何やってんの…コイツら?
■■■side:ドッペルゲンガー■■■
『──キュゥ〜〜〜……』
「すまんなフェアリー。寝ていてくれ」
モブ2号がフェアリーを倒し、モブ1号が座敷牢の鍵を開けてくれる。
「待たせたな。さぁ、行くぞ」
「周囲に敵影は無い。チャンスだ」
「だが向こう側は騒しいな。あのスライムの様な生物と主の学校から拝借して来た奴らが仕事をしたらしい」
淡々と会話するモブ1号と、部屋の外を見張っていたモブ3、4号。……正直、怖いんだが?
──先程までの若ムーブはどうした!?
なぜオレを助ける!?? 目的は!?
目から光消すのやめて! 淡々と話さないで!!! 温度差で風邪引きそうなんだがッ!!!??
「………………:(;゛゜'ω゜'):」
「ん、どうした? そんな奇妙な顔して……まさかトイレか、ドッペルゲンガー???」
──しかも正体バレてる!?
「マズいな……近くにトイレあったっけ?」
「え、知らん。オマルなら物置きで見たが」
「我慢が無理そうなら持って来てやろうか? ただ……水と紙が無いんだが…………大きい方か???」
「水だけなら、フェアリー起こせば良くね?」
──いや、勝手に決めないでくれる!?
あと、そんな事の為に叩き起こされるフェアリーの気持ちも考えてやれよ!!? 可哀想だろ!?
この、人の話しを全く聞かない様子……淡々とした口調、正気を疑う言動──まさか!?
「──お前ら、パラサイトか!!?」
「「「「──え、そうだが?」」」」
あれ、言ってなかったか? と、同時に首を傾げるパラサイトinモブ共。
……何がとは言わないが……恨むぞ、主…………。
■■■〜〜〜久保邸付近 上空〜〜〜■■■
「──いやぁ、妻と楽しみにしておっての! 儂も境ちゃんが跡を継いでくれたら安心して隠居できるわぃ!」
「いや、だから継ぎませんけど?!」
豪快に笑う久保の親父さんに、オレはあと何回この言葉を言わなきゃいけないんだろうな?
「またまたぁ〜、照れとるのか??? もう清香とキスくらいしたんじゃろ? どうなんじゃ、んっ??」
「──してませんけどッ!!?!??」
するワケ無いだろ!? アイツとキスなんて!
「え? 境ちゃん……意外と奥手なのか???」
「──奥手とかじゃなくて! そもそも、オレとアイツはそういう関係じゃありませんって!!!」
「ナチュラルにアイツ呼び……ほほぅ!」
もうヤダ……この人──(/Д\ )
何でいつもオレとアイツを付き合わせようとしてくるの!? 何回否定しても信じてくれないし!!!
『あの、主……』
「──なに……?」
『パラサイトがドッペルゲンガーを無事救出したと、虫達から報告が──』
あ、そう。
じゃあコレで【電撃戦 上級講座〜救出編〜】も無事終了か。ご苦労様でした。
『──ただ、その……』
「どした? 何かあったか???」
『いや、あの──ドッペルゲンガーの奴がトイレを我慢してるらしくて……困っていた。と』
………………………………は?
「──え? なに??? 下剤でも盛られたの?」
『さ、さぁ? どうしましょう……???』
どうしましょう……って、そんなの放──
──いや、待て。アイツいま、オレの姿なんだっけ…………それはマズいな。
「話は変わりますけど──親父さん。親父さんの家、トイレ何処でしたっけ???」
「へ? 玄関入って奥の右手側じゃが???」
あー、あそこか。よし──!
「──一先ず、地上に降りて話しませんか? あと、ちょっとトイレ借りますね。すみません」
電撃戦は成功した。そしてドッペルゲンガーも無事救出できた……。
なら、もうこの姿で隠れている必要も無い。
そして何より──
──オレの、脳内の、キャパが限界を迎えそうなのである!!! 色々あって! 疲れちゃったの!!!
何度否定しても聞かねぇ、友人の親!
トイレ我慢してる自分の身代わり!!!
一向に到着する兆しの無い後続部隊!!!!!
──もう一度言うな?
疲れちゃったの!!! オレ!!!!!
地上は地上で──
「──4ねぇ! 金魚のフンめ!!!」
「誰が金魚のフンよ!? 誰が! アンタだって如月の腰巾着でしょうが!!? くらえ!」
何かマンドラゴラ投げ合ってるし。
もうさ、何やってんの……コイツら?
■■■一方……■■■
「──綾、怒らないから正直に言ってほしい。迷ッ」
「迷いましたごめんなさいッ!!!!!」
「………………やっぱりか……」
「だ、だって! 前方から人が飛んでくるから、助けなきゃって!!! そしたら、見失って……ぅう」
ここまでお読み下さりありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ