・・・その後(中編)
■■■〜〜〜病院/病室内〜〜〜■■■
「この度は──私の愚かな行動の所為で多大なご迷惑をお掛けしてしまい、申し訳ありませんでした!」
病室内に、お嬢様の声が響く。
「ぁ、いや……えっと…………?」
此処が個室で良かったな、佐藤。でなきゃ、あらぬ噂を立てられてもおかしくない状況だぜ?
──あと、困惑した顔でコッチをチラチラ見るのやめて。めっちゃ居た堪れないからッ!
「無論、治療費等は全て此方で請け負わせてもらう。この度は、我が孫娘が本当に申し訳ありませんでした」
「ぅえ!? そ、そんな訳には──ッ!??」
威厳たっぷりな真面目モード爺に頭を下げられ、佐藤はアタフタとしているが……(-᷅_-᷄ )?
……コレ、本当に怪我で入院してる? その割には、色々と、少なくない???
「そもそも、この入院は怪我では無く……仕事のし過ぎによるモノですので──そういうのは、不要です!」
………………は?
仕事の、し過ぎ──???
それはつまり──『過労』という事で?
「ッ──誠に申し訳ありませんでした!!!」
気が付くと共に、オレは……それはそれは、見事な土下座を決め込んでいた。
マジで申し訳ねぇわッッッ!!!!!
「ほぇ──境ちゃん、いきなりどうしたんじゃ?」
「え──如月???」
「あー……いや、此方こそすまなかった。我々は、君に色々と支えられていたのだと改めて実感したよ」
と、笑う佐藤。なるほど、貴方が神か。
「え? なんで佐藤が、如月に謝ってんのよ??? なに、お金でも借りたの?」
と、驚いた顔で千尋さんが問う。
「──借りて無い! というか、そんなだから嫌われるんだよ、社長は」
やや呆れながら、佐藤は言う。
「は? ぇ、マジでなに??? 喧嘩? もしかして喧嘩売られてるの、私? 買うわよ?????」
──何で疑問符だらけなのに、喧嘩は買おうとするんだろ。千尋さん。あと相手、入院患者だからな?
「はぁ、居るのを当然だと思うなって事さ」
「?????」
あー、コレはダメだな。
千尋さんってば、一ミリも理解出来て無いって顔してるわ。果報者め。
「ところで、如月くんは何時も──」
──Σ( ゜д゜)──いかんッ!
「──あ、こんな所にブドウが! 佐藤さん、ブドウ好きですよね、はい、あ〜ん☆」
「むぐぁッ!??!?」
は〜い、もぐもぐもぐもぐ……美味しいですか〜?
「──ちょッ!? 如月なにを!??」
「え? 父さん、ブドウ好きだったっけ???」
「違うよね!? 君はもうちょっとお父さんの心配をしてあげようよ!!?」
「先生ステイ! 落ち着け!!!」
「アンタ何してんのよ!? 口に入れるにしても、せめて皮は剥いてからにしなさい!!!」
「いや、百鬼のお嬢さんや……恐らく、気にするトコは其処じゃないと思うぞ?」
ベリベリッ──と、久遠達によって力尽くで引き剥がされる、オレ。
「──いや、すみません……今、佐藤さんの気持ちが流れ込んで来て──ついッ」
ブドウが食いたいって、思ったろ?
「げほぉッ──そ、そんな事思って無かったが!??」
えぇ!? マジで?
──そりゃあ申し訳無い、謝罪するわ。
ごめんね? 佐藤……うる(´;ω;` )うる
『(^д^ )』
『(^д^ )』
『???(°∇° )???』
──あと、お前らは何で口開けてオレの方を見てるの? なに、新しい遊びか何かか???
「はぁぁ、まぁ良いが……それで何時──」
「──え? 今度はポカ●が欲しいって??? はい理解りました、では一気にどーぞ!!!」
ほぉら、たんとお飲み〜???
「ガバボボボボボ──ッッッ!?!!?」
大容量ボトルだから、いっぱい飲んでも大丈夫だからねぇ〜〜〜?
「だぁから! 何をしていますの、如月ッ!??」
「父さん、そんなに喉が渇いてたの……?」
「だから違うよね!!? 何で君、自分のお父さんの事になると途端に冷たくなるの!?」
「先生ぇッッッ!!!!!!!!」
「ご老体、アレが未来の貴方達よ」
「──やめてくれんか!? ウチの金ちゃんは違う! 優しい娘なんじゃッ!!!」
再度、バリバリッ──と、佐藤さんから引っ剥がされる。
「ッは°ぁ"!? な、何をするんだ!!?」
余程苦しかったのか、半泣きで問うて来る佐藤。
「いや、すみません。猛烈にポカ●が飲みたいって思念をキャッチしたもので……マジ、サーセン」
如月さん、マジ反省っすわ! サーセン!!!
『──あ"ー! 何だか、喉が渇いて来たなー!』
『おかしいなー! 私もだーーー!!!』
『( ੭ꠥ⁾⁾ °д° )੭ꠥ⁾⁾』
………………??? まぁ、いま忙しいし……ホレ。これで何か買って来い。
『………………』
『………………』
『───O(≧∇≦)O────』
──何なんだ!? 金渡したのに、何でお前らッそんな不服そうな顔を……はぁッ!??
喜んでるの、ティアマトちゃんだけじゃねぇか!
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とりま、モンスター達を病室から出し……オレは正座させられ、場を仕切り直す。
「えっと、それじゃあ──どうしましょっか?」
と、その場を千尋さんが仕切る。
く、オレの側には久遠が既にスタンバってるから、コレ以上暴れるのは難しいか。
「…………はぁ。取り敢えず、謝罪の件は受け入れよう。無論、二度としないと誓うのなら──だがね?」
そう、佐藤さんが口火を切る。
「ッ──はい! 二度と、このような愚かな真似は致しません!!! 誓いますわ!」
真っ直ぐに、お嬢様は告げる。その言葉に納得した様に、佐藤さんは一つ頷……?
──おいコラ。何故、オレを見るんだ佐藤???
お前、やめろよ? 次に突っ込むモン、まだ決まってねぇんだから!!!
「ところで、ずっと気になっていたんだが……如月くん。君、どうしてそんなにボロボロなんだ???」
──あ、そっち???
「聞かないで下さい、怒姉様にやられたんです」
「は??? お姉様?」
「──はい、怒姉様です」
と、目線を怒姉様に向ける。
「は──? いやいやいや、如月くんッ!? それは幾ら何でも、歳の差的にもお姉様というよりo……」
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