制・裁!!!
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──やぁ、皆んな! 如月クンだよ!!!
唐突な質問で恐縮なんだけど、皆んなは『石積み』って知ってるカイ???
知らない? そっか──☆
正直、オレもコレが正式名称なのかは知らないんだけど……まぁ、簡単に言えば拷問の一種だネ!
方法は、ギザギザな凹凸のある分厚〜い石の板を下に置いて──その上に罪人を座らせます。
そして、凹凸の無い分厚〜〜〜い石の板を座らせた罪人の腿の上に置いていくっていう……
……コレ考えた奴、紛う事なきサディストだろ。
っていう、拷問だよ☆
あの悪魔が大歓喜しちゃうネ!!! マジで、これ考えたヤツ……あの悪魔引き取ってくれねぇかな?
ま、兎も角──皆んな、理解ったカナ???
──え? 何でいきなりそんな話をしたのか、だって??? やだなぁ、そんなの……
「あら? よそ見なんて余裕ね???」
「んぬぉ……ぉぉ……!」
……オレが、現在進行形で、やられてるからだよ!
た す け て ! ! ! ! ! ! ! !
まぁ、オレの場合──石積みじゃなくて、氷積みだけどな! ちべたいの……たちけて…………ッ!!!
下に、ギザギザの氷は無いけど──!
代わりに、地面と足を氷で、ズビィッ……くっつけられでてぇ、動がなくざれてるの"ぉ"ッッッ!!!
「ち、千尋さん! 何で、こんな非道な真似をするんですか!? オレが、オレが何をしたと!!?」
オレは泣き叫ぶ!
だって、これはもう『ごめんなさい√』からのエンディングでチャンチャン。って流れでしたやん!!!
なぜ、オレが、拷問を受けなきゃならんのですか!?
「何故と言うか……コイツは。ティアマトちゃん、そのアホの足の裏をツンツンしてあげなさい!」
『( ^∀^)ノシ』
ッッッ!?!!? や、やめ──ッ!?
ティアマトちゃんの白銀の触手が、靴の裏からビスビスとッオレの、足をふぐぅぅッッッ!?!!??
「ぉ"あ"……ッ…………ッッッ!!!!!」
「まぁね? 百歩譲って、あの時……お嬢様を逃した理由は理解らなくも無いわよ??? でも──」
嘘つけよオメェよぉ……ッ!
理解らなくも無いのなら、オレのこの腿の上に積み上げられた氷板の数は何なんだよ"ぉ"ッッッ!?
もう氷板の壁が邪魔で前が見えねぇんだよぉ!!!
「──何でその後に逃げるでも無く立ち向かって来るのよ、アホなのアンタ???」
「にゃにをぉッッッ!?!!?」
言うに事欠いてアホですと!? そもそも、ミジンコにアホ呼ばわりされただと、このオレが!??
『失礼な! 主はアホでは無い!!!』
と、今まで撮影に従事していた裏切者くんが漸く、口を開き言い返す!
──おぅ、言ったれキメラくん!!!
『主はただ……あの、アレだ…………そう! 負けず嫌いで愉快犯なだけだ!!! ね、主!』
「つまりアホって事ね、それ」
コッチを見てドヤるキメラくん。に、バッサリと千尋さんは言い切る。
『──違ぁーーーうッ! 主は開き直ったのだ、断じてアホでは無い!!!』
「あらそうなの? 綾ちゃーん、氷板追加で〜!」
「は〜〜〜い!!! すみません、如月さん。ちょっと失礼しますね!」
ズシッッッ──と、重みが……増ッ……ぅぐぉ…。
き、キメラぁぁ──??? あと、綾ちゃん……謝りながら氷板を追加するの、やめて?
「──で? 何で立ち向かって来たのよ???」
再度、千尋さんが問うて来る。
『だから言っているだろう! 開きな──ッ』
「──ッ──ッッ、ど、どうせ謝る事になるんだからそれなら、徹底的にやったろうっと思っ……て」
や り ま し た 。
こ、これ以上……キメラに何かを言わせるのは危険だ。それなら──!
と、オレは自身に引導を渡す!!!
オラ、潔よぉ正直に言うたったぞ──はよ解放せぇやゴラァ!(#°д°)੭ꠥ⁾⁾バンバン
「あらそう。綾ちゃん、氷板♡」
「はぁい! レヴィアタン、お願いします」
ズシッッッ──。
「おぐぅ……がぁ…………ッ!」
さす、流石に──きつッ!!!
言っておくが、オレ、激化薬キメた後だからな!? 正直、瀕死になり掛けの死に損ないだからなぁ!??
だから、もうちょっとこう……手心をッ!
「き、如月……」
「金ちゃんや、見ちゃいかん。アレはもう、ワシらには救えぬモノじゃよ」
・ ・ ・ あ" ? ? ?
おいコラ待て爺?
お前、はッ???
そういう事を言ッ、はぁぁ……ッ?????
ほぉ〜〜〜??? お前、良いぜ? そっちが、そう来るのなら……オレだって!!!
「ッ〜〜〜、だって! 千尋さんへのリベンジは、別の事で果たせば良いって、爺様が言ったんだもん!」
「──ほぇ?」
「リベンジ? どういう事かしら、ご老体???」
ふッ──やはり食いつくか!
今のオレは死に体だ、故に……この拷問から逃げる事はできぬ。だが──!!!
「あの祭典で、千尋さん達に負けて嘆いていたらッ、爺様が言ったんです。別の事で競っては? って!」
「いやそれは売上や、DL数でという意味で──」
「──だから! だからつい、魔が差してしまったんですよぉおおおおおおおおおおおッッッ!!!!!」
オレは、爺の声に被せるように大声で泣き叫ぶ!!!
羞恥心? ナニソレ知らん、美味しいの???
「ストレスフルの毎日に、漸く完成したゲームでの大敗……しかも、しかもですよ──!!?」
オレは、目をカッと開き怒鳴る!
「この爺様ときたら、まだお嬢様の教育が途中なのにお嬢様に責任者としての大役を押し付けたんですよ!」
有り得なく無いですか!? お嬢様、カワイソ!
──叫ぶ!!!
本当なら、友人としての誼……この秘密は墓まで持って行こうと思っていたが──もう知るか!
オレを怒らせた、お前が悪いんだからなぁ!!!
「なっ!? 貴様──ッ!」
「確か理由は、弁の立つ教育係の男を屁理屈とは言え言い負かすとかウチの孫娘凄い! でしたっけぇ?」
病院云々とも、言ってたなぁーーー!!!
「…………そうなの?」
「まぁ……そんな事もありましたわね。というか、今、とんでも無い事実をサラッと言われたのですけど?」
ふーん──と、千尋さんが心底軽蔑したような目を爺様に向ける。
おっ、もう一押しかな?
「ちなみにソイツ、責任やら甘やかしやら言って誤魔化してますけど……実際は此処から立て直して、お嬢様に良い格好をしたいだけの俗物っすよ」
「ち、違ッ!? わ、ワシは責任者として──!」
アタフタと目を泳がせ、言い訳を探す俗物。
あまりにも惨めなので、オレが引導をね、渡してやろうではないか!!!
お 前 も コ ッ チ に 来 い よ ?
「ヨチヨチ歩きで金魚の糞ばりについて回っていたお嬢様が手伝いがしたいと言い出したから、嬉しくて会社の一つくらい任せてみよ☆って、なったらしいです!」
──良かったですね、お嬢様。メチャクチャ愛されてますよ!!!
「お、お爺様ったら……もう!」
と、困った顔をしつつ──やや嬉しそうなお嬢様。
「へぇ…………(〈●〉_〈●〉 )」
&、瞳孔ガン開きな千尋さん。
オレには理解るぜ? アレは相当にブチ切れてる顔だってな!!! 今まで、何度も見て来た!
「──ご老体…………」
地よりも低く、そして静かな千尋さんの声に──爺はビクリッ! と、肩を跳ねさせる。
「な、ななな何かな? 百鬼のお嬢さんや???」
「一先ず、正座して下さる?」
キタ───O(≧∇≦)O────!!!
「シャオラぁ! 隣来いよ、お爺様♡」
「ッい、いや、ワシ……歳じゃから、関節が──」
あ〜〜〜ん? テメェ、そんな言い訳が……今の千尋さんに通るとでも思ってんのかぁ〜ん???
「──正座(〈●〉_〈●〉 )」
「………………………………は、はい」
いょ! 流石は暴君!!! 財閥の偉方だろうが、爺だろうが容赦が無ぇぜ!
「綾ちゃん、氷板……追加してくれる?」
「はぁーい! レヴィアタン!!!」
こうして、オレと爺は共に──千尋さんによる制裁を享受する事と相成ったのである。
(完)
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