クリスマス会議
新章開幕!
お楽しみいただければ幸いです!!!
■■■苦痢蘇魔釈数日前/会議室■■■
【side──プレイヤー】
「はい、それでは皆様……お手元に資料は行き届きましたでしょうか? それではコレより──」
一度、大きく息を吸い……一気に、
──第一回、苦痢蘇魔釈プレゼント会議の開催を此処に宣言したいと思いますッッッ!!!!!!!!
そう、声を乗せて吐き出した!
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◆◆◆──数時間前──◆◆◆
「……ねぇ、如月?」
「はい? 何ですか社長???」
珍しく真顔で名前を呼ばれたので、何かあったのかとオレも真面目に返事をした。
「もう直ぐ、クリスマスね?」
「? そうですね???」
僅かに、自身の顔が歪む。
苦痢蘇魔釈──それは、オレの中ではXdayとも呼ぶべき忌まわしき日だ。
苦痢蘇魔釈イベント、クレーム、緊急メンテ……
……うぅ、考えるだけで胃がキリキリしてくる。
「ティアマトちゃんって、何か欲しいモノとかあるのかしら? アンタ、何か知らない???」
「──は?」
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「すみません、今回の苦痢蘇魔釈イベの書類を──」
「──あ! 如月さん、良いトコに来たっす!」
あん? 誰がボーナスさんだ、誰が!? この影の薄い上野くんめが!
「実はモンスターへのクリスマスプレゼントをどうするか悩んでるんっすけど、何か良いモノ無いっすか?」
「──はぁ???」
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──prrrrr。prrrrr。
ん? 電話か???
仕事中に、いったい誰k──ッ!?
「──はい!? どうしたの、綾ちゃん???」
『あ、如月さん……実はその、少しご相談がありまして──今、お時間大丈夫ですか?』
え"、いま………………d(¬_¬)ちら。
【重要書類】<何見とんねん、ワレェ?
「すぅ〜〜〜──うん☆ ぜ〜んぜん大丈夫だよ、相談って何? 何でも言って♡」
書類? 何ソレ、そんなのあったっけ???
d(`・∀・´)ノシ===【重要書類】
『ありがとうございます! 実は今……モンスター達にあげるプレゼントを考えていまして──』
「──う、うん?」
『如月さんなら、モンスターの好物とか色々とご存知では無いかと思いましてご連絡を!』
………………………………そ、そっかぁ〜?
『何か、モンスター達が喜びそうなプレゼントってあったりしますか? 如月さん』
………………………………………………。
「あ──あぁ、その事について今日17:00から会議を開こうと思ってるんだけど、綾ちゃんも来る?」
◆◆◆〜〜〜回想終了〜〜〜◆◆◆
──どうして みんな オレに訊くの!?!!?
と、いう想いを胸に……オレは泣く泣く、会議用の資料を作り、会議室の使用許可をもぎ取ったのである。
オレを讃えろ! 労え! 褒めろバカ共!!!
「会議中はお静かに。質問等は、挙手にてお願い申し上げます。それと、モンスターの立ち入りは厳禁です」
マジックペンを握り締め、各々に告げる。
仮に、スパイ(モンスター)を同行させている裏切者が居るのならサッサと吐けよ?
今なら、屋上からの紐無しバンジーで勘弁してやる。
「──何コレ???」
居ない? ホントに大丈夫???
先生信じるからね? もし裏切ったら、地獄の果てまでも追いかけて償わせるからね?
「良い??? それじゃあ、始めるy──」
「──すみません! あの、何ですかコレ!?」
あ"ん?
手を上げ、そう問うは社長──千尋さんである。
だが、『何』とは何だ??? お前らがオレに問うて来た事だろうがよぉ、ぁあん?
「何って……ご覧の通り、モンスター達に渡すプレゼントを決める会議の場ですけど? 此処は」
「いや、それはまぁ見れば理解るけど……えぇ?」
はぁん? ──理解るのならわざわざ訊くんじゃねぇよ、浮かれポンチめがッ!!!
「こんなに、大袈裟にする? いや、真剣に考えてくれるのは嬉しいけど……ちょっと──」
やり過ぎ……じゃない???
と、ねぇ──(# ゜д゜)はぁ???
「──黙らっしゃい浮かれポンチ共が! 人がクレームやらメンテやらで胃を痛めてる時に、なぁにが苦痢蘇魔釈プレゼントだ!!? そんなに浮かれたいのならいっそのことお前らが※※※【カット!】」
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【大変荒ぶっております。暫く、お待ち下さい】
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「フゥーフゥゥーーーッ……まぁ、というワケで──如月さんもね、全てのモンスターの好物とかをね? 把握しているワケじゃないんすよ?」
ご理解いただけまして? 皆の衆???
アレコレ言われてもね? 困るのよ、如月さんも。
「だからこその会議です! さぁ、存分にプレゼントについて話し合え浮かれポンチ共が!!! ペェ!」
オレは、出た意見をホワイトボードに書くだけの機械になるからよ! オラ、あくしろよ!!!
なぁにが、苦痢蘇魔釈だ! カァ〜〜〜、ペッ!
「──ねぇ、社長? 今日の先輩、いつにも増して荒ぶってない??? どうしたの?」
「約束された地獄と、周囲の浮かれオーラに絶望して情緒不安定になってんのよ。可哀想に」
「あ"──(# ゜д゜)???」
オレを可哀想にしたのは、この会社だからな!? そこんとこ、忘れんなよ??? あ?
お前、アレだぞ???
何なら、今すぐにでもモンスターパニックを起こしてやっても良いんだからな!?
──ウチの過保護ナメんなよ!?? オレが泣けば、直ぐにでも来るんだからなぁ!
「えっ……それって私の所為、ですよね? お忙しいのに、本当にすみません如月さん」
「ぅぐ、ぐ──ぇ、エエんやで。幾らでも言いなさい」
うん……ぅん。如月さん、頑張る!
「でも、急に言われても困るっすよ。モンスターが何を欲しがっているのかなんて分かんないっす」
「何かしら、指針のようなモノが欲しいでござるな」
「うーん、難しいですわね……?」
………………おい?
「嘘でしょ? こんだけ人数が居て、意見が一つも出ないとか──マジで言うてます???」
大丈夫か、コイツら?
脳に酸素ちゃんと行ってる? 寝てたり、読書したりしてないよな???
「む、ならアンタはどうなのよ? 意見の一つでもあるって言うの???」
──はぁぁ?
「無論、ありますよ。大体、こういうのは自分が欲しいモノから考えるのが定石でしょうが?」
故に、カキカキ……っと!
──【現金】──
ホワイトボードに書いた文字を叩き、
「これしか有りますまい!!!」
声を大にして、告げる。
………………:(;゛゜'ω゜'):………………
ふっ、的確すぎて言葉も出ないか???
ドヤ顔を晒すオレの肩に、ポンッ。
何故か──千尋さんが、優しげに微笑みながら手を置く。そして──
「──如月。私の胸なら、いつでも貸すわよ?」
そう言って、きた。は…………???
「さもしい──ですぞ。境夜たん」
「金に目の眩んだ冷徹なマシーンだとばかり思ってたっすけど……親の愛が、無かったんすね?」
HA?????????????????
ちょい待て???
どうしてオレが、なんか可哀想な奴みたいな目を向けられないといけないんだ?
やめろ、そんな憐れんだ目で……オレを、オレを見るんじゃねぇえええええええぇぇッッッ!!!!!
「いや、ウチは家族仲は良い方d──」
「──大丈夫。理解ってる、ちゃんと皆んな……理解ってるから。強がらなくて良いのよ、如月……うぅ」
…………いや、絶対理解って無いでしょ!?
お前らも! 何故、顔を背ける!??
オイ、こっち向けコラァーーーーーーッ!!!!!
■■■〜〜〜???〜〜〜■■■
──Σ(°ω° )──
『いま、主が泣かされた?』
『──急にどうしたクソ虫??? まだ会議は始まったばかりだが、もう主不足の禁断症状が出たか?』
『( ・ω・)?』
『違う! ぁ……ティアマト、続けてくれ。全ては主へのサプライズの為……サプライズの為!!!』
すぅ〜〜〜、ふぅ〜〜〜〜〜ッッッ!!!!!
『?……(`・∀・´)b』
『──あぁ、問題ない。それでは、主達へのクリスマスプレゼントについて……会議を続けよう』
ここまでお読み下さり、ありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ