修学旅行 〜怪異譚〜 13
■■■( ゜д゜)ナン…ダ……ト?■■■
『──ほれ、着いたぞ皆の者!』
「アンタは歩いて無いけどね……?」
社長に抱かれた幼虫──キャ●ピーが、声高く宣言したのを聞いて、社長は呆れた様に呟いた。
『ふぇ〜、いつ見ても凄いにゃぁ〜〜〜』
『ふぅ、ふぅッ……と、到着しましたアリス様!』
と、チャシャ改めニャー●と──人間馬車。
「うむ、ご苦労。ところでニャー●よ、お前この城を知っていたのか?」
馬車の引く荷車から降り、そう問うと、
『あ──言っとくけど、この世界に住んでたら誰だって知ってるからにゃ!? ソイツも知ってるにゃ!』
『なッ!? 貴様ぁッッッッッ!!?!??』
と、人間馬車を売るニャー●。
「──ほぉう…………?」
いいね! いいよ、そういう裏切りオレ大好き!
それはそれとして……黙ってた罰はちゃんと受けような? なぁ、人間馬車クン♡
「──はぁ……如月、アンタいい加減現実を受け入れなさいよ。目を逸らしても現実は変わらないわ」
ウンザリした顔で、酷な事を告げる社長。
………………いや、あのね???
「いや聞いて? オレも色々観てきたので、こういうのに耐性が出来てきたとは思ってたんスよ……?」
でもね?
甘かったわ……この目の前の城は、鈴木に近いモノを──いや、超えたモノを感じる。
「でも、甘かったっすわ……まさか、自ら発光するタイプの城とは──それも、カラフルに……!」
目が潰れんばかりの眩さで発光する城(カラフル)を、直視なんてお前……失明するわ!
「分かる。分かるわ、如月」
「この城の持ち主、多分鈴木とマブになれるタイプっすよ。オレ達とは相容れない存在です」
『──そんな事はありませんよ』
ッ!?
『おぉ、白の女王様! お久しぶりでございます』
白の、女王……アレが?
『はい、お久しぶりですね。そして、救世主達をこの城まで案内して下さり本当にありがとうございます』
──は? 救世主達???
『では、どうぞ此方へ。救世主達よ』
あ。ちょっと待って……?
今、めっちゃ嫌な気配を察知したぞ???
コレは──アレだな?
ボランティア改め……タダ働きの臭いだ!!!
■■■
『──ぐ、ぅ…………ッ!』
お、目が覚めたみたいだね?
『ッ!?』
『はいグッドモーニング、では答えろ。主と、あと社長は何処だ? さぁ、早く言え●すぞ』
センパニウム──別名、アルジニウムの欠乏により凶暴化した虫くんが詰め寄る。
『ぅ、むぅ…………むごッ!』
『問題ない。頭の中で答えろ──それとも、もう一発毒を追加してやろうかア"ァ"!?』
うん──これ、紛う事なくコッチが悪役だね。
『先程、貴様に打ち込んだ催眠以外にも麻痺や嘔吐なども用意している。さぁ選べ』
『むごぉッッッ、むぐっむぅ!!!』
ジタバタともがく鎧の男。
…………取り敢えず、何言ってんのか理解んないから口に噛ませた布だけは取っておくね?
やめて? そんな血走った目を向けないで虫くん。
『くッ──誰が答えるものか! この邪悪なる赤き女王の手駒共め!!!』
また……赤き女王って…………。
「あの、僕達は赤き女王の手駒なんかじゃ──」
『──ほぅ、人が親切にしていれば……ならばもう加減はするまい、歯ぁ食いしばれ!』
「え、ちょっと虫くんッ!?!!?」
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・
『問う──此処で男と女を見なかったか?』
『はひ、貴方様はは以外見へほりまへんへす』
(はい、貴方様がた以外見ておりませんです)
『──チッ! 無駄骨だったか……』
悔しげに虫くんは言うが……待って?
「あの、虫くん──?」
『ん、なんだ?』
いや、あの……なんだ? じゃなくてね???
「その人、さっきから焦点が合ってないし何か呂律もおかしいんだけど……いったい何打ったの?」
『………………隠してる秘密をバラす毒』
あ、自白剤だねソレ。
「えっとじゃあ……この人の、この状態はその毒の効果なのかな? 効果時間とかは???」
『………………………………』
「虫くん? なんで目を逸らすのかなぁ???」
──まさか。
『ち、違うぞ?』
「何が違うのかな??? 声、裏返ってるけど?」
『あの……アレだ、今後一生人に隠し事をしなくなるだけだからセーフだ。主には内密に……』
………………。
「なるほどね──アウトッッッ!!!!!」
『何故だ!? 今後一生正直者になるだけなのに!』
──だからソレがアウトなんだよッ!!!!???
・
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・
「おい、邪悪なる赤き女王ってのは何だ?」
『はひ、ほへは我はは主はふ白ひ女王様ほ敵対ひへへふ存在へほほ世界ほ支配ひへひふ者へふ』
(はい、それは我らが主たる白き女王様と敵対している存在でこの世界を支配している者です)
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