修学旅行 〜遭難しました(以下略)〜 2
■■■前回のあらすじ■■■
遭難した。
此処、圏外。
後は理解るな……?
せーの──\(^q^)/
◆◆◆(#°皿°)ノシ===□ ◆◆◆
──拝啓 お父さん、お母さん、キメラ、綾ちゃん、久遠………………あと以下略共。
どうしよ、帰れなくなっちゃった。
異世界でも使えるはずの超万能ツールであられる天下のスマホ様が……雪山に、負けた…………だと?
そんなの、そんなの信じられるワケ無いじゃない!
だから画面を何度も観るが……それでも、結果は変わらず『圏外』って書いてある。
ふッ──やはり自然は偉大だと言う事か、お願いします助けて下さい。
もうこの際、社長でも良いから!!!
H e l p ! ! ! ! !
誰でも良い! もし助けに来てくれるなら、もう荒金を稼いだりしないから!!! 配布だって──
◆◆◆
「──うん? あ、誰か来たよ!!!」
ごめん、やっぱさっきのナシで良い?
見られる前に燃やして証拠隠滅しよ。
──ふぅ☆ 早まって馬鹿な事を書く前で良かった♡
「で? この遭難した愚かなカス共をわざわざ助けに来て下さった慈悲深き御方は何処におられる、久保?」
「メチャクチャ言うじゃん……ほら、彼処」
と、久保が指差す方へと目を向ける。
──む! あの御方か!?
おお、何と神々しい……純白な世界の中、此方へと真っ直ぐに歩いて来られる!
その姿は、後光を纏っておいでなのか美しい!!!
「………………ん? あれって──」
ハッ!? こうしては居られない!
「皆の者! もてなしじゃ! かの慈悲深き御方をもてなす準備をするのじゃぁああああああッッッ!」
はよしろ! レッドカーペット、レッドカーペットは無いのか!? くそ、なら仕方無い田中を敷くか。
「──ちょっ!? 何すんだよ如月!!?」
「黙れ、お前は今からカーペットになるんだ」
「はぁ!??」
「あの…………先輩?」
カーペットの次は──
「──三馬鹿ぁ! 貴様らは今日から椅子だ。理解ったね、理解ったら返事をするんだ椅子!!!」
「嫌だよ!?」
「あと椅子は返事なんてできねぇよ!」
「いきなりどうしたお前!??」
──チッ!
「言う事聞いたらこの柿ピー様をやろう!」
「………………いや、だから先輩?」
「やぁ! ボクは今日から椅子だよ、宜しくね☆」
「違うよ、ボクが椅子さ!」
「黙れ偽物共! オレこそが真なる椅子だ!!!」
「──ずりぃ! オレも柿ピーほしい!!!」
「お前はカーペットだ! ほら、柿ピーやるから!」
──よし! 何とかコレでお出迎え……
「ねぇってば!? 盛り上がってるトコ悪いけど、先輩! アレ、良く見て!!!」
「ゑ?」
そう言って、かの御方を指差す久保。
先程よりも距離が近くなったからか、かの御方のスキーウェアがよく見える。
……何て言うか、派手…………だな?
性別は、女性……か? 背丈は丁度、社長くr──
………………………………ゑ????????
「気付いた、先輩?」
「ぇ……いや、え??? 嘘、だろ?」
震える声を、喉から絞り出す。
いやいやいやいや──ッ!?
此処、北海道!
社長、居ない!!! 奴が此処に居る筈……
ふと、此方へ歩いて来る……スキーウェアの女性が顔を上げ、口を開く!
「──す"み"ま"せ"ん"!!! そ"う"な"ん"し"ち"ゃ"っ"て"、た"す"け"て"く"た"さ"い"!!!!!」
最早、何と言ってるのか不明な程の鼻声だが……あのダ──は、派手な格好。
背丈、髪色、その他諸々……あと、それに──
ゴーグル越しだが、その顔は大変に見覚えがある。
「久保。お前、ダイナマイト持ってない?」
「持ってないけど、一応訊いておくね? もし持ってたら、何に使う予定だったのかな……先輩?」
え? そんなの──
「──決まってるだろ。この洞穴の入口を爆破する」
ちょっともうさぁ〜〜〜〜〜ッッッ!!!!!
何で、社長が、居るの!?!!?
なに!? オレは北海道に来て尚、社長のお守りしなきゃなんないの!?? 勘弁してくれ!!!!!
ここまでお読み下さり、ありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ