修学旅行 〜混浴〜 4
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「──ぁあああああんた! こ、こちこここここここここっちは男用で! 女用はあちちっち!!!」
うん……一先ず、落ち着こっか? 久遠。
言いたい事は数あれど、顔を真っ赤にし……哀れな程プルプルした指で女性用の脱衣場を指差す、舎弟。
あのね? 先ず、オレは男ぞ? (^ཀ^ )
それにな、急いで巻いたんだろうけど腰のタオルから──業物がちょっぴりコンニチハしちゃってるぞ?
…………自慢か? オレの業物も此処で披露する?
いや……そもそもだ…………?
何故、お前が、此処に居る?????
──社長か? 社長がまた何かやったんか???
いや、もしそうだとして……久遠だけが此処に来たとは考え難い。
十中八九、社長も共に来たのだろう?
「──ぉ、おい!? だからアンタは、早くアッチの脱衣場に行ッ……!」
──だとすると…………ッ!!! Σ( ^ω^ )
「きゃあ!? ぁ、私ったら間違えて──あの、ごめんなさい! 直ぐに出て行きますから(裏声)」
こうしちゃいられねぇッッッ!!!??
「うわぁ〜! とっても広いですね、社長さん!」
「ふふ、そうね? あら何かしら、揉め事???」
──ΣΣΣ( Д)≡≡≡≡≡°≡°
◆◆◆
……ァ、ァア、アアアァァッッッ!!!!!
あ り が と う ご ざ い ま す !
回れ、右!!!
(`_´)ゞ 欲情へ──いえ、浴場へ戻りますッ!
は……着替え? んなの二の次じゃい!!!
───(心の声)───
「待てせめて男モノの水着に着替えてから行け! サウナに長時間居たんだろ!? 水分補給をしろ!」
と、黒い翼のオレが言う。
「黙れヘタレが! あの女神をじっくりゆっくり網膜に焼き付けるのです!!! 着替えている間に一世一代のシャッターチャンスが来たらどうするのですか!? 後悔したく無ければどうすれば良いのか理解りますね!?? それに貴方はもう生き恥をこれでもかと晒している! ので、今更生き恥の一つや二つ増えても問題無いでしょう!!?」
と、エラく息の荒い──おい待て。白いの、今テメェ何つった?
─────(終了)─────
おいコラ!? 白いのぉおおおッ!!!
クソが…………ま、ままええわ……それに、オレの答えはもう決まっているのでね!
「──Yes My Angel!」
これがオレの答えだッッッ!!!!!
男が! 女モノの! 水着を着て何が悪い!!?
しかも向こうの手違いだ!!!!!!!!
オレは渡された水着を着ただけ! なのだ!!!
つまり、オレは何も悪くねぇッッッ!
と、心と頭の中で黒い翼のオレを捩じ伏せ──先程ぬっ壊したサウナの扉へ行き……
「そぉれ☆」
──メギョッッッッッ!
勢い良く、扉をサウナ室へと嵌め直す!
何か変な音が鳴った気もするし、若干、扉が『く』の字に歪んでいる気もするけど……些事だ些事。
後は──
「──ん、ンンッ! やったぁ〜〜〜、何か良く理解らないけど、扉が直りました〜ッッッ♡ (裏声)」
「「「「──え????」」」」
じゃ、オレは今からじっっっくり……ゆっっっくり混浴を堪能するので、邪魔しないで下s──
「──あのぉ……如月 境夜様。先程は、その……水着の、ふふッて、手違いがあったみたいでぇ──」
と、下を向き──プルプルと小刻みに震えながら受付のお姉さんが、水着入りの袋を持って入ってくる。
「「「「「「「──ゑ?????」」」」」」」
と、一斉に向けられる無数の視線。
すぅぅッ──なぁ? 運命の神よ???
オレ、アンタに、何かしたか?
・
・
・
「──げ、元気出せよ如月! その、お前の水着姿すげぇ可愛かったからさ!!! なぁ、お前ら!?」
「尚、女性用の水着である」
「尚、本人もノリノリだった模様」
「尚、オレは初恋を奪ったお前を絶対に許さない!」
「煩い。黙れ。オレはもう部屋から出ない。一生此処で生活してやる毛布さんに優しく包まれて生きてく」
毛布さん、愛してる。
あの後、部屋に閉じ籠ったオレを……毛布さんだけが優しく包み込んでくれたんだ!
オレにはもう、毛布さんしか居ない!!!
「──ねぇちょっと何やってんの!? お風呂の時間に遅刻しちゃうよ!」
と、久保が部屋のドアを開け……言い放つ。
「先輩? 寝てるの???」
そう、毛布さんをオレから引っ剥がそうとするお前は悪魔か??? やめろ! やめろって!!!
「──やめてくれ久保ッ! オレは、オレはお前に先輩なんて言われ慕われる様な人間じゃないんだ!」
自身の欲望に負け痴態を晒した、そんなどうしようも無い哀れで愚かな男なんだよッッッ!!!!!
綾ちゃんの水着だってあまり見られなかったし!
ので、オレは叫ぶ!
頼むから放っておいてくれと!!!
「は? ちょっと、何があったのさ田中?」
「それがさ……実は──」
「──やめろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!」
この日、とあるホテルの一室にて……耳を劈く様な絶叫が轟いた事は、もはや言うまでも無い。
◆◆◆〜〜〜一方、そのころ〜〜〜◆◆◆
「──あははははッッッむ、無理! お腹が、お腹がいッあははははははははッ!!!!! げほッ!」
「アレが……先生だったって、マジかよ…………」
「………………っ、てな、い」
「「──へ??」」
「写真が、撮れて無い!!! 如月さんの、女装水着なんてレアショットだったのに! 私のバカッ!」
そして、同ホテルの混浴にて……心底悔しげに呻く謎の声を聴いた者が居た事も──此処に記しておく。
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