VS 久保 2
■■■〜〜〜久保邸 中庭〜〜〜■■■
「──どうしたどうした、その程度かぁ!??」
まるで砂糖に群がる蟻のように猛攻をかけてくるモンスター共だが、全っっったく効かんね!!!
弾幕薄いぞぉ! もっと気合い入れんかい!!!
それでもオレの元モンスター共かぁぁッ!!!
『──ッ、硬い!!?』
そらそうよ! ステは全てMAX!!!!!
フェアリーゴッド如月の魔法を甘くみるで無いわ! テメェらは、オレを、怒らせた!!!
──くぁ〜〜〜はっはっはぁぁッッッ!
「あ、言っとくけどHPとMPも底上げしてるから。通常時の50倍くらいだから、ガンバッ☆」
「『──はぁッ!!?!???』」
「オジちゃん、自動回復もオマケしといたからね♡」
「『──ファ●ク!!!!!!!!』」
「おやおや、元気な子達だね? よし! じゃあ蘇生と蘇生強化もオマケで付けておいてあげようね!」
「──ごめんなさいもうやめて下さい!!!」
『──ホントに止めてくれ元主!!!』
おやまぁ、何度も言ってるだろう?
「……ルールを破った者に慈悲は無い。そう何度も言わせるんじゃないよ、この糞馬鹿塵屑共♡♡♡」
にっこり……微笑む。
「あーあー、ガチギレしてるわよ。アイツ」
「境ちゃんキレさせるとか、清香はいったい何を…?」
「「………………???」」
『クソ! こうなったら──ッ!』
瞬時に、バアルの姿が掻き消える。
おっと……これは──。
『──動かないでもらおうか、元主』
即座に距離を詰め、伸ばした爪の先をオレの喉元にピタリと押し当て、バアルは言う。
ふむ、あと一歩でもバアルが前に進めば……、
…………とてもじゃないが、良い子ちゃん達にはお見せできない光景が広がることになるだろうな。
『──主ッ!』
「──先生ッ!?」
『──ご主人様ッ!??』
「ッ、バアル! 何やって──ッ!?」
ん? 久保が慌てている???
と、いう事は……コレは、バアルの独断か。
『──主よ、すまない。元主も、申し訳無いとは思う。だが、それでも負けるワケにはいかんのだ!』
ん〜ッ? あれ……コイツ、こんだけ勝ちにこだわる様なヤツだったっけか???
『負けを認めてほしい、元主よ……』
思い詰めたように……苦しそうに言葉を紡ぐ。
「──理由は? 教えてくれないのか???」
『ッ! 元主が負けを……認めてくれれば、話す』
ほぅ? それまでは話せない……いや、話さないと?
……へぇ〜〜〜、ほぉ〜〜〜〜〜?
それなら──まぁ、仕方無いか。
何か、めっちゃ思い詰めてるみたいだし……。
「はぁ──いいよ。負けを認めても」
溜息を吐き、両手を上げ、告げる。
『──ッ!? それは、本当か……?』
「ふぅ。そんな事で嘘はつかん……それに、手段はどうあれオレをここまで追い詰めたのは見事だった」
そこは流石だ。それは認めよう。
「──後輩だから、モンスターだからと油断した。まさか、お前らがここまでやるとは思わなかったよ」
にこり……苦笑する。
だってまぁ、追い詰められたのは本当だしな?
『──ッ……元、主…………』
「──先輩…………」
あーもう、その泣きそうな顔やめろよ。卑怯だぞ。
「だが、オレだってこのままハイそうですかと負けたくは無い! ここまで大事にしちまったからな!!!」
それを、ただ負けを認めて終わるなんて味気無い!
『──ッ、では……どうするつもりだ、元主……?』
「簡単だ。ジャンケンしよっか♡」
『「──は?」』
やめて? そんな目でオレを見ないで???
「ジャンケンしてオレが負けたら、オレは大人しく敗北を認めるよ。はい、出さなきゃ負けよ──」
『──は、ぇ? まッ……!』
最初はグー──
「──ジャンケン……」
『──ッ!』
いまdeath──ッッッ!!!!!
一瞬の隙をつき、素早く喉元を晒し姿勢を低く! 爪を躱し左手はチョキの形に! そして今度は大きく足を前に踏み出し前進!!! あとは高さを調整して──
「──チェエエエィイッッッッッ!!!!!」
『──え°……ぁ"あ"ーッ!ッーーーーー!!!??』
オレはチョキを出した。
対して……バアル。お前さぁ…………?
「おいおいバアルくんよぉ〜? 何でなんにも出してないのカナ〜〜〜??? やる気あんの?」
『目がッ、目がぁーーーーーーーーーッッッ!!!』
バアルは両手で目を押さえて、ジタバタもがく。
──ん? 何だい??? (・ω・ )?
オレは、チョキを、(相手の眼目掛けて)出しただけだぜ? それが何か???
「──って、どうしたバアル!!?」
奇声をあげ藻搔いているバアルに駆け寄る!
なんてこった!? 目が真っ赤に充血しとるw
だがコイツ……中途半端に目を閉じやがったな?
──フッ、まぁいい。
「急いで冷やさねぇと!!! ほら、聖水ドバー!」
『ア°ーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!』
手を離すと、カラン……と、小綺麗な音を立てて、聖水が入っていた小瓶が地面を転がる。
「………………さて。次はお前だ……久保ぉ……」
ユラリと立ち上がり、久保へ笑顔を向ける。
「──ッ、な、なんで……?」
なんで? 何でだと???
「おいおい、何度も言わせるなよ……?」
ニチャリとした笑顔で、告げる。
「──ルールを破った者は、ルールに守られない。そして一切の慈悲は……無い!」
当然だよなぁぁああああああぁぁぁッ?????
■■■
「アイツ……マジ容赦ねぇ!」
『──さすある、です! マジ、さすある!!!』
『………………いいなぁ』
「清香ぁ、アカンて。境ちゃん怒らせちゃアカンて!」
「──あのぉ……」
「──ちょっといいっすか?」
「ん? どうしたの???」
「「──いや、清香って誰/誰っすか!?」」
「え?」
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