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何故こんなコトに…!




■■■




 ──ッな、なぜ! 何故なぜこんなコトに……!??




てゴラァぁああぁぁあぁぁぁッッッ!!!!!」


神妙しんみょうにおなわにつけぇーーーーーーいッ!!!』


炎壁かべ展開てんかい☆ 其方そちら通行つうこうめだ!』




 ひッ! め、まえほのおかべが!?? このままではんでしまいますわぁあああああッッッ!??!?




「──ひぃぃ!? フェンリル、なんとかしなさい!」


『──ッ』




 まえあらわれたほのおかべを、フェンリルはなんとかかわ──せてませんわ!? か、かみさきげッ!!?




 ──なんなんですの!? 何故なぜわたくしがこんなわなくてはならないんですの!!?


 何故なぜ如月きさらぎたちわたくしってくるんですの!??


 わたくしは、正真しょうしん正銘しょうめい──金盛かなもり 金芽かなめだとうのに! ハッ……そ、そうですわ!!?!?




「き、如月きさらぎ! ましなさい、わたくし金盛かなもり財閥ざいばつゲーム開発かいはつそう責任者せきにんしゃ 金盛かなもり 金芽かなめですわよ!?」




 仮面かめんを──はずす!


 さぁ、わたくしかおをよくごごらんなさい!!! これなら如月きさらぎめ……!




貴様キサマぁ──ッ、お嬢様じょうさまのご尊顔そんがんまでしやがったのか!? もうゆるさん、如月きさらぎさんはげきオコです!」




 ジャコン──と、巨大きょだい銃口じゅうこうわたくしッ!?


なにっていますの!?? わたくしほんも──ッ!」


 キュィイイン……と、銃口じゅうこうひかりあつまる!??




「はい嘘乙うそおつ──おまえみたいな私怨しえんまみれのとおがウチの気高けだかいお嬢様じょうさまなワケねぇだろが!!!」




 こ の にせ もの め ッ ! ! !




 カッッッ──と、視界しかいひかりかれる!


 瞬間しゅんかんわたくし身体からだが……一瞬いっしゅん浮遊ふゆうかんかんじ……


 いで──転倒てんとうしたよう衝撃しょうげきおそわれた。




「っ! フェンリル、いったいなにを──ッ!??」




 フェンリルを叱責しっせきしようと、ける。


 ……? どうして、わたくし地面じめんころがって……?




『──────ッ』




「フェンリル!? なぜッしっかりなさい!!?」


 ふぇ、フェンリルが……ひかりに、たッ──えて!?!!? あしあしたれ……ッ!


 あ、回復かいふくッ──回復かいふくをッ!!!




「さて……これでもう、げられませんね?」




 ジャリ……と、足音あしおとが…………ぐ、ちかくに……!


「ひぃッ!?」




 ──如月きさらぎが、笑顔えがおあるいて、る……!




 げなきゃ! げないとッ、こ、ころ──!!!


 フェンリルはモンスター……所詮しょせんはデータですわ! ここで回復かいふくしなくとも、戦闘せんとう不能ふのうになるだけ!!!


 身体からだこし、あしを、げなくちゃッ!??!?




『はぁ。瀕死ひんしのモンスターを見捨みすててげるか……気高けだかいお嬢様じょうさまとやらが、いてあきれるな?』


『──ショボいほこり……ふ、あるじとおりか』




 背後はいごから、こえが、こえる。




「ふぅ、やはり偽物にせものですか?」


 つめたいこえが、うてくる。


 ──偽物にせもの? わたくしは、偽物にせもの???




 ち、ちがいますわ! わたくしは、わたくしは──金盛かなもり 金芽かなめ




 金盛かなもり財閥ざいばつゲーム開発かいはつそうせきにんしゃ──金盛かなもり 金芽かなめですわ!!! 偽物にせものなどでは、だんじてありません!


 それなのに、なぜ如月きさらぎは……


 ──わたくし偽物にせものなどとぶんですの!??




 何度なんども、何度なんども、わたくし本物ほんもの金盛かなもり 金芽かなめだとっているのに! どうしてしんじてくれないんですの!?




 ──おまえみたいな私怨しえんまみれのとおがウチの気高けだかいお嬢様じょうさまなワケねぇだろが!


 先程さきほどの、如月きさらぎった言葉ことばおもす。


 チクリ……と、なにかが…………いたむ。




 私怨しえんまみれ? わたくしが???


 ちがう、ちがいますわ! わたくしのコレは、復讐ふくしゅう──正当せいとうさばきであり、とおとか闇討やみうちとかではだんじて──!




 ──完全かんぜんしみじゃん。




 ちがう、ちがう!!!


 きたな真似マネをしたくせに! ズルをしてったくせに、勝手かってことわないでッ!!!


 だって、そうでなくては──おかしいもの!




「ちが、う……ちがう、ちがちがちがう!!! わ、わたくし金盛かなもり 金芽かなめ! 正真しょうしん正銘しょうめい金盛かなもり 金芽かなめですわ!」




 ──さけぶ。


 はしたない、とか……そんなこと、もうどうでもいい。




かりに……かりに、貴女あなた本物ほんもののお嬢様じょうさまだと仮定かていするとして、何故なぜ、このような卑劣ひれつことをしたんですか?」




 如月きさらぎが、う。


『え? それを元主もとあるじっ──ぶべらッ!』


『──だま割引わりびき悪魔あくまいまあるじ最高さいこう格好かっこうをつけているところだ邪魔じゃまするんじゃない!』




 卑劣ひれつ? わたくしのしたことが???


 いえ、ちがう。そんなワケない!!!




卑劣ひれつじゃ、ない……卑劣ひれつなのは、百鬼なきりコーポレーションのほうですわ! わたくしのコレは復讐ふくしゅう!!!」




 そう、そうよ!


 卑劣ひれつなどであるはずい!!!


 だって、だって──わたくしは──ッ!




「だって、おかしいじゃない! わたくしは、優秀ゆうしゅうで……失敗しっぱいなんてしない! するワケがないもの!!!」




 ──わたくしが、優秀ゆうしゅうだからひがんで!


 ──わたくしが、優秀ゆうしゅうだからズルをして!


 ──わたくしが、優秀ゆうしゅうだから……だから、わたくしはじかせようと!




「だからアイツらがズルをしたにまってる! だから、だからわたくしはッ──!」


「──どれほど優秀ゆうしゅうものでも、失敗しっぱいくらいしますよ」




 ………………え?




 わたくしは、如月きさらぎる。


 如月きさらぎは、ただ々──ぐに、わたくしていた。




「──ッ! うそを──」


うそではありません。みな失敗しっぱい経験けいけんして……そのうえで、努力どりょくをして成功せいこうへとつなげていくんです」


 キッパリと、如月きさらぎげる。




「お嬢様じょうさまは、最初さいしょから自転車じてんしゃれましたか? 補助ほじょりんも、ささえてくれるひとく……たった一人ひとりで」




 そんなの──!


練習れんしゅうしてころびませんでした? それがくやしくはありませんでしたか? だから何度なんど練習れんしゅうしたんでしょ?」




 ──ッ〜〜〜!?!!?




「なぜ貴方あなたがそのことっているんですの!??」


「ん? そりゃあ、貴女あなた爺様じいたまからいやうほどかされましたのでね? 可愛かわいらしいじゃないですか」


 か、かわッ──!?




「まぁ、つまりは……お嬢様じょうさま、どれほどパーフェクトレディであろうとひと失敗しっぱいをするってことです」




 ………………失敗しっぱい、する。


 どれほど優秀ゆうしゅうでも──どれほど完璧かんぺきでも?




「おいバアル。今回こんかい百鬼なきりコーポレーションのゲーム、不正ふせいなんてかったんだろ?」




『──ふむ。あるじげんりるなら……せいどう々とたたかった。不正ふせいい……そうだ』


 ほのおあやつっていた、おとこう。




「だよなぁ! つーか、社長しゃちょうにそんなあたまねぇーし」




 如月きさらぎも、たのしそうにわらう。


 ──何故なぜ、そんなふうわらえるんですの?


 くやしくは、いんですの? あのおんな言葉ことばりるなら、作者さくしゃにとって自分じぶん作品さくひんは──!




「……どうして、そんなふうわらえるんですの?」




 おくが、ツンとする。


 気持きもちが、おさえられない……ワケが理解わからない、どうして──どうしてわらえるの???




けたん、ですのよ? 百鬼なきりに、あの会社かいしゃわたくしたちけたんですのよ? わたくしの──わたくしのせいで!」




 視界しかいが、にじむ……むねいたい、くるしい……。


 本当ほんとうは、本当ほんとう理解わかっていましたわ。


 自分じぶん何故なぜ責任者せきにんしゃにんかれたかも──なぜ、あの祭典さいてんで……百鬼なきりけたのかも!




 全部ぜんぶ全部ぜんぶ──理解わかっていましたわ!!!




 あの祭典さいてんで、百鬼なきりのゲームをときから!!!


 わたくしではてないって、理解わかってしまった!




 ひとりよがりなわたくしいじってしまったゲームと──おおくをわらわせて、よろこばせること出来できていた百鬼なきりのゲーム!




 どちらがつか、なんてそんなこと──最初さいしょからかりっていましたわ!


 そも、わたくし彼女かのじょから相手あいてにもされていなかった!


 でも、それをみとめれる勇気ゆうきなんて──わたくしには、かった。だから──




「──貴方あなたくやしくいんですの!? 作者さくしゃにとって、自分じぶん作品さくひん同然どうぜんなのでしょう!??」




 もっとおこればい!


 ──おまえ所為せいだって!!!


 見栄みえりたくて、貴方あなたつくったゲーム無茶むちゃ苦茶くちゃにしてしまったわたくしに!




本当ほんとう理解わかっていましたわ! わたくし気高けだかくもいしぐで優秀ゆうしゅうでもい! ただの──」




 ──凡庸ぼんようなだけの、世間せけんらずだって!!!


 わたくしさけぶ!


 なみだ視界しかいにじみ、せきったようにつぎ々と言葉ことば濁流だくりゅうのようにながるから、のどいたい。




「お爺様じいさまも、本当ほんとう意味いみわたくしをおみとめになったワケじゃない! ただわたくしまごだから、そうしただけ!」




 だってわたくしは──優秀ゆうしゅうなどではいのだから!


 どれほどばしても、其処そこには、あの背中せなかには……とどかない。そんなの、っていた!




ちからになりたくとも、わたくしちからなどでは──あの背中せなかささえることなど出来できないって、理解わかってた!」




 如月きさらぎことだって、そう!


 かれは、わたくしではく……お爺様じいさまもとへとやってた。


 うらやましかった──お爺様じいさまから信頼しんらいされているかれが。わたくしとはあきらかにちがう、そんなかれが。




なんでも出来できる、如月きさらぎ……わたくしには、貴方あなたがとてもまぶしかった。貴方あなたのようになりたかった!!!」




 でも、わたくし見栄みえりで。


 相手あいておしえをことすら出来できなくて。


 だから──




「──貴方あなたに、あのけをけられたとき……がらにもく、ってしまったんですの」




 本当ほんとうに、どうしようもい。


 対等たいとうてくれた……なんてかんちがいまでして。


 挙句あげく権力けんりょくかざして──ゲームをちゃちゃにして、財閥ざいばつけがした。




最低さいてい世間せけんらず……ですわよね」




 両手りょうてで、かおおおう。


 わたくしを──ないで。




貴方あなた後輩こうはいっていた『完全かんぜんしみ』という言葉ことば……まさに、そのとおりですわ」




 苦笑くしょうする。


 ハナからほこりなんてべる高尚こうしょうなモノではいけれど、それを一番いちばんにじっていたのも──わたくし




「──ごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい」




 たりをした。


 かれらは、せいどう々とたたかって──わたくしたちった、だけなのに。




「──ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」




 見栄みえった。


 その所為せいで、貴方あなた大切たいせつゲームをメチャクチャにしてしまった。




「ごめんなさいごめんなさいごめん──ッ」


「──はい、ストップ!」


 ポンッ──と、まるで目覚めざまし時計どけいめるような気軽きがるさで、あたまかるたたかれる。




「はぁ。とりま、オレのぶん謝罪しゃざいりましたんで、のこりはあと人達ひとたちっておいてください」




 ちょっと失礼しつれいしますよ──っと、退かされる。


「うっわ、ひどかおですね」


 そういつつ、如月きさらぎはハンカチでわたくし目元めもとぬぐってくれる。




あかくなってますし、鼻水はなみずまで……お嬢様じょうさまは、パーフェクトレディなんかじゃありませんね」




 そうですわ……わたくしはそんなすご人間にんげんなどではありません。


 わたくしは、みにくい……そんなにんげ──




「──でも、いまのお嬢様じょうさま一番いちばん素敵すてきだとおもいますよ。すくなくともオレは、ね?」




■■■〜〜〜一方いっぽう〜〜〜■■■




「オラ、はや如月きさらぎ居場所いばしょきなさい!!!」


『ぬ"ゃ"あ"あ"あ"あ"あ"ーーーーーッッッ♡♡♡』

だれおしえるかぁーーーーーッッッ♡♡♡)




 ギリギリギリギリ──ッ!!!




「ちょ、社長しゃちょうさん! 乱暴らんぼうはダメですよ!!!」


ねこぎゃくエビはやりぎだって!? あ、でもソイツよろこんでるのか??? で、でも──?」




はやく、いなさい! めるわよ!!?」




『──ッ!? わ、かった! う、おしえるから──も、もっとはげしくしてしい……にゃ♡』


「この変態へんたいがよぉーーーーーーーオラぁッッ!!!」




 ギリギリギリギリギリギリ──ッッッ!




『──あぁぁああああああああああああああああぁぁぁああああああああああぁぁぁぁぁッッッ♡♡♡♡♡』

 ここまでお読み下さり、ありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ

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