襲撃 3/4
■■■side 教皇■■■
『──くッ! バレてしまったのなら仕方ありませんわ、このまま押し切りますわよフェンリル!!!』
『grrrrr…!』
趣味の良い仮面を付けし女の子が、手に持ったスマホを操作し白銀の巨狼を召喚する!
え? えッ??? こ、これはどういう──いや、もしや……この展開は!!?
拙者の身体に電流奔る!
コレは、そう……待ちに待った、あのイベ──
「襲撃イベントキタ───O(≧∇≦)O────!」
『──ヒッ!? な、何ですの!!???』
むむッ! 襲撃者殿がビクリと、まるで怯えるように身体を震わせているでござる???
何故…………ハッ!?
ふ、拙者もまだまだでござるな。あの震えは、怯えによるモノでは無く……寧ろ──
「──武者震い、でござるな?」
『へ?』
クククッ、隠す必要などござらん!
「四天王最強の拙者と相対し、強者との遭遇に胸のドキドキが抑えられぬと見た!」
『あの、さっきから何を言ってますの!??』
ふ、あくまで知らぬと申すか……それも良し!
「百鬼コーポレーションが四天王『教皇』──喜んでお相手仕ろう、でござる!!!」
『いやだから! 私の話を──ッ!?』
「──行くでござるよ、女神様!」
決戦の火蓋が切って落とされた以上、最早……問答は不要にござる! さぁ、行くでござるよ!!!
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『──フェンリル! 「氷纏装」からの「氷装刃」!』
「なんの、拙者の女神様はその程度では倒れんでござる! くらえ、素の防御力とダメカの力!!!」
氷を纏いし巨狼が凸して来るが……プププッ──カスダメ乙でごじゃるぅ〜〜〜!
『何で効かないんですの! それなら、プレイヤーに「氷結棘」ですわ!!!』
──だにぃ!? 拙者にですと!!?
「女神様、盾で防いで下され! そして、そのまま『神槍』を即時発動でござる!!!」
デュフフフッ、コレにより──女神様は攻撃形態へと移行するのでござるよ!
女神様の周囲に浮遊する黄金の『盾』が、巨狼から放たれる攻撃を全て弾き、
──その形状を黄金の『槍』へと変化させる。
「グフフフフフフ、形態変化は男の憧れでござる!」
さぁ、プレイヤーに攻撃を仕掛けるような子にはお仕置きでござる! 今度は此方の番でござるよ!!!
「女神様! かの巨狼に尊き神の慈悲を──神槍解放、『極光神罰裁槍』!!!」
黄金に輝く一対の槍に、光が集まる。
そして──光を取り込む度に、その大きさと輝きを増す神槍の何と美しき事か。
『ッ!? な、何ですのソレは……そんなの、知りませんわ──フェンリル! 躱しなさい!!!』
「──無駄でござるよ」
襲撃者殿には悪いでござるが、この技は不可避。つまりは、必ず相手に命中するのでござる!
うぅ……思えば、社長達が攻めて来たあの時に──この技があれば、あんな無様は晒さなかったモノを。
悔やんでも、悔やみきれんでござるぅ!!!
──いっそ、謀反でも企てるでござるかな……?
と、考えている間に……神槍は臨界を迎える!
「フッ……楽しかったでござるよ、襲撃者殿! では、これにてゲームセットでござる。女神様!!!」
臨界を迎え、夜闇すらも昼の様に照らす一対の極光、一対の神槍が──かの巨狼に放たれる!
『──ッ! こうなったら──ッッッ!!!』
『gr……!』
佐藤氏──其方の仇、取ったでござるよ。
黄金が弾け、視界を灼く極光と熱の中……儚く散ったであろう佐藤氏へ、黙祷を捧げる。
佐藤氏、どうか安らかに……。
綾たんは拙者に任せて、楽園にて、どうかゆっっっくりとお休み下され!
ゴゥッッッ──と、遅れてきた衝撃波に……正直…………テンションがぶち上がったでござる。
それが、良く無かった。
『私のモンスターは一匹だけではありません事よ──ヨルムンガンド、「猛毒ブレス」!』
完全にヘヴン状態だった拙者の耳に、襲撃者殿の甲高い声が刺さる!
そして、その声に目を開けると……目の前に、ソレは居たのでござる──!
「ッ──バジリ●クきちゃあーーーッ!!!!!」
その言葉を最後に、拙者の顔面に放たれる毒々しい紫のブレス。
そして──痺れ……力の抜ける身体。
最後に聴こえたのは──
『──な、何だったんですのこの男は……? まぁ、ですけど私の前では無力! では、ご機嫌よう!!!』
と、いう……声でござった。_:(´ཀ`」 ∠):ガクッ
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