……んん?
■■■side K■■■
「──境ちゃんって……尾行とか、出来る?」
「頭でも打ったか耄碌ジジイ???」
下らねぇ事言う暇があるのなら、手を動かせ手を! お嬢様のせいで書類が溜まってるんだよ!!!
「まだ耄碌しとらんわ! そうじゃなくてな、最近、金ちゃんの様子がおかしいんじゃよ!!!」
「そら憧れの爺様に怒られたから、しょげてんだろ?」
何を今更……。
「いや、そうでは無くての……何と言うか、メチャクチャ機嫌が良いんじゃよ…………不気味なほど……」
──は? しょげてるんじゃなくて、逆に機嫌が良いだと??? それも爺バカが不気味がるほど?
「それに、最近は一人で外出する事も増えての……」
ほぅ? 一人で、外出する事が増えたと???
「──何処へ行くのか訊いても、教えてもくれんし何なら少しばかりコソコソとしておっての……」
「男でも出来たんじゃ──ッあぶ!?」
ヒュン──と空を切り、オレの真横の壁に……ボールペンが突き刺さる!
「すまん、手が滑ってしもうた……でな? 何やら嫌な予感もするんじゃ」
じゃから──
「──金ちゃんの尾行……お願い出来んかの?」
・
・
・
と、お願いと言う名の命令がオレに与えられたのが、今朝方の話である。
──そして、現在。
眼前で繰り広げられている光景に、唖然とする。
な、何故……お嬢様と、久保が戦って? いや、そもそもお嬢様のあのダサ──独創的な仮面is何???
しかも、え? 何で、大平さん倒れてんの???
見た限り……倒れた大平さんを、久保が守ってるのか? んじゃあ、お嬢様は???
何で、その久保と──戦ってんの?
尾行を開始して早々……一度は見失ったお嬢様を、モンスター総出で捜し出し──今に至るのだが……
コレなに? マジで訳わからん!!!
まぁ、尾行の件は……モンスターに乗って移動したんだろうが──それを差し引いてもだ!
コレはいったいどういう状況なんだ!!?
……いや、状況証拠から推測するに──
意を決して、とある人物へと連絡を取る。
正直、出てくれるかは賭けだったが……オレは、どうやらその賭けには勝てた──らしかった。
『──何よ? 裏切り者』
開口一番に告げられる、怨嗟のお声。
うん……めっちゃ怒ってるな! &、不機嫌だし!
──まぁ、裏切ったのは事実なので……その言葉は有難く頂戴しておこう、そうしよう。
「あははは……いや、遅くにすみません」
『なに? 下手に出て気持ち悪いわね、用件は?』
うっわぁ、めっちゃピリピリしとる!
「──いやあの、単刀直入に訊きますけど……そっち何か、問題とか起きてたりします???」
・
・
・
oh──率直に言えば、確黒ですね有難う御座いますマジかよこんちくしょうッッッ!!!!!
あのお嬢様、やりやがった!
『──で? 何でそんな事訊いたのよ???』
…………目の前で、その闇討ち?とやらが起こってるからですよ良い加減にしろ!!!
もうマジで勘弁してくれ、お嬢様!
一先ず、保護者に連絡を──
『──ッ! アンタ、まさか何か知ってて黙ってるんじゃないでしょうねぇ!!?』
ソンナマサカ〜〜〜……感が良いなぁ。
──あ、ジジイから連絡来た!
もう片方の手に持った、もう一つのスマホの画面に映し出された文字を見て──たまげる。
『特別ボーナス出すから回収よろm(_ _)m』
………………。
………………………………。
………………………………………………。
『ちょっと如月! アンタ何さっきから無視してくれてんのよ何か知ってるの──ねぇって!??!?』
『コレはちぃっとばかしキツめの灸を据えねばならんの。なる早で頼む、被害に遭った者への謝罪と──』
・ ・ ・ ぷ っ ち ん ! ! ! ! !
「──パラサイト、オレに『寄生』。ジャバウォック達は『鏡界』と『隔絶』を同時展開……」
千尋さん、悪い。
ちょ〜〜〜っとばかし急用が入ったので、お電話はここまでにさせてくれ。
──あと、ジジイ……テメェ、よくもまぁ好き放題に言ってくれやがってよ──???
いいぜ? 回収、してやるよ。
但し──
──その灸、オレもあのお嬢様に据えさせてもらうがなぁぁあああああああああッッッッッ!!!!!!!!
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