……あ? (怒)
◆◆◆抑えろオレ、我慢しろオレ◆◆◆
「ほんっとぉ〜〜〜に、私ってば慈悲深いわよねぇえええ!!! ね? どう思う如月??」
──はぁ、また始まった。
試練を終え、蘇生を終え、オレを襲ったのと(多分)同じ触手に襲われてリタイアしていたDとEを吊し上げ、
「「「堪忍してぇえええええ!!!」」」
「「「儂らも被害者じゃ!!!」」」
と、吠える二人を無視し、社長がモンスターを3体使っていた事について2体目のモンスターのスキルなのでセーフだとゴリ押し、そして勾玉(卯/亥)を巻き上げた──ごほん。心良く譲ってもらった!
──其処まではいい。問題は……、
「アンタは私が落雷にぶち当たっても助けてくれなかったどころか爆笑してたのに……死にかけのアンタを私は助けてあげたのよ? まったく! 自分の優しさに反吐が出るわよホントに!!!」
……社長だ。
ちな、オレが死にかけたのは社長のモンスターが爆走を続けた所為だと思うのだが?
それに、自称、慈悲深い社長は寒さによって御臨終しそうなオレに対し終始爆笑されていましたがそれはノーカンなのでしょうか??
と──言いたい……言ってしまいたい!!!
だが……言わない!
何故なら言ったところで負け犬の遠吠えだから!! 社長が余計に調子に乗ってウザくなるだけだ。だから言わない!
それに助けられたのは紛う事なき事実!!
(死にかけたけど)
社長に借りが出来てしまったのも事実!!
(認めたくないけど)
──なのでみっともなく口を開く事も否定もしない!
「いやぁ、この借りをどう返してくれるのかしらね如月は! 今からすっっっごく楽しみだわぁ!!!」
黙れババa──おっと、お黙りやがれください社長。
我慢だ我慢。大人になるって事は我慢を覚え、自分を律する事だってどっかの偉い人も言ってた気がする!!
──大丈夫。オレなら出来るハズだ。己を律しろ、大人になれ、怒りを抑えろ社長がウザいのは今に始まった事じゃないだろ!!!
短気は損気、この怒りをバネにするんだオレ!!!!!
◆◆◆
↑と──思ってた時代がオレにもありました。
「おい鈴木さん話しが違うじゃねぇか!! 敵って──女しかいねぇじゃねぇかよ!!?」
「……あ? (おぅもっぺん言うてみろや青二才?)」
オレ達を見るなり、スマホで速攻誰か(たぶん鈴木)に連絡をし声を荒げる金髪の坊ちゃん。
そして──、
「「「久遠氏ダメぇえええええッッッ!!! その言葉は一番言っちゃダメな地雷ですぞ!!!!!」」」
と──青ざめた顔で転移して来た鈴木。
「うぉ!? 何でいきなり来てんだよ……って、一番言っちゃダメな地雷ってなにが──」
「いいから早く! 早く謝ってくだされ!!! まだ命があるうちに!!!!!」
「……(^ཀ^)」
『──ひぃッッッ!!!!!』
キメラくんや……君、何故そんなにブルブルと震えとるんじゃ?
「き、如月、おッ落ち着きなさい? 相手も悪気があって言ったんじゃないのよ?? わ、理解るわよね?」
千尋さんや……悪気が無いからって何でも許されるワケではないんじゃよ?
「出てきて下さいケルベロス……今のうちに穴を掘っておきましょう。何に使う穴かは訊かないで下さい」
『( ^ω^ )?』
……ノーコメントじゃよ。
爆発物もビックリの取扱いに、久遠と呼ばれていた金髪の坊ちゃんは訝しげな表情で此方を見てくる。
「──え? もしかして佐藤……か??」
途端に驚いた声をあげる坊ちゃん。
その声に、ケルベロスと一緒に穴を掘っていた綾ちゃんは顔を上げる。
「──へ? あれッ!? た、龍鬽くん!!?」
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