノ殺気ダナ』
愚かな同族。それに穢らわしい堕天使よ。
『──覚悟するが良い。この我、北魔界の王ジニマルが直々に、愚かな貴様らに罰を与えてやろう!!!』
■■■
──拝啓、コルソ……タマ様。
申し訳ありません。覚悟を決め、命を削り、人間界まで辿り着いたと言うのに──ッ!!!
「ウフフ、お怪我をしているかもしれないから、動物病院に行きましょうね〜〜〜♪」
『・・・・・・』
人間の、女に……捕まりました。
今は、檻に入れられ──動物病院なる場所へと、運ばれています_| ̄|○
──私はどうなるのでしょうか?
動物病院って、何なのでしょうか???
もうその名の響きから、明らかにヤバい気配が漂って来るのですが……?????
どうすれば良いですか? 震えが、止まりません。
ここまでお読み下さり、ありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ