VS 久保 1
■■■〜〜〜久保邸 中庭〜〜〜■■■
「──焼き尽くせ、フェニックス!!!」
「防げ、シャドウゴーレム……」
久保のフェニックスが放つ業火を、オレの影から飛び出したシャドウゴーレムが受け止める。
「なっ!??」
「どうした、久保? オレがモンスターを使うのがそんなにおかしいか???」
あぁ……それとも──
「いや──モンスターの制御を『乗っ取れない』事の方か? 今も、どうせ色々と試してるんだろ??」
──嘲笑する。
「……ッ!」
「悪いが同じ手は食わん。シャドウゴーレム、その鳥を撃ち落とせ……レーザー発射!」
命令と共に、シャドウゴーレムの口が開く。
「あの技はたしか……フェニックス、今のうちに結界を展か──」
久保の言葉が最後まで紡がれるより先に──カッ!
と、ね? oh……。
すぅ〜、何があったかありのまま説明するぜ?
えっと、オレのシャドウゴーレムがその口からレーザーを発射したワケなんだが──な?
──そのレーザーはオレの予想を遥かに超える極太レーザーでな?
それが、フェニックスを呑み込み消滅させました。
そしてオレは今、テストプレイの大切さを改めて思い知ったよ。テストプレイって大事ッ!!!
「はッ……なん…………ぇ?」
「あー……強化し過ぎたか。悪いな久保、お前の焼鳥を消滅しちまった!」
笑顔で言い放つ。
『馬鹿な……あの技は、たしかチャージタイムが──』
──は? チャージタイム???
「それはルールを守る場合だな? ルールを守らない悪い子ちゃん達には適用されませんので悪しからず」
『「──なっ!?」』
当たり前ぇだろうが。ルールを破ったんだから、当然そのルールにも守られない。
……何回も言わせるなよ?
「ッ、それならクロノ──ッ!」
「──キメラ、クロノスを捕食!」
『承知しました! 悪く思うなよ、クロノス』
キメラの身体が解け、瞬時に蟲の群れがクロノスを覆い尽くす。
──蟲に覆われたその身体は溶ける様に、段々と小さくなってゆくと……後には、また人の姿に戻ったキメラだけが残ったのだった。
『ふぅ、ご馳走様でした。いやぁ〜、やはり強いモンスターは美味しいですね!』
『──ゲバァアアアアアア!!!』
『む、クロノスの能力が解けたか……それなら、奴らの方に加勢しに行け。此方は我らだけで充分だ』
満足そうに微笑むキメラに、目を見開く一人と一匹。
それと無事だったか……良かった、スラちゃん。
ウンウン、そのまま社長達を手伝いに行ってね。
「ハッ──おいおい、驚き過ぎだろ?」
『全くですよ。唯、「耐性貫通」と「即死」が発動しただけなんですけど?』
「『せーの──ね〜〜〜〜〜〜〜〜?』」
オレとキメラは同時に笑う。
「ッ!? 『チャージタイム無効』に『耐性貫通』、それに『即死』だって……!!?」
『なんと無茶苦茶な──!?』
──おい、なに勘違いしてやがる。この虫野郎!
オレのバーサーカーな魂が、この程度の粛清で抑えられるとでも思ってんのか???
「はぁ〜〜〜⤴︎⤴︎????? コレくらいで何ぴーぴー言ってんだよ、テメェらはアァンッ???」
『本当の粛清は此処からですよ?』
「そんくらいアイテムでどうとでもなんだろうがよ糞がよぉ? この改造厨共がよぉぉ!????」
『えっと……サッサとアイテムでも何でも使って』
「オレから奪ったモンスターだってまだまだ居るだろうがよぉ、この困ったちゃん共めッッッ!!!!!」
『つべこべ言わず掛かってきな! ……ですか、主?』
フッ……ナイス、通訳だAIBO! Σd(´∀`)
「──クソッ! それなら、出て来いお前達!!!」
■■■
「あ、久保の奴……数攻めに作戦を変えたわね」
「でもそれ、餌を増やしただけなんでござるよな〜」
「いやでも、仕方無いっすよソレ。切羽詰まると正常な判断なんて出来ねぇっすよ」
「ぉお──良い事言うな、坊主! それで、何故……清香と境ちゃんは喧嘩しとるんじゃ???」
「それは久保の奴が如月のゲームを改ぞ──え?」
「「──え??」」
「──ん?」
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