キメラくん、お願いしますッ!
■■■〜〜〜久保邸 中庭〜〜〜■■■
「──はぁぁ〜〜〜〜〜ッッッ(極大ため息)」
「あ"ッ!?」
「お"んッ!?」
ため息に反応してか、鬼二匹がマンドラゴラを掴んだまま此方へとその眼を向けてくる。
「って──へ……こ、子ども!!? どうして此処に!? 親父まで何で一緒に居るのッ!??」
と、まぁ……久保が至極当然な質問をしてくる。が、
「遅いわよ如月! あと、そちらのダンディな方は……え? 久保、アンタの親父さんなの!?」
──社長……いや、まぁもう良いけどね?
「は? 如月って…………え???」
信じられない様子で声をあげる久保。まぁ、そうなるわな? 寧ろ、コレが普通の反応だ。
だが事実は事実! 信じられないと言うのならば……特別に見せてやろうじゃないか!!!
「──タマァ! 幼児化解除ッ!!!」
『了解しました、ご主人様ぁ♡』
途端……ボフンッ!!!
と、コミカルな音と共に──ビリッッッ!
布が裂けるみたいな音が……オレの着ている服からあがる。フッ、参っちまうよな。まったくよぉ……!
しかもオレさ、今、パラサイト装備てねぇんだよな。
──考えろオレ、このままではP案件だ。それだけは避けねばなるめぇよ!
すぅ〜、と、息を吸い……
「タイム! お色直し入ります!!! キメラくん、煙幕お願いしますッ!」
──叫ぶッッッ!!!!!
『OKです! いきます!!!』
瞬間…………バフンッ!
破砕音と共に、中庭に煙が満ちる!!!
さてと、では──
「──親父さんすみません! クリーニングしてお返ししますんで、服貸してもらっても良いですか!?」
・
・
・
ふぅ! みんな、おまたせ☆
お色直しを終え、ついでにお花摘み組と合流し……中庭へと戻る。
もう、煙は晴れていた。
「ッ──先輩が、二人?」
オレの身代わりこと──ドッペルゲンガーと、幼児化が解けたオレの姿を見ながら、久保は息を呑む。
「ん? いや、オレの姿をしたキメラを入れると三人だが??? どした、そんな変な顔をして?」
──まるで鳩が豆鉄砲を食らったみたいじゃないか。
そう言って、嗤う。
『……元主よ…………いったい、どんな手を──』
「──使ったかって? 答える義理は無いな」
まぁ、全てが終わった後でなら……教えてやっても良いが。なぁ?
あ、それと。
「久保、それ無意味だからやめとけ。って、もう試し終わった後かもしれないが、一応言っとくな?」
──嗤う。
「く…………ッ!」
悔しげに顔を歪めた久保の、その手に握られた端末が、ミシッ──と、音を立てた。
この後に及んでも、まだ勝負を棄てない。
……流石はオレの後輩だ。その意地だけは認めよう。
だが──残念。
お前は一線を超えた。
オレを怒らせたんだよ……お前は。
──ゲームのルールを書き換えた。
──ゲームを成り立たなくさせた。
──オレのゲームの邪魔をした。
ルールを破った者が、そのルールに護ってもらえると思うか? そんな資格、無いだろ???
──だから、お前にルールは無い。
──故に、お前はルールにも護られない。
今から始めるはゲームに在らず。
──公式から改造厨に対する罰。制裁。裁き。
覆しようの無い理不尽。
それだけだ。それ以上でも、以下でも無い。
「さぁて、久保──」
「……ッ…………!」
ニヤリ、と──微笑む。
「──二人仲良く、遊ぼうか…………ッ!」
■■■
「──え? 二人仲良くって、私達は???」
「女社長……理解るでしょ?」
「モブ共のお掃除でござるよ。もっと言うなら、邪魔させるなよ? って事でつ!!!」
「──あ。そういう……? まぁでも、正直助かったわ。あの二人の喧嘩に巻き込まれるなんて御免だもの」
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