バグ修正
──ドうシテ?
どウシて、勝テなイ……?
何故、先輩は諦めてクレない──?
嫌だ……!
負ケナい、僕ハ……私、ガ、先輩ヲ──救ワナキゃ、アノ人は苦シイマまにナる……かラ…………!!!
ダ、かラ──
──すクウスくウスクうすくウすくうすクうスクウすくウスクうすくウスくウすクウスくうすくウッ!!!
僕が、あノ人を必ズ………………
■■■
──で? どうなんだ???
わざわざお前、そんな唐草模様の風呂敷まで用意して? 泥棒スタイル整えて???
どこで買ったの、それ?
え? まさかマジでそれを用意するのに時間かかったとか言わないよね??? キレるよ?
サバか? サバ折りをご所望ですか?
「まぁ──待ちなさい如月」
「辞世の句ですか? 聴きますよ^ ^」
「ホントに待って!? 殺人の確定演出やめて!!? アンタからのメッセはちゃんと受け取ってたから!」
──メッセ?
ああ、アレか…………。
〜〜〜回想〜〜〜
「清香ぁーーーッ!!!!! 境ちゃんアレ何とかならんのか!? 清香がッ清香がぁッッッ!?!!?」
「落ち着いて下さい、親父さん」
「落ち着いてなぞおれるか!? 清香ぁーーーッ!」
………………はぁ。仕方無いか。
「──ふんッ!」
「かひゅ──ッッッ!!!?!??!」
親父さん、悪いが気絶しててくれ。
首に一撃入れ、親父さんを強制的に気絶させる。
「慌てる気持ちも理解出来ますけど……今は邪魔なんで寝ててください」
喚いても事態は好転しない。
そんな事くらい分かるだろうに……。
「──マンちゃん's、あとスラちゃん。この人を外に連れ出してくれ。お前達はその護衛だ」
『『『OKェェェエエエエエイッッッ!!!』』』
『げっぷ!』
(了解!)
よしよし、コレで親父さんの方は良いな。
後は──社長に……。
・
・
・
〜〜〜回想終了〜〜〜
『──もしかすると、綾ちゃん達は途中で迷って会社に戻っているのかもしれません。確認願う』
『あと、ついでにオレのPC持って来て下さい』
↑…………って。送ったわ。
久保の親父さんが「清香ぁー!」って鳴き声あげ始めたから、画面外で気絶させつつ──
うん──そう送ったな。オレ。
いや、でも待て……メッセを見たのに、どうしてこうも時間が掛かったんだ?
──そう疑問に思いつつ、心の中の般若クンを何とか抑える。
「ふむ……理由を訊きましょうか?」
「よし来た! コレがその理由よ!!!」
そう……風呂敷を解いて、社長は地面にソレを置く。
──其処には、所狭しとオレのPC達が詰め込まれていた。それはもうギュウギュウに!!!
「如月、アンタ……社内にいったい何台PC持ち込んでるのよ? 言ってみなさい」
「…………6……いや、7台?」
「アンタ、メッセにはPCとしか書いてなかったわよね? だから、全部、持って来たんだけどッ!?」
──何か文句あるッッッ!!?!?
そう、社長は青筋を浮かべ怒鳴る。
「あーーーーー……すみませんでした?」
「デスクくらいちゃんと整理整頓を──ッ!」
ピシ────ッッッ!!!!!
「──社長ッ! パラサイト、剣!」
片手で社長の腕を掴み、思い切り引き寄せる!!!
刹那──ッ!
ギィン──ッッッッッ!!!!!!!!
耳を劈くような金属音と火花を散らし、
振り下ろされた影の細剣を……形状を変化させたパラサイトで受け止める!
『↑↑●!? @★←■■!』
「──ッ"、大丈夫ですか? 社長……??」
「ぇ、ぇえ……でも、アンタ──その腕……!」
うん? あぁ……コレか。
「少し痺れているだけで問題ありません。それより、一つ頼みたい事があるんですけど、良いですか?」
まぁ、鈍痛もあるが……そんなのは些事だ。うん。
「それよりって──血がッ早く病院にッ!??」
「病院なら後でも行けます。で、オレは今から久保の不具合を修正しようと思うんですけど……」
幾らオレが天才と言えど、不具合を修正しながら久保の猛攻を防ぐなんてのは、現実的じゃない。
なので──
「──その間、オレは無防備になるんで……壁、お願いして良いですか?」
「は、はぁ!? アンタ何言っ──ッ!??」
「──お願いします。オレは、アイツを……久保を助けたいんです。社長」
社長の目を見ながら、懇願する。
今は屈辱とか何とか言ってられんからね!
「ッ…………はぁーーーッッッ!!!!! あーもう、分かった! 分かったわよ、この頑固者!!!」
バカでかい溜息を吐きつつ、社長は怒鳴る。
そしてギロリ! と、オレを睨み……
「これ終わったら、ちゃんと病院行きなさいよ!?」
「はい」
「そんな腕で、ホントに出来るんでしょうね!?」
「やってみせます」
「これ以上の無茶は許容しないからね! ちゃちゃっと不具合を修正して、パパッと片付けるわよ!!!」
「ッ、はい! 約束します!!!」
再度、大きな溜息を吐くと──
「──全員聞きなさい! これより馬鹿がアホな事するから全力で援護するわよ、いいわねッ!!?」
そう声を大にして叫び、モンスターを召喚する。
「因みに、MVPにはボーナスを支給するわ! 総員、ガンガンいくぞぉーーーーーーーーーーッッッ!」
──え?
ちょ、待って???
そのボーナス分って、もしかして……オレの給料からしょっ引かれる系ですか? えッ?????
「ほら! 如月もボケッとすんじゃないわよ、この闇堕ち?した久保の相手は私達がするから、アンタはサッサと不具合を修正しなさい! いいわね!?」
「は、はいッ!」
剣で、影の細剣を弾き……後退する。
そして、それと入れ替わる様に──ティアマトちゃんが影の前へと立ち塞がった。
■■■
「──ふぅ。じゃ、さっそく始めるか……ッ"!」
腕に、鈍痛が奔る。
まぁ、こんなんなってたら……そりゃ社長でも気付くわな。
PCのキーボードを叩く為、腕鎧を一部解除するが──うわ。
度重なる猛攻の末、腕の皮は大きく裂け……血が滲み、赤黒く腫れ上がっていた。
まぁ、鎧からも若干血が滴ってたし?
あの鈍痛もね……こんな事だろうと思ったよ。
──はぁ。
「パラサイト、痛覚を遮断してくれ。あと、動きが鈍い。サポート頼む」
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