時間稼ぎ 2/3
◆◆◆
「──ゴーレム、岩を投げて投げて投げまくれ!」
『Gaaaaa──!!!!!』
おん? 次のお相手はお前か、田中ぁ???
ゴーレムはスキルで大岩を出現させ、それを次々とブン投げて来る……が、
「あらあら田中ちゃん、何処を狙ってるの?」
貴方もおクソエイムですの? おほほほほ。
「鬼さん此方、ガバエイムでも泣くな♪」
「ぬぉおおおおおッッッ!? めっちゃ腹立つ!」
ほらほら〜、もっとちゃんと狙って〜?
「はい、またハズレ〜〜〜!」
ブーンブン、そんなんじゃ幾らやっても当たらないでござるよぉ〜〜〜デュフフ!
「──の、ゴキ●リ野郎めぇブンブンブンブン避けてんじゃねぇ!!!」
え? じゃあ攻撃しても、良いんスか???
妨害寄りじゃなくて……手を出して、ガチの攻撃をしても良いの? マジで???
…………後悔しない?????
まぁでも、お相手さんが言うのならね? ちゃんと応えないとさ──ね???
「ふッ、ならば……お前に本当の攻撃と言うのを見せてやろう! パラサイトくん、投槍!!!」
パラサイトくんを、投槍に変形させて──
よ〜く狙ってぇえええッ──今death!
ズ ド ォ ォ ォ ン ! ! ! ! ! !
派手な破砕音と共に、ゴーレムくんの右肩?岩?が消し飛ぶ。
ふ、Beautyfour……。
「な!? ゴーレム、大丈夫かッ!??」
『G、Guuuuu……』
「ふぁーーーはははッ、ゴーレムもその傷では最早何も出来まい! 帰って母ちゃんのππでも啜ってな!」
◆◆◆
「うわ──先輩マジで開き直ってんじゃん」
『元主らしいと言えば、らしいがな……』
『………………(カメラの容量、足りるか?)』
「龍鬽くん……どうします?」
「いやだから、オレに訊くなよ佐藤……」
「あのぉ、ボクは帰っても良いのだろうか? さすがに半裸放置は酷くないかい???」
◆◆◆
──ほぅ? まだ立つか。
ふ、その心意気は嫌いじゃないぜ?
で、あるならば……上空からの一方的な攻撃を喰らうがいいッ!
「ッ──この如月がぁ! 田中、もう一度岩をあの如月目掛けてブン投げて!!!」
「え……でもよ、どうせまた避けられると思うぜ?」
おう! この機動性能でバンバン避けるぜ!!! あと社長、今、オレのことディスらなかった?
それに、お忘れかな?
ティアマトちゃんは現在……麻痺とスキル封じを喰らっている。つまり──
──社長には、もはやロクなモンスターが残っていないと言う事だ。
それでどうするつもりかな? ん???
……悪魔を使おうにも、アイツはあの……アレだ、常人にはとてもじゃないが扱えまい!
「良いからやりなさい、私に考えがあるの!!!」
「──え? 社長、無理にインテリぶらなくても良いんですよ??? 人間には向き不向きが──」
脳筋が、いったい何をすると言うのか……?
「アンタは黙ってなさいよ、この如月がぁ!!!」
「──ッ、分かった! 信じるぜ社長!!! ゴーレム、キツイだろうが如月目掛けて岩をブン投げろ!」
『Gaaaaaaaaaa──!!!』
はッ、その程度の攻撃……目を瞑っていても躱わせるわ! あと、田中──お前も今、ナチュラルにオレの事ディスらなかった? ディスったよな???
「──今よ、ティアマトちゃん!」
『ε=ε=ε=ε=ε=ε=(ノ`Д´)ノ』
ッなに!?!!?
田中のゴーレムが投げた大岩の影から、まさかのティアマトちゃんがコンニチワだと!?
「パラサイト──盾ッ!」
ティアマトちゃんから繰り出される、超威力の蹴りをパラサイトを盾に変形させる事で防ぐ!
くッ!? 社長め、ティアマトちゃんの状態異常を回復薬で治してやがったな!? ならば──!
「ッ"〜〜〜ったぁ!!? パラサイト! ティアマトちゃんを捕えろ!!!」
『Σ( ゜д゜)!?』
瞬間──盾が解けるように形を変え、檻を形成するとそのままティアマトちゃんを閉じ込める!
「ふははは! コレでもう、ティアマトちゃんは動けまい!!! よしよし、可愛いね」
『ガチャガチャ((((##°д°)))))))ガチャガチャ!』
暴れても無駄だぞティアマトちゃ〜ん? 君はもうその檻の中で愛でられる事しか出来ない!!!
『…………檻、監禁プレイ──じゅるり』
「──Σ(-᷅_-᷄ )」
「うっっっわ、檻に監禁てお前……ないわ〜!」
喧しい! 勝てば良かろう、なのだ!!!
──脳筋の策としては中々に良かったが、だが所詮はこの程度!
「ついでに……ぬぅん!」
再度、投槍をゴーレム目掛けて投擲する!
『Guuuuu!?……uu…………u』
もはや体力など残っていなかったのだろう。投槍は一直線にゴーレムを貫いた。
「ゴーレムッッッ!!!?!??」
そして、そのままゴーレムは粒子となって消滅する。
すまんな、田中。だがこれで──ゴーレムは戦闘不能。ティアマトちゃんは檻の中。
「手駒が居なくなっちゃいましたね、社長?」
隠密部も全員戦闘不能。
久遠と綾ちゃんがまだ残っているが……二人とも迷っている様子で手を出して来ない。
──コレはもう、オレの勝ちだろ?
リベンジ成功で、エエやろ?
後は、爺様とお嬢様が来たら三人仲良く社長に陳謝しようぜ。
多分、それでもブチ切れて来ると思うけど。
オレも秘伝のジャンピング土下座を披露しよう。
いやぁ、カスい発想なのは理解してんだけど……怒りの矢印が三方向あるってだけでめっちゃ安心できるわ。
まぁ、吹けば飛ぶような安心だけど。
「ごにょごにょごにょ、ごにょごにょ……」
『なッ!? はぇ、そ、そんなの──えぇ!??』
流石に、分散されるだろ? 阿修羅の怒り、三人揃えば怖く無い!!! の、精神だ。
数発は覚悟しておくか。
オレの中のヤンチャ君が騒いだとは言え……少しばかりやり過ぎたというか、暴れたし──ん?
「? あの、社長??? 訊いてます?」
え? その悪魔と何話してんの、社長???
「ごにょ、ごにょごにょ…………フッ!」
ニチャリ、社長が嗤う。それも、かなりのゲス顔だ。何企んで──ッ!?
『──申し訳ありませんご主人様ッッッ!!!!!』
「ゑ?」
『ッ──!!?』
途端、パラサイトが盾を勝手に展k──ッ!?
ここまでお読み下さり、ありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ