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天才




 ──『天才てんさい』……その言葉ことばきらいだ。




 すべての努力どりょくを、てんからのさいのうなんてことくくるそのことが……ボクだいきらいだ。




■■■




「──いや、だからってるだろ? おまえがオレにてないのは、オレがてんさいえたてんさいだからだって」


天才てんさいえた天才てんさいisなに?」


「フッ…………オレ」




 ちがう……ちがう、ちがうッ!!!




「ッ、それならボクだってうよ! なんだってってやる、せんぱいてんさいなんかじゃけっしてい!!!」


 そんなこと絶対ぜったいみとめない!


 ──みとめてたまるか!!!!!




■■■




「いつも余裕よゆうそうなかおをしてるけど、かげひといちばいりょくしてるのをボクってる!」




「──あー。たしかに……」


「シッ! 久遠くおんくん、シッ!!!」


本人ほんにん余裕よゆうぶってるパティーンですな!」


「…………いや、ちがうし。オレ、努力どりょくなんてs──」


『──ウチのあるじ努力どりょくできるなんです!!!』




 キメラ……おねがいだから、ちょっとだまろうか。




「テストだって何日なんにちまえからプリントや教科きょうかしょしゅうしてるし、ひとおしえながら自分じぶん確認かくにんだってしてる!」




かる! 先生せんせいおしかためっちゃ上手じょうずだよな!」


「あらあら^ ^」


「まぁまぁ^ ^」


ちがいます! アレはひまだったからで!!!」


『ぐすッ…………あるじ……ッ!』




 ホントにやめて! アレはマジでひまだっただけで、あんな簡単かんたん問題もんだいなやんでたから仕方しかたなく──!?




授業じゅぎょうちゅう余裕よゆうぶってボクたちまえではねむりしてるくせに、あとでコッソリ復習ふくしゅうプリントもらいにってるし!」




先生せんせい……」


『──ん? ねむり???』


 やめてキメラ。そのしたスマホはしまお? いったん、しまお? そんでおはなししよっか???




「ゲームづくりだって最初さいしょまったからなかったから、プログラムのつくかたからじゅつきにってた!」


毎日まいにち毎日まいにちたおれるまで数字すうじにらって……」


「テストプレイをしてる僕達ボクたち顔色かおいろうかがって、ゲームのかいぜんてん調しらなおして、すこしでもいゲームをって」




「……如月きさらぎ。アンタ──」


「あーでも、拙者せっしゃたち境夜きょうやたんのゲームをテストプレイしてるあいだ……境夜きょうやたん、ずっとかおてたでつね」


 ちがいま〜す。それ多分たぶんべつ境夜きょうやたんでつ!




何徹なんてつもして、分量ぶんりょうちがえたコーヒーみずってかためたモノを羊羹ようかんだってってべたり!」


理性りせいくして、ダンボールかぶって移動いどうしたり!」


挙句あげく、どうやってか天井てんじょうにまでいてたり!」




 久保くぼさんや……何故なぜいまそれをうのかね!?




「──あ。あの奇行きこうまえからなんすね!」


舎弟しゃていにまで奇行きこうわれてるわよ、如月きさらぎ


病院びょういんったほういでござるよ、境夜きょうやたん」


あるじ、だからちゃんとくださいとあれほど……!』




 うん……もうホントにやめて? オレにもプライバシーはあるんだよ??? ──え、あるよな?!




「なのに、ボクために……ボク所為せいで、自分じぶん天才てんさいだってって、えんつづけてる!」


 ………………。




「──自分じぶん努力どりょく自分じぶんおとしつづけて! 弱音よわねかずにつづけて……ぁ、ハハッ! アハハハハッッ!」




 …………久保くぼ


「ッ、ごめんなさい……ごめんなさい、先輩せんぱいボクのせいだ、ボクよわいから──だから、先輩せんぱいはずっと……!」


 あののこと、まだにしてたのか。




「──だけど安心あんしんして……もう、よわボクとは『さよなら』するから。つよくなるから…………ッ!」


「ッまて! おまえまさか!??」


 アレを使つかうつもりかッ──!!?!?




「さっすが先輩せんぱいさっしがいね──そう、ボクのアプリのなかにはいま、72はしらすべての悪魔あくま登録とうろくされてる」




 おぼえているよね?


 と、わらいをかべ……言葉ことばつむぐ。




 ──ああ、おぼえているとも。




 かく要素ようそひとつだ。


 72はしらという強力きょうりょくあくすべ入手にゅうしゅした場合ばあいのみ顕現けんげんする……73はしら悪魔あくま


 そのを──『ミシャンドラ』




 あつめられるワケいじゃん!? って、ってたクセに……手段しゅだんはどうあれ、あつめたのか。




 だが──その悪魔あくまは……。


特性とくせいは『憑依ひょうい』。ゲームないでは、手持てもちのモンスター一体いったい依代よりしろにして顕現けんげんするんだよね? でも──」


 とある不具合バグにより、管理者かんりしゃ権限けんげんでロックしておいたはずだ。それを……




「──不具合バグでモンスターじゃなくて、ひと……つまりはプレイヤーを依代よりしろ顕現けんげんする。だよね、先輩せんぱい?」




 …………いたのか。


 ハッキングをしたときに──オレに、ために。




「ッ! やめろ、久保くぼ!!!」




 そもそも、おまえかんちがいしてる。


 ──オレは、本当ほんとうはもう…………ッ!




「ハハ! や〜だよ……先輩せんぱいたなきゃ、先輩せんぱいすくわれない。なら、ボクため悪魔あくまにでもたましいるさ」




 その言葉ことば最後さいごに……久保くぼもとへ、かげともやみともつかないモノがむらがり、ひとつにざりってゆく。


社長しゃちょういそあやちゃんたちさがしてれてください」


「──え?」




はやくする! 鈴木すずきさん、いますぐアテナを召喚しょうかんして魔法まほう使用しようからの無敵むてき付与ふよ久遠くおん魔法まほう使用しよう迎撃げいげき準備じゅんび!」




 ロックを強引ごういんいたとうのなら、どんな不具合バグ発生はっせいしていてもおかしくない。


 なら、出来できうることすべてやる!




「パラサイト! モブどもからはなれ、オレに寄生きせいしろ! キメラは散開さんかい状況じょうきょうつつ遊撃ゆうげきたのむ!!!」


 そのうえで──




 ──あのおもはげしい後輩バカあたまに、鉄拳てっけん制裁せいさいをプレゼントからの説教せっきょうだ!




 覚悟かくごしておけッ!!!!!

 ここまでお読み下さりありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ

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