クリスマス会議 8
■■■〜〜〜side──モンスター〜〜〜■■■
『コホン──パーティ、シタイ!』
『──キャァアアアッシャベッタァァァッッッ! と、こういう時は言うのよね???』
………………あの、イザナミ様……そういう茶番は、今は結構ですので。お茶でも飲んでて下さい。
『えと、それは……今、お腹が減っているワケでは無く──クリスマスの出し物として、ですか?』
『プレゼント、シテアゲタイ!!!』
……? パーティを、プレゼント???
『アノ子、オ金ジャ買エナイ愛、欲シイッテ……ダカラ、プレゼント、シタイ!』
──ッッッッッ!?!!?!???!?!!??
え、ぉ? ちょ、ちょっと待て!? 待ってくれ、今、え??? トンデモ無い事を……え???
『そ、それは……あの、え?????』
どうしよう。コレ、何と言えば……???
『えっと……ティ、ティアマトちゃん? その、あの子って……あの、社長さん??? で、合ってる?』
ありがとう、イザナミ様!!!
さっきは茶番とか抜かして、誠に申し訳ありませんでしたぁッッッ!!!!!
『──ウン。アノ子、コノ前……一人、寂シイッテ。愛、欲シイッテ……言ッテタ!』
…………………………………………あの、社長が?
『でも──どうしてそれでパーティなの? 確かに、楽しいだろうけど……』
物悲しい顔で、イザナミ様は問う。
『アノ子ト見タ、テレビ、デ言ッテタ。楽シイ事スレバ、嫌ナ事モ忘レラレルッテ! ダカラ!』
──パーティ、シタイ!!!!!──
なぁ………………一つ、問いたい。
こんなヘヴィな事を言われ、『いや、パーティはモノでは無いから無理です!』なんて、言える?
あのキラキラした目を、裏切れる???
何故かは理解らんが、ボヤけてきた視界で──周囲を見る。
『ッ、ごめんなさい! 目に、ゴミが……ぐすッ』
『イザナミ様、ハンカチです。ずび、おかしいな、花粉ですかね……鼻水が止まりません……』
『キューン、クゥーーーン』
(おかしいな、鼻の奥が痛いです)
『ウォオオオオオン……』
(目から水出てきた……)
『シューーー……シー』
(胸の辺りが痛くなって……ずびッ)
『────! ──────!?』
(クロノス爺様! 何とか出来ないのですか!?)
『………………………………』
(時間停めて不老にならワンチャンできる)
『──!? お待ち下さい、それは人の身には過ぎるモノです。此処は天使の加護で一つ……!』
『あぁ。名に恥じぬ働きをしようじゃないか!』
『飾り付けは任せて欲しい! 何処にも負けない、素敵なパーティにしてみせる!!!』
『ゴォオオオオオオ!!!!!』
(良さそうな鉱石も見つけてくるぜ!!!!!)
『メェーーーメェェーーーーー!!!』
(モフモフなら任せて下さ〜〜〜い!!!)
・
・
・
──etc、etc。
まぁ、つまり……我らモンスターの心は、一つとなった。と、言う事だ。
それに──だ。
このまま長々と無駄話を続けるよりも、よほど良いとは思わないか???
私も、元主の愛を欲した身として……愛を欲しがる者の気持ちは良く理解る。
なので……一つ、大きく息を吸うと、
『──それでは、我らが主達に贈るプレゼントについては「クリスマスパーティ」という事で良いか!?』
一息に、声を乗せて吐き出した!
こうでもしなければ、ずびッ、鼻声である事がバレてしまうのでな。
『『『──意義無し!!!!!』』』
(((──意義無し!!!!!)))
ふむ、皆……了承と。
『──\( ^ω^ )/──』
……ふふ、女神も喜んでいるな。
だが、それならそうと早く言ってくれれば、無駄な時間を使わずに済んだのだがな……?
遠慮でもしていたのだろうか???
『あっ! でも、お料理はどうしましょう!? サトリちゃん、出来る?』
『へ!? い、いえ……した事が無いので何とも』
まぁ、今はそんな事よりも──パーティに向けて、役割分担を決める方が重要だな。
──その為には・・・。
『ジャバウォック、モザイクはそのままでクソ虫と会話が出来るようにしてくれ』
『グォ?』
(え?)
奴の料理スキル、放置するには惜しいからな。
多少、脅す事になろうとも……パーティの為に働いてもらうぞ? クソ虫。
『──ぴぎぃぃいいい……ぴぎぃぃいいいいいいい』
『おいクソ虫、良い加減正気に戻れ! でなければ、お前のピギっている動画を元主に送り付けるぞ!?』
『──ハッ!? 此処は誰、私は何処???』
よし、正気に戻ったな!
『プレゼントは「クリスマスパーティ」に決まった、お前は料理担当だ異論は聞かん!!!』
『はぁ!?!!? な、待てどういう事だ──!?』
異論は聞かんと、言った筈だが???
『良いのか? この動画を、元主に晒すぞ???』
『なっ、卑怯な!?』
あ"??? 卑怯、だと?????
『喧しいぞこのピギりクソ虫が! いの一番に発狂し碌に会議に参加すらしなかった貴様に意見を言う権利があると思うな!!! 動画を晒されたく無ければやれ、以上だ! その代わり、元主にはお前の料理だけを出すことにする。それでいいな!? アーンも可だ!』
『ふ──料理の種類は100品目ほど用意すれば良いのか? 世界各国、選りすぐりのを揃えよう!!!』
──よし! 交渉成立だな!!!
では、コレより役割分担を行うッッッ!!!!!
■■■──【真相】──■■■
『冬のクリスマス特集──クリスマスと言えば、やっぱりクリスマスパーティは外せませんね!』
「──ティアマトちゃ〜ん! そろそろお休みの時間よぉ〜〜〜って、あら?」
『???( °∀°)σ』
「クリスマスが何か気になるの? あーーー、えーとねぇ……独り身には、寂しい夜──かしら?」
『──???( °ω° )???』
「えっとねぇ……恋人同士がイチャコラと、独り身の人間を嘲笑うクソイベ──かしらね……うん」
『( #`ω´)σ』
「あー、いやいや。多分、テレビは嘘を言ってないわよ、クリスマスパーティは楽しいでしょうし……いや、私、そういうのあんまり知らないけど……多分ね? 嫌な事とかも忘れられるとは思うけど──」
『???( ・Д・)???』
「ただ、一言言わせてもらうのならね──愛が欲しいのよ! 金じゃ買えないような愛がね!?』
『Σ(・□・;)!?!!?』
「パーティは楽しいでしょうし、嫌な事だって吹き飛ぶかも知れないけど! それでもね、目の前でイチャコラするあのカス共のあの自慢げな顔を見るだけで腹立つのよ!!! あの、勝ち組なんでって顔がマジでイラつくの! そりゃあね、僻んでるのかって言われたら僻んでるわよ!? でもね、独り身で寂しい私の前でイチャイチャする!?? 普通!? 優しさってモノが無いワケ!!? 金はある、けれど愛が無いのよ! そりゃあ、お金を積めば寄ってくるかもしれないわよ!? でも、それって本当の愛じゃ無いワケじゃない、それは嫌なの! ちゃんと愛して欲しいし、恋したいのよ私も!!! それが女の子ってモノじゃないの知らないけど、少なくとも私はそうなの! だからマジで人前でイチャコラする奴ら滅べって毎年思うワケよ、こちとら仕事がアホみたいに入ってくるのに何イチャイチャしとんねんって思っちゃうの、マジで本当に滅んでほしい。それがクリスマスというモノね!!! 私にとっては!」
『………………』
「すぅぅ──ごめんなさい。私、先に寝るわね」
『──((((;゜Д゜)))))))コクコク』
「あ、ぇえと……でも、アレよ? 確か、クリスマスには良い子の所にはサンタさんが来てくれてね?」
『Σ( ゜д゜)!?』
「あ、いや不審者じゃないから。そんなに身構えなくても大丈夫よ?」
『──ε-(´∀`; )ほっ』
「ふふッ、それでプレゼントをくれるの。きっと貴女の所にも来てくれるから、楽しみにしていなさい」
『???(`・∀・´)σ』
「え? 私の所には……どうかしらね??? でも貴女の所には絶対に来るから、じゃ、おやすみなさい」
『………………(-᷅_-᷄ )???』
『──以上、冬のクリスマス特集でした!』
『Σ( ゜д゜)!!?』
『いやぁ、クリスマスパーティの楽しさが嫌な事を忘れさせてくれますね!!! では、また明日〜!』
・
・
・
・
・
『………………パーティ、スレバ……嫌ナ事ヲ忘レラレル??? アノ子モ……? (´・ω・`)』
ここまでお読み下さり、ありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ