クリスマス会議 6
■■■〜〜〜side──モンスター〜〜〜■■■
『──ぴぎぃぃいいい……さぁ、お前も主教へ入るんだイザナギぃぃぃいいいいい…………さぁ、さぁッ!』
『いやじゃぁぁあああああああああッッッ!!!!! お前の様な狂信者になど誰が──いだぁッ!?』
あー、アレは選択肢をミスったな。
『で、あれば……お前を捕食する。そうすれば、貴方は私、私は貴方──お前も主教となるのだ!!!』
狂ったように高笑いながら、キメラはまるでサト●ルヌスのようにイザナギ様に齧り付く!
──ん? サト●ルヌスが誰かって???
それは…………アレだ。自分で調べてみてくれ、色々と、保証は出来んがな……うわ、ヤバッ。
あの虫、目が完全にイッている。というか、この光景を撮って元主に晒せばワンチャンあるのでは?
『オイ! そんな事考えとる暇があるのなら早く儂を助けんかバアルッッッ!!!?? お願い!!!』
『無理です、不可です、諦めて下さい』
あと、ナチュラルに思考を読むの辞めて下さい。
『きゅ、キューピッド!!!』
『試してみても良いが……その愛に狂う狂虫に、更に愛の矢をぶち込めば悲惨なコトに無らないかい?』
フゥーーー、と紫煙を吐き出し天使は告げる。
──なるな。間違いなく。
『くッ……イザナミちゃん!』
『ふん! イザナギくんは其処で反省しなさい!』
あーあー、余程春画のコトをお怒りなのか……プイッとイザナミ様はソッポを向く。
『そんな!? さ、サトリや……助け──』
『諦めて下さい──(目逸らし)』
あぁ、君は間違っていない。
それに……これ以上つまらん──もとい、虫の暴走で会議を遅らせるワケにはいかない!!!
時間も時間だしな。
『よし──ジャバウォック、あの二人はシャットアウトだ! 会議はあの二人抜きでやる!!!』
『グルォ?』
(いいの?)
私も辛いが……致し方無い!!! 時間は有限、そしてコレ以上遅らせるワケにはいかんのだ!
あと純粋に、あの二人が煩くて邪魔!!!
会議に集中できん、うるせぇから──ッ!
『ハァッッッ!?!!? 待てバアル、貴様、儂を見捨てるつもりか!? 助けて下さいお願いs──』
──よし、何も聴こえなくなったな!
それに、視界にもモザイク処理が入った。コレでグロいモノを観なくて済む!!!
ありがとうジャバウォック。その配慮、感謝する。
『よし、邪魔者は消えた! さぁ──時間も迫っているので、急ぎ会議を続けよう!!!』
やるぞ(`・□・´)q──グッッッ!!!!!
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『光り物は、どうだろうか???』
『グルゴォオオオオオオ!!! グゴォオオオ!』
(オレは大賛成だぜ!!! 鉱石いいよな!)
『え? いや、オレが言っているのはネジとかビー玉とかであって……鉱石では無いのだが……?』
──ふむふむ。鴉天狗とゴーレムは光り物、と。
『メェー! メェェーーーーー!!!』
(もふもふ! もふもふのお布団!!!)
なるほど、なるほど。もふもふの布団……と。
『グジュルルル、グジュパァアアアアア』
(オレは純粋に、自分の器が欲しいな)
『それは却下だパラサイト。主達へのプレゼントだ』
『グジュル!』
(ちっ!)
だが、ふぅむ──? 中々に難しいな。
『ブヒヒーーーン! ブルルゥッッッ!?』
(我が背に乗れる権利はどうだ! 嬉しかろう!?)
『なるほど、スレイプニルの馬刺しか。神馬の肉とあらば喜ぶ者も居そうだな』
『ヒヒン?』
(えっ?)
出た案を見てみるが……
【プレゼントリスト】
お手伝い券
高いドッグフード
蛇の皮
アニメ&漫画
光り物
もふもふの布団
神馬の馬刺し
・・・現金、春画
イマイチ、ピンと来るモノが無い。
不味いな……コレ以上、帰りが遅くなれば主達に不審がられるかもしれん。
翌日にでも、再度、会議を開くか???
──だが、それではプレゼントが決まっても……ソレを用意する時間があるかどうか…………。
むぅ、クリスマスまであと数日。
主達が遅くなると言うから、会議を開いたが……まさかココまで苦戦するとは!
それもコレも……言い出しっぺの一匹と一女神が──
片や、ピギり暴走。
片や……『じゅるり──(°¬° )』
『ヒ、ヒィン???』
(あの、ティアマト様その目はいったい???)
──コレで、私にどうしろと……ッ!??
せめて、せめて言い出しっぺ一匹と女神ぃ! お前達はちゃんと会議しなきゃだろう!?
それをお前ッ!
大変に今更ながら……どうして、この私が、仕切っているのだ!!?
あーーー、なんかもう……どうでも良くなって来たから、帰っても良いか?
プレゼント云々は、明日以降の私達が解決するだろう。多分……。
『えーと……決まりそうに無いなら、今日はもうk』
『ピキーーーΣΣΣ( ゜д゜)ーーーン!!!!!』
──ッッッ!?!!? 女神よ、今の効果音のようなモノはいったい……というより……まさかッ!
『…………何か……思い、ついたのか?』
『コクコク(`・∀・´)bコクコク』
………………………………そ、そうか(;¬_¬)
『……ヒッ、ブルゥ……ブヒ、ヒーーーン』
(……ひっく、ぐす……お尻、齧られた)
『グゴォ? クゴゴォ、オオオオオッッッ!!!』
(ん? 大丈夫だって、まだあるぜ!!!)
『あらあら、赤くなってるわ。手当て、いる?』
『──ブヒヒィィーーーーーン!!!!!』
(──お願いします!!!!!)
スゥ〜〜〜………………ウン。
神馬の肉って、凄いんだな?
『それでは……えぇと──女神よ、貴女の意見をお聞かせ願えるだろうか?』
■■■〜〜〜南魔界/大魔城〜〜〜■■■
──僅かばかりの不快感の後、我は目を開ける。
『お帰りなさいませ、コルソン様』
『………………』
目の前には……恭しく、我に頭を垂れる使い魔。
ふむ、無事戻って来たか。つまらん。
城の中も何も変わりが無いな。まぁ、南魔界の王だからね我。仕方ないよね〜。
でもさ──?
そう簡単に攻め込めないのも理解るけどさ、もうちょっとこう──色々仕掛けて来ても良くない???
我ら、悪魔ぞ? 尻込みなんてするなよ。
『? コルソン様??? どうかなされ──』
『がぅ──』
『──へ???』
お前もコルソン、コルソン煩い。
我が名は、もはやコルソンでは無い。そう、我が新たなる名は──
『──ちがぁぁぁうッッッ!!! 我が名はコルソンでは無い、我が名は──タマだ! 二度と間違えるな!』
魔界歴1919967年──魔王コルソンが、魔王タマへと名を改名。
──咆哮で吹き飛ばされた、魔王の側近は語る。
『人間界に喚び出され、あの方は変わってしまった』
………………と。
ここまでお読み下さり、ありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ