だから……純粋にお前が嫌いなんだよ!
所用のため、次回の投稿はお休みします。
次の投稿は、8/16です。m(_ _)m
■■■前回のあらすじ■■■
──一件落着かと思ったら、バアルが居た。
■■■
「これはこれは、バアルくんでは無いですか。何処から湧いた? 空気読もうぜ???」
あのさぁーーーッ!!! マジで言ってるコレ?
オレ、一応……重傷よ???
救急車の到着待ってる身なんスけど!!???
──えぇ〜〜〜? 嘘でしょ、此処からの連戦はいかんせん辛すぎる。無理むり、4んじゃうって!!!
辛い辛い辛い辛い辛いッッッ!!!!!
『残念ながら、ソレは出来かねるなぁ? おっと、他の者も動かないでもらおうか???』
チャキ──と、バアルは鋭く伸ばした爪先を……オレの首へと押し当てる。
ッ……くそ、ぬかった。
しかもコイツ、今まで隠れて体力を回復してやがったな? 小癪な奴め……。
不意打ちも──出来そうにないな。
警戒してやがるし、そもそも、同じ手が通用する相手じゃない。
マジでどうしよ?
楽になったとは言え、まだ身体はボロボロなんですけど??? コレ、オレにどうしろと?????
「バアル! 先輩は今もう戦える状態じゃない、だから大人しくスマホに戻ッ──」
──鶴の一声ならぬ、久保の一声が……バアルに静止を呼び掛けるが……途端、
ゴゥッッッッッ!!!!!!!!
と、まるで地から噴き出すマグマの様に……炎の壁が、オレとバアルを取り囲む様に展開される!
「──っ!!?」
『悪いが、邪魔をしないでくれ。主にも理由があった様に、私にも負けられない理由があるのだよ……』
バアルは、呟く。
??? 理由? コイツに?????
「熱いんだが……?」
『だろうな。傷に障るだろうが、チャンスを手放すワケにもいかん……さぁ、敗北を認めてもらおうか?』
──?????
「何故そうまでして、オレに敗北を認めさせようとする?」
『………………元主が、敗北を認めるのなら教える。と、言ったはずだが?』
ふむ………………負けを認めれば……か。
ぶっちゃけ、理由は気になる。
それに、負けを認めるのは簡単だ。
だが──
「──そうか。なら、さっさとオレにトドメを刺すと良い。オレは意地でも、お前に敗北を宣言しない」
今回の勝利を……簡単に手放したくは、無い。
当然だろう?
アレほど苦労して、文字通り──全身全霊でもぎ取った勝利を……手放せると思うか?
──いいや、無理だねッッッ!!!!!
「この勝利を手放すくらいなら、死んだ方がマシだ」
そう、笑いながら……吐き捨てる!
『ッゥ〜〜〜〜〜!!? は、何故……だ? 何故、何故──そうまでして、認めないのか──私を』
──認めない? お前を?
カクンと、糸が切れた人形の様に……バアルは力無く、その場に崩れ落ちる。
そして、両手で顔を覆い……
『ならば何故……貴方は私を作った?』
……力無く、問うてくる。
オレが、お前を作った理由?
「オレは、お前をゲームのモンスターとして作った」
『そうだ、その通りだ……私は、ゲームのモンスターとして貴方に作られた! なら、この能力は何だ!?』
力……能力の事か?
「オレが考え、決め、作成したモノだ」
『──ぁあ、ああ! そうだとも!!! 貴方がそう定め、作成したモノだ! ならば、何故認めない!』
認めて、くれない……?
と、泣きそうな声で──バアルは問う。
『貴方が、作り……与えたモノなのに…………何故、貴方は認めてくれない? この姿も、そして能力も──全部、全部……貴方が与えたモノだろう!?』
まるで咆哮の様に、バアルは叫ぶ。
──貴方が作ったのに、どうして否定するんだ!
と、怒りを孕ませた声で……吼える。
……成程。漸く、理解した。
コイツは、勝敗には拘っていない。
ならば、何故……オレに敗北を認めさせたがったか?
簡単だ。
コイツは──バアルは、自分を証明する手段として、オレに敗北を認めさせようとしたのだ。
だが──
「何と言われようが、オレは敗北を宣言しない」
悪いが、コレは絶対だ。譲れない。
『そこまで…………貴方は………………ッ!』
ギリッ──と、血が出るほど歯を食いしばり……バアルはオレを睨みつける。
「話しは最後まで聞け。だいたい──」
だいたい……
「──オレは、お前を否定していない」
……元から否定していない──認めているモノを、どうやって認めろと言うんだ? コイツは???
『──………………は?』
◆◆◆
「聞こえなかったか? 否定していない。つまり、認めていると言ったんだが?」
ハッキリと、そう告げる。
正直、熱いし……喋るだけで辛いが、此処も一つの踏ん張りどころだろう。
だから言ってやる。
『ぅ、嘘だ! では何故……貴方は私を手放した!?』
結局それか!
あの時、さんざん喚き喧しく文句垂れるお前に、しこたま説明しただろうが!
「──だから! 純粋にお前の事が嫌いだからだって、何回も説明しただろうがッッッ!!!!!」
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