クリスマス会議 7
■■■〜〜〜side──プレイヤー〜〜〜■■■
「──やっぱ、現金で良くないっすか?」
「はぁ!? 何言ってんのよ、アンタ!!?」
と、正気かコイツ!? みたいな目を千尋さんは向けてくるが……では、問いたい。
【プレゼントリスト】
現金
断末魔
子宝
世界
…………この中に、他の選択肢があるのか? と。
「三人やらば文殊の知恵、とは言いますけど──三人以上居ても、知恵無いですよ。コレは」
はぁ〜〜〜、と深い溜息を吐き……言う。
それに、もう時間も無いし。
「それなら大人しく現金渡して、『好きなモノを買って来な』作戦に変更した方が良いですって、マジで」
少なくとも、ソレで好きなモノを買った方が断末魔やら世界を贈られるよりはマシだと思う!
「う〜〜〜〜〜ッ、でも!!!」
納得していないのか、千尋さんは唸る。
「ソレってお年玉でやるヤツでしょ!? クリスマスなんだから、やっぱサプライズは大事だと思う!」
「そうですわ! サプライズは大事でしてよ!!!」
ね! お姉様!!?
──と、便乗する金ちゃん。あと、モブ共。
「やいのやいのと……それなら枕元にポチ袋でも置いておけば良いでしょ!? フンだ!」
アンタ達はマトモな意見も出さずに文句ばっか言って! もう、お父さんは知りません!!!
「う〜ん……でも、確かにそうかも。サプライズでプレゼントを貰うのって嬉しいですし──」
「ッ!?──パパもそう思うぞ、綾!!!」
「──ふッ。実はオレもそう思ってたんだよね〜☆ やっぱ、サプライズは大事だよネ!!!」
というワケで、ホラ! 早く意見を出すんだよぉ、あくしろよコラッッッ!!!!!
「ホント何なのよ、アンタ……?」
「掌クルックルっすね」
「シッ!!! コンクリートの中で余生を過ごしたく無いのなら、黙るのが吉でござるよ!」
──聴こえてるんだよなぁ〜_φ(・_・ )
【プレゼントリスト】
現金
鈴木の断末魔
子宝
世界
鈴木の命
鈴木のコンクリ巻き(●●湾のソースを添えて)
………………よしッ!!!
「じょ、冗談でござるよね? 境夜たん???」
「──(にこり)」
「あ、終わったわ。皆の衆、拙者……一足先に異世界転生を済ませておくでござるよ!!!」
ちゃんと遺産の受取人は『ご両親』と『オレ』にしといてね。オレはコンクリ買って来るから!
「先輩──ちょっと良い?」
「ん? どうした、後輩???」
ずっと様子を観ていた久保が、何かを思い付いたのか……おずおずと手を挙げる。
「会議を観てると──コレさ、多分……個人で考えた方が良いと思うんだけど?」
「「「──ふぁッッッ!?!!??!?」」」
──あッ。そう言えば……Σ(・Д・ )
・
・
・
「えっと……つまり? 何が、言いたいのでございましょうか??? 後輩様?」
こ、コイツ……遂に会議という概念そのものを壊しに来やがった! ((((;゜Д゜)))))))あばばばばッ!!!
「いや、皆んなもさ……薄々気付いてるよね?」
そのお言葉に……スンッ、と真顔になった奴ら。後で会社裏な??? 言ってよ、もう!
「え? 何が???」
「どういう事ですの?」
「──あッ(察)」
マジで理解らんチンな奴らを見て、久保は溜息混じりに告げる。
「はぁ。例えばさ、僕のバアルや先輩のキメラなんかは先輩の隠し撮り写真をプレゼントすれば喜ぶ」
そ、そうだなぁ〜〜〜(遠い目)
そう……なんだよ、なぁ〜〜〜。何で、ああなっちまったんだろうなぁ〜〜〜〜〜(泣)
「──私だって嬉しいですよッッッ!!!!!」
「………………」
聴きたくなかったよ、そんなカミングアウト。ま、オレも綾ちゃんの写真は嬉しいけど。
「??? そ、そうね?」
いきなりトンデモ発言をかました後輩に、千尋さんは何とも言えない様な目を向けるが、
まぁ、つまりは──
「モンスターも僕達と同じで、好き嫌いがある。そしてソレを良く知っているのは──」
「──他ならぬ、プレイヤー自身だって話だろ?」
結局の所、そうなのだ。
自分のモンスターについて、誰よりも知っているのは自分自身だろって話。
──創作者じゃない。
まったく、それなのにどうしてこう……ごちゃごちゃな会議になってしまったのか──。
「やっぱ先輩気付いてるじゃん!?」
「そらぁな? つーか、お手元の資料を誰一人読んでいない件について……頑張ったのに、泣きそう」
せっかく、色々とリストアップしたのに……。
「──へ? え、何コレ……お店の名前に、売ってるモノと値段まで!? アンタ全部、調べたの!??」
「うおッ、丁寧に地図まであるっスよ!?」
「ふッ、資料作成に手は抜かんよ???」
だから最初に言っただろうが、労えって。
──もうね、マジで疲れた! 方向音痴なお方の為に地図や最寄駅まで一から調べたからね!!!
結果、トンデモ無い重量の資料が完成したワケだけども……さぁ、崇めろ! オレを労うが良い!!!
「早く言いなさいよ!?」
「あの時間は何だったんスか!??」
「あー……境夜たん、さては愉快犯の特性が発動しますたね? 悪趣味でござる!!!」
すぅーーーーーッッッ、あ"ッ???
「はぁぁッッッ!??!? オレ、最初にお手元の資料をうんぬんって言いましたけどぉ???」
それなのに、やいのやいの言いやがって!
挙句、勝手に色々言い始めたのはソッチでしょうが! 人のプレゼントにまでケチつけて!!!
それに──ッ!
「オレが想像してた会議は、その資料を基にアレが良いコレが良いと意見交換する場になるのを想像してたんですよ! それなのに、このモンジャ焼き共は!」
そもそもオレが頑張って作った資料も見ずに、早く言えですとぉッ!?
はぁぁあああッッッ、キレそう!!!!!
キャーキャー言われても良い筈なのに、ギャーギャー文句付けてくるとかコレだから糞共は! ペェッ!
まぁ……途中からは腹立ち過ぎて、オレも資料の存在を忘れてたけどネ! てへぺろ☆
「ペッ! その資料は持って帰って良いんでとっとと現金握りしめてお買い物行ってくださーい!」
コレにて会議は終了でーす!!!
はよ帰れ、馬鹿共! かぁ〜〜〜、ペッ!!!
「──言われずとも帰ります〜! ありがとね!」
「そーっすよ!!! 感謝だけはしとくっす!」
「あの如月さん……その、明日……モンスターへのプレゼントを一緒に買いに行きませんか?」
「──あーはいはい! 分かりました!!!」
まったく、ホワイトボードもゴシゴシと( `ω´)ノシ
「ッ──ほ、本当ですか!? あッ、ありがとうございます!!! では、また明日!」
はいまた明日ね〜〜〜!
あ"ーーーーーーッ、片付けダル! もうこんな時間だし、絶対キメラ怒って──ん?
………………Now loading
………………………………Now loading
………………………………Now……loading……
「………………………………え?」
壁|°) 抜け駆けとは、隅に置けないね……。
で|Д°) ェ、エッ!?
す|ω・´) コレは面白くなりそうね……。
「──先生、遅せぇなぁ……って、オワァッ!? な、何してんだよンナ所で!??」
■■■〜〜〜side──コル……タマ〜〜〜■■■
『こ、コルソ──た、タマ様……いま、何と?』
『人間界征服の足がかりに、先ずはこの魔界を征服すると言った! 三王にもそう伝えよ』
もう少しだけ、お待ち下さいね……ご主人様♡
ここまでお読み下さり、ありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ