如月航空 Next
■■■作戦(強引に)スタート!■■■
「──はい、では皆さん。プレゼントボックスに贈った魔法は確認しましたね? 大丈夫ですね???」
そう周囲を見回し声を掛けると、
「いや、コレはやり過ぎでござろう……?」
だの、
「正気かい? コレ?」
だのと、声が上がる。
──正気ですけど???
「オレ強ぇえええええ! したく無いです?」
「いや、このアイテ──魔法、無茶苦茶でござるよ? テストプレイはされました?」
「あっははは! 御冗談を……」
強いて言えば、今がテストプレイ中ですがナニか?
「ぇ、なに??? そんなヤバいアイテムが贈られて来たの? 私のトコには何も来てないんだけど!?」
「──自分のトコにもっす」
「私の所にもだ。如月くん?」
「………………(¬_¬)」
いや、だって作戦名否定されたし……?
「──如月ぃ〜〜〜???」
ふーむ、どうしよっかなぁ?
「…………話変わるけど、シンデレラって作戦名……改めて考えると良い名前ね」
「もう! 仕方無いですね……ヽ(´∀`)ポチッとな!」
「(ちょっろw)」
・
・
・
「──アンタ、流石にコレはやり過ぎでしょ?」
「改造厨にかけてやる慈悲とか無いんで。自分」
アイツはオレを怒らせた。それだけだ。
公式の本気……たんと味わうが良い!
「まぁ、別に無理に使えとは言いません。その魔法は0時をもって消失しますのでお好きなようにどうぞ」
◆◆◆
「ではですね……本作戦について説明を──」
──ピロン♪
……あ"? もう誰だよ、やっとちょっと会議っぽくなって来たと思ったのに…………。
『主〜、コッチの準備は万事完了!(・ω< )ミ☆』
『いつでも攻められるぞバッチ来いψ(`∇´)ψ』
「………………」
「如月? 変な顔してどうしたの???」
うん。そっかぁ、準備……終わっちゃったかぁ〜。
会議、まだ「か」の字も出来て無いんだけどな! そっかぁ……終わっちゃったか、そっ、かぁ…………。
まぁ、薄々そんな気はしてたよ。うん。
……ま、まぁ? アプデは無事終わったし???
ば、バージョンアップだってしたからッ? 一応ちゃんと仕事はこなしたからね??? オレも。
だから──
「──えーと、説明をしようと思いましたが時間の都合上場所を移します! 総員、急ぎ屋上に集合!!!」
「「「「「「「──はッ?????」」」」」」」
許せ、皆の衆!
オレだって人間なんだよ……だから時には、思い通りに行かない事もあるさッ!!!
人生そういうモンだって、偉い人も言ってた!
「──フッ、ついて来なテメェら!!! はい、キメラくんダッシュ! 変態も遅れるな!」
『はい! 主!!!』
『ごる、ふにゃぁおん♡』
(あぁ、なんと強引なご主人様♡)
「──(つっても、オレ、キメラに抱っこされてるから……ついて来るもクソも無いんだけどな!)」
■■■〜〜〜如月航空 特急〜〜〜■■■
「皆様! 本日は如月航空のご利用誠にありg──」
「──すんません先生! 何言ってんのか! 全く! 聴こえないっす!!!!! 風の音で!!!」
あらま……そいつぁ失礼しました。
「本日は!!! 如月航空のご利用!!! 誠に! ありがとうございますッッッ!!!!!」
「──んな挨拶よりも! もうちょっとスピードの方をどうにかしなさいよ!!! 落ちるぅーーー!!!」
変態のツノにしがみ付きながら、叫ぶ社長。
──そう言えば、何か……搭乗時より人数が少なくなったような? ま、気の所為だろう☆
『主!!! 大丈夫ですか!?!!?』
変態のタテガミにしがみ付きつつ、此方へと這ってでも来ようとするキメラくん。さすキメだわ。
「あー、うん。オレは大丈夫だけど……おい、変態。もうちょいスピードをおとして──」
『──ハァッハァッ……本来であればご主人様以外を乗せるなど嫌な筈なのに!!! なのに、ご主人様からの命令だと思うと……途端に喜びが湧いてくる!』
「………………」
『フゥッフゥゥッッッ! コレはまさか愛!? ぁーーーーーんご主人様ぁあああああぁぁんッッッ♡』
「あー(諦)──えーと、皆様すみません!!!
ウチの航空機が自家発電を始めましたので、近くのモノにしがみ付いてでも落ちないようにお願いします!」
「「「いやぁあああああああああああ降ろじでぇえええええええええええええええええええええッ!!!」」」
流石は悪魔だ……何と恐ろしい!!!
……え? オレ???
オレは何かバリアみたいなモノで護られているから平気だ。そこんトコはしっかりしてるよ、この変態。
「それは出来ません! もし落下しそうなら、歯ぁ食いしばって頑張って耐えて下さい!!!」
「これなら無理言ってでも綾ちゃんの方に乗せてもらえば良かっだぁーーーーーーーーッッッ!!!!!」
「女社長! それは言わねぇ約束だろ!!!」
「所詮、我らは負け組なんでござるよ! クソ! 何故あの時……拙者はチョキを出した!!!??」
──いや、オレに訊かれても……。
「じゃあ降ろしてよ! 私はワイバーンちゃんに乗って行くから!!! 降ろじでよぉーーーッ!!!」
「それならオレだってバハムートに乗りてぇよ!」
「二人とも、諦めなされ……この強風の中、片手でも離せばお空の彼方へ一直線でござるよ」
阿鼻叫喚の地獄絵図──って、今みたいな光景を言うんだろうな。多分。
耳を劈くどころか、鼓膜をブチ抜きそうな叫び。
恐怖の中……涙を流す者、念仏を唱える者、もう全部諦めて笑っている者などetc。
──まだ、目的地に到着すらしてないんだけどなぁ。
澄み渡る青空の中、悲鳴やら怒号やら怨嗟やらを乗せた悪魔は大空を行く。
なぁ……お前ら、気付いてるか???
行きがあるって事はな──帰りもあるんだよ^ ^
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