焼肉事変 6
「──クァ〜〜〜、ペッ!!!!! で? これで、満足出来ました、か??? チッ!」
お冷を一気に呷り、盛大に舌打つ!
あーーー、気ぃ悪ッ! 世界滅ばねぇかな???
いや、寧ろ……オレが滅ぼすか?
……やばい、名案かもしれん。
そうすれば、オレの気も晴れる(かもしれん)し、この腐り切った世界も浄化出来る!!!
よし、アリだな! モンスターを出す準備すっか。
──臣下に裏切られ、人権を侵害され、挙句……黒歴史を暴露したオレの怒り、とく味わうが良い!
「……先輩、すんごい顔してるよ。いま」
「あーはっはっはぁ!!! アンタせっかくの美形が台無しねwww ま、元から性格でアウトだったけど!」
「レアショットいただきます!!!!!」
は ぁ ん ? ? ? ? ?
そりゃテメェ荒みもするだろうがよ! ケッ!!!
「忠臣だと思ってた虫には謀反され、何か良く理解らん組織には人権侵害! 挙句、自分の黒歴史を暴露!」
しかも自分でなぁぁッッッ!!!!!
「これで荒まない聖人が居るなら是非教えてくれ! ソイツを闇の道に引き摺り込んでやるよ、糞が!!!」
──そして我が組織の新メンバーにしてやろう! 裏切り、闇堕ち、どんと来い☆
新組織立ち上げて、目指せ世界の破滅!
只今、絶賛メンバー募集中! 待ってるぜ!!!
よし、誘い文句はコレでいこう! 完璧だな。
『フッ、善人でさえも闇に誘惑するそのスタイル……嫌いじゃない! で、いつ元の鞘に戻る???』
「──うるせぇ! その鞘はこの間ポッキリ折れたので修復不可能です、とっとと久保のスマホへ帰れ!!!」
『そーだそーだ! 主には私だけで良い!!! 貴様はとっとと尻尾巻いて去れ割引悪魔ぁーーーーーッ!』
「お・ま・え・が・言・う・な! 貴様も一緒にスマホに帰れこの謀反虫めがッッッ!!!!!」
貴様らなど、我が新組織には不要だ!
よって──さっさと去ね!!!
裏切虫の両頬を指で摘み、思いっきり左右に引き伸ばしてやる! このプニプニめがッ!!!!!
「──あ、先生! オレ、これ頼んでも……やべ!」
お? 何が、「やべ!」なんだい久遠くん☆
オレと目が合った瞬間、明らかに面倒事に巻き込まれるみたいな顔されると……先生、ショックだなぁ〜♡
「目と目が合う〜瞬間〜〜〜次のターゲットは貴様だ久遠!!! さぁ、暴け裏切虫!」
ふ、今まで肉に夢中で何も気付かなかったか???
此処はもう、安心して食事が取れる場所などでは無いのだよ! そんなのオレが許さん!!!
オレだけが暴かれ、暴露し、黒歴史を晒す。そんなの理不尽じゃないか! だから──
──お前らも晒せ♡
包み隠さず全てを、な! そうすれば、我が怒りも多少は収まろう!!!
先ずは、手始めにこの座敷からだ。
──抵抗?
したければ、するが良い!
ただし、オレも本気で行く故……無駄と知りながらも尚、我に挑みたい者だけ掛かって来い!!!
コテンパンにしたるわッッッ!!!!!
『………………むぅ。や、です!』
「──は?」
おい? どういう事だ、裏切虫???
『──だって、暴いた所で得が無いじゃないですか! ご褒美が無いのに働きたくありません!!!』
ぷいッ、と……裏切虫は顔を逸らす。
………………………………。
「あらあらあら!? 遂に虫ちゃんが反抗期に!!? 店員さん、お赤飯おねが〜〜〜いッ!」
『──あいよ! 赤飯お待ち!!!』
「うお、はぇッ!? あ、すんませんこの特上焼肉セットって言うのも追加でお願いします!」
「あ、このミレニアムパフェも一つ追加で」
『応ッ! 直ぐ持って来てやんよ!!!』
「──君ら、自由過ぎない??? 先輩、大じょ……」
……ぇ…………ぇゔッ、うぅ〜〜〜〜〜ッッッ!
「せ、先輩!?!!? ちょ、どうしたの!? 何でそんな泣きそう──てか、泣いてんの!!?」
「「「──ふぇ???」」」
………………だって…………だっ、でぇ……ッ!
「キメラが、キメラが嫌って──嫌だって……オレに、反抗してき、キメラがッ……不良にッッッ!」
キメラが、キメラがぁ──ッ!
「──キメラが不良になっだぁああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!」
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