VS 久保 3
「──久遠くんは仕方無いと思うけど……鈴木アンタ、マジで知らないの?」
「え?」
「な、何をでござるか……?」
「あー……と、清香ってのが、久保の名前だって事をよ。アイツの本名は──久保 清香……」
「──え…………?????」
「そうなんすか!?」
「それと──勘違いが無いように言っておくけどアイツ……女の子だからね?」
「「──ヘァッ!?/そ、そうだったんすか!!?」」
「いや私も、履歴書見た時は三度見したからあんま人の事は言えないけどね? まぁ、男装女子ってヤツよ」
「──なん…………だと……?」
■■■
「──さて、懸念材料だった魔眼は潰したワケだが」
『ォォ……ア、ォウゥ…………(((/Д\;)))))』
あらあら^ ^
ビクン、ビクンッ──と、身体を痙攣せ、お目目から白煙まで上げてどうしたの?
大丈夫? 目薬(聖水100%入り)でも使う???
「ッ──クソッ! で、でもまだ僕には、先輩のモンスターだって居──ッ」
「──あー、超電磁砲の発射願います! 聞こえてたら返事しろ、お前ら!!!」
『OK!』
『いつでも良いぞ!』
『地獄を見せてやろう!』
『コメントは特になし!』
四方から、そう元気な声が返ってくる。
──よし、おトイレ4人衆は無事、位置についたらしい。ま、久保とモンスター共の気は引いてたからな。
そう難しくはなかっただろうよ。
「よし! 久保には当てるなよ。撃て、お前ら!!!」
『『『『──了解ッッッッ!!!!!』』』』
瞬間、黄金の光が視界を灼いた。
だいぶ加減してくれているのか、後から襲い来た熱風も大した事は無い。
ただ──
目を開けると、其処には、久保が頼みの綱としていたモンスター共の姿が綺麗さっぱり無くなっていた。
──若干、心にくるモノがあるが……流石にあの数は救えん。後で〆られる準備をしておくか。
「は?」
その光景を目の当たりにし、久保は声を漏らす。
『──ッ、何が……何が、あった?!』
オレの近くに居た為、奇跡的に消滅を免れたバアルが目を押さえたまま声をあげる。
「超電磁砲発射、お前ら壊滅」
『──は? まて!? 何だ、それは!??』
何って……起こった事を、ありのまま説明している。
「如月ぃいーーーーーッッッ! アンタこれどういうつもりよ、こっちにまで飛んできたんですけど!?」
「サーセンwww」
──自分、加減って出来ないもんで( °σд°)鼻ホジ
「……今後は、清香たん呼びもアリでござるな……」
「やっぱ先生パネェッッッ!!!!!」
──ウンウン、もっと褒めなさい舎弟よ。
あと、鈴木が久保にはっ倒されるに一万分の課金アイテム無料配布を賭けてもいい。
「──儂の、自慢の庭が……」
「ごめんなさい。後で(ドワーフが)直します」
それだけはホントに御免なさい。
でも、大半はお宅の娘さんの所為でもあるので。どうか穏便にお願いします。
「──ッッッ、なんで……なんでだよ!!?!?」
完全にお片付けムードの中……
久保が、叫ぶ。
顔を歪め、頭を掻き毟る。
「なんで! どうして僕が負けた!?? また、また先輩に勝てなかった!!! なんでッ!!???」
「──き、清香……?」
驚いたのか、久保の元へ足早に行こうとする親父さんを手で制す。
「境ちゃん…………?」
「──そりゃぁお前、オレが天才だからだよ」
笑顔で言い、答える。
その瞬間──ッ!
「──違う!!!!! 先輩は天才なんかじゃない!」
両目をカッと開き、久保は怒鳴る。
「僕と同じ凡人だ!!! 僕以上に努力をして、それを何でも無いように誤魔化しているだけなんだ!」
だから──
「──だから僕は先輩に勝たなくちゃいけない! 勝って、先輩も凡人なんだって言わなくちゃ先輩が救われない! なのに!!! どうしてッ──!?」
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